七夕はいつも雨だ。そんな気がする。
雨天、牽牛と織女の逢瀬は叶わないとされている。が、しかし、地上から星が見えないというだけで、雲の上は普通に晴れているのでは?
つまり、天候に関わらず二人は毎年普通に逢瀬を重ねているのではないかと思うのだが。
いや、まあ、確かにそれだとロマンチックさ(?)は減るけども。悲劇性が薄れるけれども。
突っ込んだ私の負け。



野暮な気分を払拭すべく、七夕にまつわる華やかな話でもしてみよう。

旧暦の七夕、夕方になると、天の川の両岸に鵲が翼を連ねて架ける橋で年に一度の逢瀬が叶う。
この折、裁縫や習字などの技芸の上達を祈願する。この慣習が日本では願い事全般をする行事に変化した。


『長恨歌』では七月七日の夜半、玄宗皇帝と楊貴妃が誓詞を交わしている。

在天願作比翼鳥
在地願為連理枝

「天に在りては願わくは比翼の鳥と昨り」
「地に在りては願わくは連理の枝と為らん」

男女、夫婦の愛情が永遠に変わらないこと、それを誓い合うこと意味する言葉である。

牽牛と織女、玄宗と楊貴妃にあやかるなら、七夕の願い事は恋愛祈願が最も相応しいのかもしれない。