2017/03/18 10:17
ことのは
話題:ひとりごと
彼女を見送った後の時間が暇だとぼやいたら、段ボール1箱分の漫画を出してきてくれた。
半分が少年漫画、半分が成人向け、成人向けのうちさらに半分は、いわゆる「腐」向けだった。
こういうのが好きなの?とたずねると、
友達から借りて、返しそびれたやつ、とのこと。
返事になっていないような、なっているような返事だ。
僕は、大学生になって初めてBLというジャンルを知った。
ハマっている子に頼んで貸してもらって、嗜む程度に読んだ。
何が話題をさらうのか気になって読み初めて、今は少しだけ、何が面白いのかわかる気がしている。
ハマっている子のうち、僕が特に苦手なタイプの女の子がいた。
個人的に、自分が体験したことのないことを、体験したことがある人と同じかそれ以上にリアルに描写できる人のことを作家と呼ぶのだと思っている。
それを、作家でもないのに読んだだけで理解した気になっているように見える
(恋愛の経験も、性体験も乏しく見えるのに、薄い本で読んだ知識を前提に話をしてくる)
子がいた。
その子が漫画や、自分の好きな創作物の世界の中の出来事について、読者目線で話すなら理解できた。
その子は、男の性生活一般をわかった気でいるようなところがあって、そのくせ、彼氏が欲しい、付き合いたいなんて、お弁当の米粒を飛ばしながら話すのだ。
僕の彼女とは真逆だ。
彼女は、わかっているはずのことに自信が持てず、わかっていても「わからない」と言う。
そして、「わからない」からといって、直接言葉や態度で確かめる勇気もない。
初めて話したその日から、そういう人だった。
初めて話した日に、そういう人だと把握できてしまうくらいに、分かりやすい性格だ、とも言える。
それは、彼女の良いところだ。
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