身を起こすミーナに気を良くしたのか、リャオは甲高い声でまくし立てた。
「テロルも考えてみてヨー。大抵の男は小さいころからはカッコイイものが好き! 筋肉はカッコイイ! つまりケトルが筋肉好きでもフツーのことヨー!」
「そうなんですね。勉強になります!」
「待てオイ」
「女の人もカッコイイ人が好き、つまり筋肉が好きってことダロ?」
「違うわい。っていうか盛り上がってないで話を……」
テロルの制止が聞こえているのかいないのか。リャオとミーナは微妙に噛み合わない会話を続ける。
「筋肉はあったかい! 強靭! 全てを包み込む包容力! 筋肉があればだいたいなんとかなる! だから、ミーナだって筋肉を鍛えたらケトルなんて一撃で仕留められるヨー」
「ああっ、そ、そんな! イチコロだなんて……!!」
「いたいけな少女の瞳を筋肉で曇らせるのは止めなさい!」