・将ヒノ散文
・主に将臣→ヒノエ
・全く甘くない

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「好きだ。結婚してくれ」
「何言っちゃってんの」

 こうして玉砕するのは何度目だろうか。きっと目の前の男は、返す言葉も選べないのだろう。
 女々しくも俺はその回数を覚えている。切りの良い数字でも何でもない訳だが。

「なあ、そんなに嫌か」
「性別を考えなよ」

 少しでも顔を赤らめたりすれば可愛いものの、どうしてこうも嫌悪感を丸出しにしてくるものか。確かに好きでもない男から告白、いやぶっ飛んでプロポーズされたら嫌になるのも当たり前か。

「お前なあ、海外なら当たり前なんだぞ」
「日本では当たり前じゃないだろ」
「ああ言えばこう言う」
「アンタがだろ、こっちは嫌だって言ってるんだけど」

 とか何とか言いながらもこれは照れ隠しだ。顔に出ないところ、きっと無意識では嬉しいと思っている筈なんだ。
 ちらりと、逸らしていた視線を戻してやれば、嫌悪に加えて憐憫の表情さえ乗っかっていた。あれ、もしかしてさっきより酷くなってる?

「…本当に嫌なのか?」
「当然だろ、男とか気持ち悪い」
「え、嘘」
「それが普通の反応」

 思えばヒノエがそっちの奴だと何故決め付けていたのだろう。何となく格好とか仕草とかで判断していたが、ただの女誑しのそれと考えれば何の違和感もない。やってしまった。

「悪かった」
「…うん、まあドン引きだよね」
「返す言葉もありません」
「……、だったのに」
「…ん?」

 聞こえない振りをしてしまったのは、自分が傷付くのを厭うから、なのだろうか。それとも、お決まりの結末に嫌気が差したから、とか。
 その場の何とも言えない空気から抜け出すのが何だか怖くて、俯いて言葉を絞り出したヒノエに、握り拳を作って立ち尽くす以外何も出来なかった。




***

なあにこれ\(^O^)/ギャグシリアス?
最後色々考えた結果がこれだよ!

拍手ありがとうございました!
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