●あれから一年
3月12日 00:33


もうというべきなのか、まだというべきなのか…

あの震災から一年が経ちました。


二三日前辺りからテレビでは震災関連の番組が目立ち、あの悪夢が夢だったんじゃなかろうかと思い始めた矢先に冷水を浴びせたたき起された気分になりました。

あれは夢じゃない、現実だったんだ、と。


私も被災地と呼ばれる場所で暮らしていますが、私の住む地域はかろうじて津波の被害を逃れたため、地震の傷跡はたたあるものの、今では元の生活の中で暮らしています。

多分そんな環境だからこそ、私は今普通に震災の報道が見れるのだと思います。

もっと被害が酷かった地域の方々、特に津波の被害にあわれた人たちは、あまりあの映像を見たいと思っていません。
現実から逃げているわけではありません。まだ、心の傷は癒えていないのです。

その悲しみは計り知れない闇であり、風も吹かず、あの日あの時で時間は止まったまま…



普段は明るく楽しく暮らそうと、前向きに生きようとしている人達が、ひっそりと抱える闇です。



私たちに、一体なにができるでしょうか。


時間という長い年月が、その闇を癒してくれるかもしれません。
それは確かにそうでしょう。

でも、私たち一人一人にも、何かできることがあるんじゃないか。


そう思わなくもありません。


先ほどテレビで「情熱大陸」を見ました。
そして、葉加瀬太郎さんのバイオリンの音色を聴きました。

わざわざロンドンから生中継で演奏をされていて

その音色を聴いたとき、心が揺さぶられるのがわかりました。


私たちを優しく包み込み癒してくれる音の響き、そして私たちは生きているのだという生命のきらめきと躍動、情熱。

あの演奏から、そんな気持ちが伝わってきました。


テレビの中で、被災地の声と題してインタビューをしている映像を何度か見ましたが、

「絆」や「がんばろう」という言葉に憤りを感じるという声を見かけました。
確かに今は、がれき処理の委託に関しての問題からはさっぱり「絆」の気持ちは見えてこないし、頑張っている人々にこれ以上頑張れというのは酷な話でしょう。

でも、この葉加瀬さんの演奏からは、押しつけがましく被災者をエールする気持ちは感じられず、


「共に生きよう」


と、ひっぱりあげるわけでも叱咤激励するわけでもないけれど、決して隣から離れず、並んで生きていこう、と言われている気持ちになりました。

今の被災者にとって一番有難いのは、そういう気持ちなのかもしれません。


無理に頑張るわけでもなく、ただ一緒に生きましょうという気持ち。

まだ復興していないと嘆かなくてもいいのです。
ゆっくり焦らないで、普通に生きましょう。



…、と、そんなことを思ってしまいました。

私は震災のときほど、音楽が無力でなんの役にも立たないものだと思ったことはありません。
深く深く落ち込んでいるときは、下手をすると煩わしいものでしかないのです。

しかし、ようやく音楽が力を発揮するときがきました。

これから先、幾度となく音楽に助けられ、力をもらう日がくるでしょう。


そして私自身も、音楽を嗜む者として、少なからず音楽の力を伝えていける人になろうと思います。



長くなりましたが、ここまで読んで下さった方、
本当にありがとうございました。


これから先、毎日がステキでハッピーな世界で包まれますように。
願いを込めて…


2012年3月11日 梨花








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