February.05.Sun 19:12
category:過去





漠然と完璧なものに憧れて頑張ろうとした。綺麗になりたかった。可愛いくなりたかった。知識が欲しかった。必要とされたかった。努力することで少しでも理想に近付けると思って必死に頑張ろうとしていた。だけどそうして得たものは摂食障害だったよ。いつからかずっと心が縛られ続けてる。苦しくても笑顔でいる、いい子でいることが最重要だと考えてた。それが正しいって一体どこで刷り込まれたんだろう。悩むことも頼ることも、明らかに異常な量の過食が我慢出来ないのも、涙が止まらないのも、全部甘えだと思ってた。わたしの努力が足りないから。だからもっと頑張らなきゃっていつも思っていた。

でも頑張れなかった。気持ちばかり先走って身体はついてこなかった。睡眠を削っても過食し続ける自分自身が制御できなくて、そうして消えていく時間や出費が日に日に膨らんでくのが怖くて。身体もいうこときかなくてガラクタみたいに壊れてく感じがした。

ひとりで何とかしようとたくさん足掻いたけど足掻くほどに悪化して、気がついた時にはどうしようもないくらい毎日すごい量を過食し続けていて体重が一気に増えて、いつも不安定で。注意力も集中力もなくなってまともに仕事ができなくなってた。もう自分の手に負えなくて入院したんだけど最後まで仕事もこなせずに迷惑をかけて辞めてしまったから今でも申し訳なく思う。

人生を投げ出してしまったような、逃げてしまったようなそんな気もして、もう少し踏ん張れなかったのか、もっと頑張れたんじゃないかって何度も考えた。けど、わたしは確かにあのとき限界で。もう頑張れなかったなあ。過食が暴走しないように閉じ込めて欲しくて、そして、真剣に話を聴いてくれる人が必要だった。カウンセリングで一通りわたしの言葉を聞いたあと「しんどかったね」と一言われたときは涙が止まらなかった。もしかするとマニュアル通りのふつうの返答だったかもしれないけど、それまで否定ばかりされてきたから、初めて頷きながら認めてくれた肯定の言葉で。心が少しだけ軽くなる瞬間だった。

でもそれから早く治そうと焦れば焦るほど食欲も感情もコントロール出来なくて涙が溢れて、そんなに焦って早く治るものじゃないのにね。貯金も崩して全部過食に費やしていたから入院費用も当初からそれほどなかったけど、不安定な状態で退院してまた過食する日々に逆戻りするのが怖くてたまらなくて。最初に休職すると伝えたときこそは味方であるような言葉を並べていた母親も、入院費の立替を願い出るとわたしを責め立てるように否定する鋭利な言葉が返ってきた。自立したのに金銭面を親に頼ることは確かに情けないけど、我儘とか怠慢とか目を覚ませっていわれてしまうのはあまりに理解がなく心無い言葉を突きつけられたと思う。わたしのこの心身の感覚を言葉では伝えられそうにない。経済的に余裕もなく手を貸してもらえなかったのは仕方ないことだと思う。こちらも助けてもらえるのが当たり前だなんて考えたこともないし。でもそんなことよりそのとき感じた親の金銭への執着心には激しい嫌悪感を抱いてしまった。まるでこれを機にわたしに奪取されるかのように思ったのか、入院することで親への仕送りが止まってしまったからなのか。働かない人間は許せない、病気なんて認めない、それは惰性だ贅沢だと、言葉がたくさん飛んできた。それが冷たいのか当然の反応なのかわたしにはわからない。

何度も葛藤して悩んで気持ちが参っていたときだったからすごく追い詰められてしまって自分自身のことをいっぱい責めた。退院して結局状態は良くならなかったからこの世界から消える事ばかり考えてた。生きていると太る恐怖と自分の容姿の醜さに悩み続ける。一人で勝手に考えすぎて不安になって何度も過呼吸起こして、また発作がいつ起きるか気が気じゃなくて、他人の視線も目の前に広がる世界も何もかも全部がしんどくて。

居場所も無い。思うように身体が動かない。過食衝動に駆られて食べ物を馬鹿みたいに胃に詰め込んで翌日は絶食するような生活をずっと繰り返してきた。現実では身近に理解者はいないと言っていい。

でもこうして文字にして吐き出せるところが存在して、この画面越しの場所にはたくさんの考え方があるから。心が少し休まって、今はそれでいいのかもしれない。そうして頑張っている人たちの背中をみてわたしも頑張らなきゃって思い直せる。

表ではにこにこして嘘吐いて集団の中に紛れてる。もう否定されたり疎まれたり傷ついたりしなくて済むように、病気のことは伏せて理解なんて求めない。求めちゃいけない。中身のない自分がどんどん嘘で覆われてくのは哀しいけど、そうすることでしかわたしの心を救えない。守れない。そのままのわたしが批難されてしまうなら、あんなにも責められて追い詰められてしまうなら、中が空っぽでも普通の人を演じているほうがよっぽど安全でしょう?

歪んでいるの、かな。

だけどわたしの中で、やっと組み立てた思考なんだ。




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crap  comment (2)
   
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痩せたらわたしに言えるんだ。
大好きだよ。愛してるよ。


     




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