ろくごまるに御大の作品再読中です。


色々濃い宝貝が登場するこの巻。
とにかく表題作だけでも読んでみて欲しいです。特に、CP中毒の方やバディ物が好きな方の琴線に引っかかるのではないかと思います。

安楽死用の宝貝を使われ、夢の中で全てを忘れて普通の娘としての人生を送る和穂と、自分では与えてやれない幸せな光景をただ見せつけられる殷雷。
和穂の幸せを願うなら、常に心の休まる暇の無い宝貝回収の旅よりも、普通の人生を歩ませてやった方がいいのではないか――殷雷の苦悩と、夢の涯で和穂が下す結論とは。

というあらすじです。

ろくご御大にしては珍しくひねらず、結構直球な宝貝の能力と話運びと結末なのですが、これまでの和穂と殷雷のキャラクターの積み重ねがあるから、胸に響きます。


他、御大の作家としての矜持が垣間見れる話や、対宝貝用宝貝とかいうメタ的バトル、平行世界の可能性やら世界の危機やら。いきなり世界が広がった感じがあります。

みんな大好き導果先生、私も好きです。特に好きなのはやっぱり、書き下ろし中編のクライマックスですね。
そんでさらっと将軍の事件に言及していたんですね。うわ今気付きました。


それにしてもあとがきの鬼気迫る感が凄まじいですな。今までとテイストが違いすぎて、この当時は本気で作者の体調を心配したものでした。