入れ歯や差し歯と比べても利点の多い治療法であるインプラント。


ですが、留意すべき点もあるのです。


何かと言うと、インプラント治療を受けられる人は限られているということです。


これは重要な事実です。


いくつか例を挙げると、なんらかの持病、例えば糖尿病や腎臓病、心臓病、高血圧などをお持ちの場合に加え、骨粗しょう症に罹患していたり、顎の骨がなくなったりしている場合にも、残念ながらインプラントは利用できないとの判断になることがあります。


この場合はインプラントを諦め、代替手段を探すことになります。


1年近くもかけてインプラントを定着させ、やっと歯のある日常が戻ってきたと思っても、その後のケアに手を抜いては意味がありません。


ずっと使い続けられるかは、定着後の口内ケアにかかっているといえます。


劣化させないための口内ケアを歯医者さんや衛生士さんが教えてくれますから、サボらず毎日のケアを行ってください。


治療技術が進歩しても、結局大事なのは自分自身でのケアなのです。


加えて、自分の歯の神経ではなくなりますから、異常に気付くのも遅くなります。


担当歯科医による定期的な経過観察を受けるようにしましょう。


いろいろな事情からインプラント治療を始めるでしょうが、どのくらい費用がかかるか心配だと思います。


実は、かかる費用は歯科医院それぞれで大きく異なります。


何しろ、ほとんどが自由診療なので、金額は歯科医院次第です。


ただし、おおよそ相場は決まっています。


歯一本分のインプラントで、40万円前後が一般的です。


インプラント治療はどのような流れかというと、3ステップあると考えてください。


最初に人工歯根を、歯茎を切り開いてあごの骨を掘ったところに埋め込みます。


あごの骨、及び周辺組織と人工歯根がなじみ、定着するのを待ちます。


歯根と義歯の間をつなぐアタッチメントをつけ、義歯をかぶせれば使用可能です。


という流れは皆さん変わりません。


時間を要するのは、人工歯根の周りに組織ができて骨にしっかり定着するまでで約2ヶ月から6ヶ月見ておかなければなりません。


このため、インプラント治療を始めてから義歯を使えるようになるまで、おおよそ3ヶ月から10ヶ月かかると押さえてください。


顎骨に人工歯根を埋め込んで義歯を固定するインプラントは、その部品の接続構造により、何種類かのタイプがあります。


アバットメントが人工歯根から分かれておらず、一体化しているのが1ピースタイプと呼ばれるもの。


そして、分離型の2ピースタイプがあり、ほとんどのインプラントは2ピースタイプです。


よりメジャーである2ピースタイプは、人工歯根とアバットメントのプラットフォーム(接続部)の形状により、凸面(エクスターナル)タイプと、凹面(インターナル)タイプという二つの形式があり、接続が簡単なインターナルタイプの方がシェアが多くなっています。