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Pink chanmery 3

―3―


蓮路、蓮路!! どうしたらいい?

どうしたら、楽になれるの。


浮気されても……、貴大が好きなんだ。



相棒と捜査している時、偶然向こう側の歩道から蓮路を見つけた。

蓮路は1人だった。


「篠山さんっ。ちょっと外れます」
「おう」

相棒の篠山にそう言って走り出す。左右を見て車道を渡り、蓮路が歩いていった方向へ顔を向ける。

蓮路の背中を見つけた。

追いかける。

蓮路は靖国通りを歩いている。

どこへ行くのか、蓮路の跡をつける。ドン・キホーテの前で立ち止まる。蓮路が顔を上げた。

時計をみる。待ち合わせでもしている感じを受けた。

ここで話しかけてもすぐに離れなければならない。蓮路とゆっくり話したいと思った。

「神谷」
ぽんと肩を叩かれ、振り返ると篠山だった。

「お前が追う奴、興味あって追いかけてきた。神谷、そっくりじゃん。あいつ。双子とか?」
「あ……、はい。でも顔を見たのは10年振りくらいです」
「ふぅん」
篠山は深く聞いてはこなかった。

篠山は2つ年上の先輩だった。的確なアドバイスをくれ、頼りになる人だ。

「戻りましょう」
「ああ」

元気そうで良かったと思った。


その日の帰宅は珍しく早く、家に帰るか少しばかり考えていた。

早く帰れば、貴大と浮気相手のセックスを見てしまう可能性もある。

過去何度か鉢合わせし、忙しいを盾に家に帰らなかったこともある。

でも、ゆっくりと寝たい。身体的にも精神的にも疲れていた。昨日と同じソファーでいいから、熟睡したかった。

気が重いまま家に帰る。

ソファーに貴大が寝ていた。溜息が漏れる。でも貴大がここで寝ているなら寝室は空いてるだろう。

寝室のドアを開け、立ち止まる。

寝室のベッドは綺麗だった。くちゃくちゃになっているのを予想してたから。

スーツを脱ぎ、そのままベッドにダイブした。せっけんの香りがする。

そのままストンと眠りに入っていった。

気付いた時は部屋が暗くなっていた。何時だと起きあがろうとして身体が動かないのに気付いた。

あったかい熱に包まれていた。

えっ!? 貴大?

貴大に抱きしめられていた。貴大の寝息が聞こえる。

まだ、抱きしめて寝てくれるんだと鼻の奥がつんとした。

いつからだろう、貴大と会話をしなくなったのは。いつからだっけ、一緒のベッドに寝なくなったのは。

貴大がもそもそ動き出す。

起きたのだろう。

離れていく温もりに思わず声を上げた。

「起きてんの?」
久々に聞いた貴大の声。

「……うん」
貴大がまた横になる。背中が暖かい。

「久しぶりだな」
「貴大」
「何?」
「……ううん。何でもない」
聞いてしまえば、本当に貴大との関係が壊れてしまう気がして口を噤む。

「」
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Pink chanmery 2

―2―


あの時、なんで連絡先を教えてしまったんだろうと思う。

いつもなら警戒して教えないと言うのに。



「疲れた……」
署内の休憩所でコーヒーを買った。

家には帰りたくない。

自分の家なのにと、自嘲気味に笑う。

貴大がいるだろう。今帰ればきっと鉢合わす。

貴大の浮気。

帰れば貴大はベッドの中。もう見たくなかった。

「……蓮路」
双子の弟の名を口にした。両親の離婚で10年以上会ってない。

いつも頼りにしていた。無性に蓮路に会いたくなった。


溜息を吐いてベンチから立ち上がると署を出た。

もう終電もない。近くのネットカフェに行こうかとも思ったが、やめた。

タクシーを捕まえて自宅の住所を告げた。

昨日も帰ってないから……。

部屋に入ると貴大がリビングのソファーに座って煙草を吸っていた。

浮気相手は連れ込んでいなかったようだ。

「……ただいま」
貴大からのリアクションはなかった。そりゃそうだ。貴大との間にはもう何もない。冷めた関係。

最初の内は浮気を攻めたけれど、もう何も感じなかった。

とりあえずシャワーを浴び、出てくる。貴大は変わらずソファーに座っていた。



出会った頃、友達として毎日時間を作り貴大は会いに来た。刑事とホスト、なかなか時間は合わないが、少しでもかみ合う時間を作り会っていた。

そして、口説かれていた。

いつの間にか情がわき、絆(ボダ)されていた。

なんて馬鹿なんだと今の大地なら過去の自分に言うだろう。



押し入れから毛布を取り出して、ソファーに横になった。傍に貴大がいるが無視だ。

寝室のベッドは使いたくない。自分のベッドだが、浮気の証拠が残るベッドで寝たくない。

大地は目を瞑る。

貴大が動いた気配がした。でも、目は開けなかった。徹夜の身体は睡眠を欲していた。すっと意識は落ちていった。

じりりり、と目覚ましの音で目が冷めた。ソファーテーブルの上に目覚ましがある。それに手を伸ばした。

目覚ましを持ってきてセットした覚えはない。

貴大が?

貴大はリビングにいなかった。寝室だろうか。

洗面所の鏡で自分の顔を観る。酷い顔をしていた。

仕事に出る支度をして部屋をでた。


に続く

Pink chanmery 1

これは、Pink chanmeryを書き出す少し前のもの。

短編として書いてるのでこんな出来↓

途中で切れてます。つづぎは、


Pink champagneにあるPink chanmery、
もしくは、ポケクリ版Pink chanmeryで!!



‥‥‥‥‥‥‥

―1―


元恋人との再会。
そんなの望んでなかった。


蓮路は何も聞いてこない。大地も聞いて欲しくなかった。蓮路の家までの道のり、無言で蓮路と歩いた。

「なぁ、大地。いつでもウチ来いよ? ため込むな。大地が言いたくなったら相談に乗るから」
部屋に入る前にそう言われて頷けば、蓮路はぽんと肩を叩いて玄関を開けた。



出会ったのは3年前になる。

貴大はホストだった。

新宿歌舞伎町はいくつものホストクラブがある。クラブ8(エイト)というホストクラブに貴大はいた。

大地は捜査でクラブ8に足を踏み入れた。そして貴大に出逢った。

歌舞伎町で朝、ホステスの女性が殺されていた。その女性はクラブ8に週2・3度、通っていたために、大地は相棒と共にクラブ8に来たのだ。

その時は、大地にとって貴大は数いる中のホストの1人に過ぎなかった。


「けーじさん」
何か思い出したことがあれば連絡をくれ、何人ものホストに大地はそう言っていた。

とりあえず引き上げようと腰を上げた時、貴大は大地に声を掛けた。

「話を聞いてやれ」
相棒にそう言われ大地は再び腰を下ろした。

「何か思い出した事がありましたか?」
「うん。でも、ここじゃ、話しにくい」
「仕事が終わったら連絡下さい」
「でも朝になるけど」
かまわないと大地は答えた。



……それが出逢いのきっかけだった。

貴大の一目惚れ。今となっては本当か怪しい。

大地は貴大に口説かれた。現役ホストにだ。驚いたのをよく覚えている。

「俺、ゲイなんだ。刑事さんに一目惚れ」
はにかんだ照れた顔。

その顔に大地はどきんと心臓を鳴らした。でもその意味を大地は知らなかった。相手が女なら気付けたかもしれない。貴大は男、同性だった。

「好きになった」
「……ごめんなさい」
「そう言われると思った。友達ならいいよね? 大地」

刑事さん、から、大地、に。

「……うん」
友達の少なかった大地は頷いた。
ゲイにも嫌悪はなかった。大地は新宿で育ち、そんな人を見てきたからだ。

大地にとって歌舞伎町は庭の様なもの。知り合いも何人かいる。

「大地。連絡先交換して」
人なっこい瞳を向けてきた。


に続く

Pink & 最強

もうちょっとしたら、また最強男、更新します。


最近は、花も嵐もがメインで書いてますが、サイトメインに書かなくてはと思いつつ、ポケクリメインです。

やべぇです。サイト更新ままなりません。

更にやばいことに違う話を思いつき、他の話そっちのけで違う話、書いてます。


あかんがな。

その内、不定期で書きます。

Pink champagneのスピンオフ。
短編予定が長くなった。

あと、最強男の雨宮さんの話と。

その内、upします。

させたい。

壱の話の続きも書かなくては。

書くのあり過ぎ。

思いつきで増やしすぎだな、自分。
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