Say you love me.Z

Eの続き。
今回でラストです。


話題:創作小説


***

「確かに彼氏はいるけど、でも好きで付き合ってるわけじゃないんだよ」
「はあ?」
「果代ちゃんは断ってるんだよ。好きな人がいるからって。でも受け入れてもらえなくて、最終的にいつも押しきられちゃうんだって」


すんっと菜月が鼻をすすった。堪えた涙が鼻に来たらしい。
けれど俺は、呆れて開いた口が塞がらない。

だって、何だよそれ。今まで何人も、好きでもない相手と彼女は付き合ってたってこと?相手に押しきられて?仕方なく?何だそれ。

けれど、そんな理由でずっと歴代の彼氏共と付き合っていたのだとしたら、彼女が振られる度に俺に泣きついてくるのは――と考えた時、脳裏に浮かんできたのは泣いている彼女の姿だ。

涙に濡れる赤い目、頬を伝い落ちる滴、震える声と肩、伸びてくる腕に。俺は、いつも、どう接していたんだっけ……と思い出そうとして。

もしかして、あれは、と自分に都合の良い考えが浮かびそうになる。

けれどそれは、菜月に言われた彼女の本心を思えば。信じるなら、あながち検討違いでもなく、妥当なのではないかとも思えてくる。
彼女が器用でないことは知っていたけれど、いくらなんでも遠回りすぎじゃないかと思う。

そして、そうしてまで彼女が想ってくれている相手が自分なのだと思うと、恥ずかしくもあるけれどそれ以上に、俺は嬉しくて堪らなくて頬が今にも緩み出しそうだった。

そんな俺の気持ちなんか、菜月にはやっぱりお見通しらしく、


「わかったら明日!果代ちゃんに告白しなさいよね!」


などと、人差し指をびしっと俺に向けてくる。

彼女の気持ちを知った今、俺だっていつまでも大人しく「弟」のポジションにいるつもりはない。

けれど、それをそんな風に菜月に言われるのは面白くなくて、不満そうにしていると、また頭をべしっと叩かれた。


「どんだけヘタレなのよ!」
「何がだよ」


だから受験を前にしてる弟の頭を叩くなよ!
そんな思いも込めて睨むと、きっという効果音でもつきそうなくらい菜月も眦をつり上げて、俺を睨み付けていた。


「あんたね、一体何年片想いしていれば気が済むのよ」


さっきまでしんみりしていたのが嘘のように、菜月は最初に部屋に入り込んできた時の勢いを取り戻していた。


「言っとくけどね、言っておきますけどね!果代ちゃんは私にとってはお姉ちゃんなんだからね!私だって…私だって!女きょうだいがほしいんだから!」


ふんっとでもまた効果音がつきそうな勢いで鼻息を荒くし、菜月は背中を向けて部屋を出ていく。

まさか菜月の口からそんな台詞が飛び出してくるとは予想もせず、ぽかん状態の俺には、それをただ見送るしかできない。そんな間抜け面の俺を叱り飛ばすかの如く、部屋のドアがばたんっと強く閉められた。


「……」


えっと……何だって?

一人になった部屋で、俺は今しがた菜月に言われた言葉を反芻した。

男兄弟に挟まれる形で生まれ、間に立つ菜月にしてみれば、姉か妹がほしかったんだろうという、その気持ちがわからないではない。
けれどそれ以上に、あの言葉は俺に対する菜月なりの叱咤激励みたいなものなんだろうなと思い至り、俺はやれやれと深く息を吐き出した。


――それから、俺が果代ちゃんに好きだと告げられたのは週が明けて……バレンタインデーの当日になってから、だった。

何故そんなに時間が経ったのかというと、あの日以来、果代ちゃんが家に来なくなったからだ。代わりに菜月が果代ちゃんの家に遊びに行っていたようだけど。

明らかに俺を避けているだろう果代ちゃんに会いに、彼女の家を訪ねていくのは気が引けてしまったのだ。

菜月には散々ヘタレだと言われ、馬鹿馬鹿と連呼された。

今日という今日は言え!と、バレンタインデーの朝に閻魔顔の菜月に蹴り飛ばされた俺は、学校が終わってすぐ果代ちゃんの高校まで足を運び、校門の前で彼女を待った。

何人かの生徒たちが横目に俺を珍しそうにすれ違っていく中、やって来た彼女は俺の姿を見つけるなり、泣き出しそうな顔になり逃げ出そうとするから、

慌てて俺は追いかけて、腕の中に抱きしめて捕まえて――これまで、何度彼女を腕の中におさめても口にできなかったこの言葉を、ようやく彼女に告げられたのだ。

「好きだ」と。




゜.*:.。..。.:*.゜゜.*:.。..。.:*.゜

や、やっと終われた…!泣
( ;∀;)

全7回に渡り、ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

3月ももう末のこの時期にバレンタインの話って、おいおいって感じですが(爆)
ようやく、ようやく日の目を見せることができました。

Eの途中までは割りとスイスイきてたんだけど、後半〜ラストまでが難産過ぎて_(:3 ノ∠)_

もう何度も、本気でこれはダメかと思いました(爆)
何とかラストと呼べるところまでたどり着けて、そして遥斗と果代子の恋を実らせることができて、ひとまずほっとしました。

心残りな点も(実は)多々あったりするのですが…、

前半とろとろペースなのに、ラストが駆け足だし(爆)
何か構成のバランス悪いし(爆)
そしてすげー今更だけど、人物描写がほとんどないっていう致命的欠陥もあるのですが(爆)

このお話はこれにて完結です。
バレンタイン2017はこんな感じです。

(というか本当は、菜月が遥斗の背中を蹴り飛ばして終わるはずだったんだけど、何故コウナッタ!(爆)

_(:3 ノ∠)_


私の書く文章って、何かね、薄っぺらいんだよね(爆)

時々衝動的に、もう全部やめてしまおうかって思う時もあるんだけど、未だにやめられていないのは、それでも創作が好きだから。自分の文章は好きじゃないけど、お話を考えたり作ったりするのはやめられないのですね。だったらもうちょっと自分を磨くしかないよねー。うん。もうちょっと頑張ろうか私。

うだうだと書きましたが(爆)
改めてここまで、最後までお付き合い頂きありがとうございました!
お粗末です。