野いちごさんで挑戦して早々に終わった「エッセイ」です。


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 素人の人がエロ本書いて売ってる。
 中学時代にとある友人が私に見せてきた「同人誌」の中でもどぎついもので、私が「物書き」という世界の広さを知った感想です。

 初めましての方は初めまして。
 今回は長編をめぐる話をしたいと思います。

 最初に妖霊道(ようれいどう)を書いたのはその頃でした。エロ本ではない。
 当時友人のちょっとした悪戯心で見せられたものは、なにもエロいものばかりではなかったのと、友人もそういったものに興味をもって創作活動を始めようとしていたので、自分も書いてもいいんだ、と思うきっかけになったんです。

 初めて書いたのはとある映画を小説に書き起こした物。こちらもエロ本ではない。
 早々に言葉の表現力が乏しすぎて挫折しましたが、それに続いたのが妄想の中の人物に名前と役割を与えて、文字にして書き起こす事。
 これが妖霊道の原型になりました。

 今では「黒歴史」と呼んで他の作品と一緒にクローゼットの天袋あたりに仕舞っているはずですが、大掃除の度にちょっとした拍子に出てくるそれに、毎回懐かしい気持ちと、当時の拙さを思い知って恥ずかしくなったり気まずくなったりします。これが賢者タイムか……。

 イラストを描いて登場人物を固めて、没にして、ストーリーを書いて、没にしてを繰り返して今の長編がありますが、物語のタイトルだけは変わらず「妖霊道」のまま。
 書いている気持ちは「これで小説の勉強をしよう」から「これを小説として完成させよう」に変わっていました。

 物を書くのは孤独だと、どこかしらで聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
 その孤独はとても特別なんだと、私は思っています。
 見てくれる人がいる。それは孤独ではないけれど、世界は最後には自分の力で作り上げていくもの。これは孤独です。
 励ましてくれる人がいる。それでも孤独です。
 それが幸せであり、寂しくもあり、でもやっぱり幸せだと思えるようになったのは最近の話です。

 数冊のエロ本の黙読から始まった私の物書きという趣味。
 私の個人的感情のせいであまり人には話せてはいませんが、立派な趣味であり、仕事として取り組んでいる方は本当に素晴らしいと思っています。
 サイトを開設してみたり、サイトに投稿してみたりしている私の創作活動ですが、それを誰か見てくれたら。楽しんでくれたら。こんなに嬉しいことはありません。