・第二十話

GIジョー回。
ゲスト脚本は虚淵玄。
啓蒙主義を敵役として置くあたりは『翠星のガルガンティア』でもあった対立軸ですね。

これを観る前に『神化三十六年』を読んでいた方がニヤリと出来ると思います。視聴後に読むと、孫竹さんの発言との繋がりがわかると思います。私は前者でした。

アメリカをステレオタイプに描いているという批判を目にしましたが、昭和四十年代の漫画では、アメリカは概ねこの手の描かれ方をしていたような気がします。
コンレボは「現実の昭和」ではなく、「昭和のフィクション」を元ネタにしているので、ステレオタイプな描き方をしているとしても、それは当時のフィクションを反映した結果だと思います。

そんなことよりも「脱走したサイボーグ兵士が損傷を補うため、かつて仲間だった同型規格のサイボーグ兵士達から腕パーツをもぎ取って換装」は最高だと何度でも歌いたいです。

第三者たるジョナサンから見た爾朗さんと柴来人は友達。
柴来人といえば、脚本よりも丁寧に神棚を片付けていて好感触です。

ラストの新聞にちらっとウルティマポリスが。相変わらずさりげない伏線の張り方です。
しかし思い返せば二期開始時から決戦は沖縄だと仄めかしていましたね。

怪物と闘う者は自分が怪物となってしまうのでした。


・第二十一話

爾朗さんのメンタルフルボッコ回。
ツケが一気に押し寄せて来ました。

お前は何をやっているんだと責められる→心のヘルプに反応してアースちゃんが来るの流れでもう爾朗さんのライフが心配になるのに、このタイミングでジュダスが人体実験していたとカミングアウトするの酷すぎて笑います。
そういえば彼らは別に仲良しでもないし、チームでも組織でもなかったのでした。言うなれば、何故か柴探偵事務所に集合する烏合の集です。

そんな中で巨大化してもいいことないぞと言っちゃう白田さんは癒し。
というかこの作品、良心的なキャラクターが少ないですね…。悪人ではないものの面倒臭い性格揃いです。

キャラクターといえば、倫子さんがこんなにいいキャラになるとは初登場時からは思いもしませんでした。
酔っ払って管を巻く姿がなんだか可愛いとさえ感じます。

メガッシンの合体と分離を組み合わせた戦い方好きです。

キッカーの外見が長川神リスペクトにしか見えません。彼が何をして何を思っているのかはコメンタリーで少し触れられますが、尺の都合で本編には組み込めなかったそうです。だからなのか、私にはキッカーが作中で浮いているように見えます。

脚本にある野球超人がどの立場のキャラかわかりません。


・第二十二話

スーパーロボット回。
しかしコンレボはロボアニメではないので、ロボはここで退場です。でも川に流すのは不法投棄では?

長川神が思い描いた理想の超人
=クロード
=×××(ネタバレ)
大体予想していた内容ですが、非常にそそられます。これ、イラストにしたいですね。

「あそこで泣いている子供がいる」
風郎太は子供の味方。ずっと一貫して描かれて来たからこそ、ここでグッときました。
元々「あの頃の自分を今の自分が抱き締めに行く」シチュエーションが堪らなく好きというのもあります。

ついに合体しましたよ。
悩み続けてきた爾朗さんと、思い切りが良くなった柴来人の平行線な関係が重なったのだと思いました。

里見の「倫子!」って叫びが好きですね。
まさか最後殺そうとしたとは。てっきりもっと軽いノリ(しょうがない奴だ…みたいな)で小突いたのかと。

映画の超人課メンバーのパチモノ臭さは中々酷いです。大鉄君も絶妙になんか違うんですよね。
キングコング方面に振りましたかー。


・第二十三話

笑美さん回。
ずっとスタンス不明だったからどこまで信じていいかわからなかった笑美さんですが、やっと本音が見えました。
女の情念ありまくりですが、私は女性キャラの中で彼女が一番好きです。
(ちなみにアースちゃんは性別が無いから番外扱いです)

そしてOPのフラグ一個回収。
ってことは?

それはさておき、孫竹さん。この人一期ラストで悪役オーラ凄かったのですが、なんだかんだで息子思いな人だったのですね。マッドなだけで(そこが問題では?)
三木さんは、私の中では二枚目や三枚目のお兄さんキャラを演じる人というイメージが強いのですが、2010年代に入ってから父親役も見かけるようになり、時の流れを感じます。

こんなにしんどい気持ちになる「泳げ鯛焼き君」は初めてですよ…。いまだに鯛焼き見るとコンレボを思い出します。
…ああ、輝子の言っているのはこういうことなのですね。納得しました。

はい、EDのフラグも回収。
というかですね、柴来人、設定から作中の思考と行動の変遷から退場の仕方まで完璧すぎません?彼については作中で全部描ききったんだろうなと思いました。
このシーンはもう、大鉄君が能力行使する流れから最高でして。ちょっと大鉄君格好良すぎです。
あと、前話から柴来人とアースちゃんに父子っぽさを感じてしまって悶えました。

作中の良心が倒れたことで不穏さと絶望感に包まれたまま次回に続く。


・第二十四話

最終回。

アバンにエピローグを持って来る手法のおかげでマイルドな入り口になりました。前回ラストに想像したバッドエンドは回避したのだろうなと思わせてくれましたが、これはもったいないかもしれません。

コメンタリーで、えりこさんが「大鉄君(CV.村瀬歩)格好良い〜!」って言ったら石川プロが「だろう?」ってドヤるの最高だからハイキュー勢はコンレボ観て下さい。特に影山と日向と及川が好きな人。
石川プロが村瀬君演じるキャラ誉められてドヤるし、ラスボスの声優は浪川さんで石川プロの演じるキャラと対になる関係です。

ああ、レックスFEを足蹴にズルい台詞を吐く爾朗さんの下衆さよ。大鉄君が少年漫画の主人公っぽい造型だから、余計に悪役ぶりが際立ちます。

なんだかんだ付き合うジュダスは一体何なのでしょうか。

輝子は魔界出身であることに引け目を感じていたのかなと思いました。

爾朗さんも輝子に幻想を抱いていた。ここは一期ラストとの対比なのかなと。
それにしてもこのシーンは輝子の情念の深さを感じました。彼女は(未成熟な筈の)少女の頃から生々しい女の顔をしていましたが。なお、脚本だともっと長台詞でドロッとした心情を吐露しています。
笑美さんもそうですが、ヒロイン二人揃ってこういう系とは珍しい気がします。

里見の暗躍描写はさんざんあったので、さほど違和感はありませんでした。でもいきなり肉弾戦仕掛けるのは悪手でしょうよ。
里見のラスボス役にピンと来なくても、彼の元ネタの内の一つが「○通を大きくした人」とわかればヤバさが実感できると思います。

久々の超人課集合なら、回想でもいいから課長の台詞も欲しかったですね。

ここでジャガーさんはズルい、彼は本当にズルい大人ですよ…。

作画の枚数を重ねるよりも、見せ方を工夫して欲しいんですよ。
ボンズさんの顔面パンチに対する並々ならぬやる気は何ですか。

約束を破るのは二回目。
一つは「輝子と会わない」
もう一つは、もっと昔にした約束。
…胸が締め付けられました。

そして旅立ち。
いなくなった超人、身を隠した超人、だけど超人を望む者がいるならまた会える…未来に希望があると思わせてくれる、綺麗な幕引きだと思いました。

天涯孤独だった博之君が家庭を持ったこと、柄にも無くジーンと来てしまいました。
流石は最終回、感情が揺さぶられてばかりです。

さて、詰め込みすぎな感は否めませんが、爾朗さんの物語としては綺麗に終わったと思います。
このラストの後に『シン・ゴジラ』公開というのがニヤリとしますね。

私はいまだにサブタイトルの意味を理解していないのですが、考え続けることに意味があると爾朗さんが言っていたので考え続けますね。

円盤だとエンドカードの差し替えがあるんですね。
のいぢ先生によってジャガーさんが加わりました。嬉しいです!


コンレボは本当に嗜好が合う作品で、出会えたことに感謝しています。難しい部分もありましたが、それを考えたり調べたりするのも含めて楽しかったです。ありがとうございました。