ろくごまるに御大の作品を再読中です。


この巻のテーマは「怒り」でしょうか?
荒れ狂いながらも普段通りに振る舞うことを選択した和穂と、憤りを対象にぶつけることに心血を注ぐ轟武剣と。


時系列は前巻ラストのラストシーンから一日以内でしょうね。
七巻から作中時間と移動距離の間隔が狭くが短くなったというか、同じ村から移動していないです。

短編集で先に登場していた導果筆と深霜刀が本編にも登場。しかし今回の二人の役どころは回想での出番がメインです。
導果先生は、短編読んでない人にはどう映るかが気になります。先生の凄さは短編で輝いていたので、興味のある人は短編集四巻も読んでみて欲しいです。
そういえば短編で読んだ時にちょっと深霜ちゃんの性格が苦手だと思ったのですが、読み返すとそうでもありませんでした。

うーん、何を言ってもネタバレになってしまうので、感想が書きにくいですね…。
まさかこの村が丸々(ネタバレのため自粛)だったなんて、そのことを知ってから読み返すと新しい発見と驚きがあったりとか。このシーンのこの台詞はあのことを指していたんだな、とか、名前がすでにもじりっぽかったんだな、とか。面白い村だなって思っていたらえええええ、とか。そこ結構語りたいです。


あーこの巻のハイライトは屋根の上でぺんぺん草をもぐもぐする柔らかそうな静嵐刀なのでよろしくお願いします。

正確に状況を分析したら「何をとち狂ったのか」と地の文で書かれる武器の宝貝SUKI…。

静嵐刀は他の四本刀と違い感情面の欠陥は無いのですが、だからといってイコール冷酷な性格、ではないと思います。
その根拠は、冒頭。泣き腫らした和穂が殷雷の前に現れたシーンです。
そこで静嵐は場を和ませようと考えを巡らせていました。
また、感情面で冷徹になりきれる武器の宝貝として登場した瀑燎槍だって、少なくとも冷たい性格ではなかったと記憶しています。
だから、感情に脆いという欠陥の有無と、冷酷さは関係無いと思います。

好きキャラのことになるとつい語ってしまいますね。

ようやく来た夏で、このラストとか、本当に御大は凄いと思いました。当時は胃がキリキリしたものですよ。
轟武剣は、どうやって打破すればいいかわからないくらい強敵でした。なんだかこういう絶望感しかない戦いは久々だと思いました。