政府は３日、昨年５月に成立した経済安全保障推進法の「特許非公開」の分野に関する基本指針案を策定し、与党に提示した。安全保障上の懸念から非公開とすべき発明として、軍事転用が可能な先端技術や宇宙・サイバーなど新領域の技術を例示した。今後指針を閣議決定し、令和６年春ごろ運用を開始する。

特許は出願から１年半後に原則公開されるが、経済安保推進法は安保上、機微な内容の特許は保全指定できると定めた。一律には指定せず、経済活動などへの影響を考慮し、適当と認めた場合に限り非公開とする。

指針案は「国家および国民の安全を損なう事態が生じる恐れが大きい発明」として、大量破壊兵器への転用が可能な核技術も例に挙げた。

特許非公開の対象となった出願者には特許収入に代わる金銭補償を導入する。