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基本ひとの前では意地でも泣かない
し、こいつ泣きそうなんだ、なんて
絶対に知られたくない。ひたすら奥
歯をぎゅうと噛んで堪える。
強がりだとか見栄っ張りだとか理由
をつける以前に恥ずかしい。弱さを
知られることがこわい。まあつまり
は見栄っ張りなのでしょうな。


自分の近くで泣かれることも好きじ
ゃない。他人の行動にそこまで干渉
するつもりはない、"泣かれる"行為
じゃなく泣かれることによって必然
的に起こる状況がどうにも耐えられ
ない。
相手が好きな子で、それが二人でい
る時ならばただ黙って隣にいる。泣
きたいなら泣けばいいさ。

けれど大勢の前で誰かが泣くとまず
その子の友達が近寄ってくる。然り
気無く隣を陣取って「大丈夫?」と
八の字の眉を見せつけながらいかに
も心配している"風に"慰める。
大抵私はその"友達"の隣でなんとも
言えない微妙な顔をして居る。
そして心の中で"友達"に訴える。
「自分に酔ってんの?」


空っぽな心が作り出す重みなんて毛
ほどもない言葉たちがきもち悪いで
すよ。
自分可愛さにいかにもな事言ってん
なよ、なあんて思いながらも何も言
わない(言えない)自分。

さらに一歩下がってこちらを見てい
る誰か。大して仲の良くない人間で
すら容易には立ち去りにくい雰囲気
が出来上がる。慰める言葉なんて出
てこないまま困ったように立ち尽く
している誰か。


そういう環境の中で生きてきたのか
私の性格が歪みきっているのかどち
らかだろう、な。数年後にこれをみ
て頭を抱えているかもしれない、わ


話題:涙


              追記


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