「出掛けるの?」
「ああ」
「どこに?」
「………Roma」

あ、今めちゃくちゃ言いたくなさそうな顔した!ひどい!

「い…一緒に行きたい…」
「そう言うと思ったから答えたくなかったんだ」
「そう言うと思ったから遠慮がちに言ったのに…」
「……」

舌打ちされたし…いいもん、めげないもんっ

「行きたい…」
「……」
「行きた…」
「っるせぇ」
「いたっ…!」

ボスはわたしに軽くデコピンをすると、「2秒で支度して来い」と言った。

やっ…やった!連れて行ってくれるんだ!

「ありがとボスっ大好きだよ!」
「2秒っつったろカス」
「スペイン広場行こうね!」
「行かねぇ」
「ダーメ!そこでボスにジェラート買ってもらうの、夢だったんだから!」
「くだらねぇ…」
「女の子の憧れなの!」
「そうかよ…」

結局、環境保護がどうのこうのとかで、スペイン広場でジェラートを食べることは叶わなかったのだけれど、ボスとデート(と言い張ってみる)ができただけでもわたしは最高に幸せだ。