■華桜戦記/アルバムA■


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2018.12.1 13:00 Sat [■参加中企画!「まにまに!」さん/交流用■]
■続き■

話題:オリキャラ小説/文章
■「ん・・・う・・・・?」
笹目がそう小さな声を上げ目を覚ます。


「・・・・・」

ぼうっと視界が広がり自分が机の上で・・・・教本を枕に寝ていたことに気づく・・・・・・・・・

「ん・・・・・・・」そしてぼうっと立ち上がり下の階へ行こうと部屋の鍵を開ける・・・・・・・・・・・・

蝉の鳴き声が聞こええる。テツの声がしない・・・・そうだ・・・お婆様はテツの散歩にでかけたんだった・・・・・そう思いながら階段を下りようとするとがさごそと何だか音が聞こえてきた。


「お婆様・・・・・?」
笹目はそう思いながらも階段を下りていく。もしかすると雪鷹が戻ってきたのかもしれない。
そう思うと進む足を止める事ができなかった・・・・と。とたんに一階のがさごそと言う音がしん・・・・と止まった。


「・・・・・・?」雪鷹さんかしら・・・・・?

そう思いながら台所の方へと向かうと廊下になにやらモノが散乱していた・・・・・・・・。

「・・・・!????」
驚く笹目。少し泥の付いた足跡も見える。

ぼうっとしてして笹目にはソレは人のものではなく動物のものに見えたのである。

「まさか・・・熊・・・・!?野犬・・・・!???」大型の何かが家に入ってきたのか・・・・・!?

そう思い電話を取ろうと二階へと戻ろうとした瞬間・・・・・・・

黒尽くめの何かが視界の端へと写りこんだ。


そして。どさりと体が廊下へと倒れこむ。

「・・・・・!???」
何かに殴られたような感覚がして一瞬ひるんだ。

と・・・・・・

「まさかまだ人が残っていたとは・・・・・」
と野太い何かの声がした。


「・・・・・まさか・・・・!??」


”空き巣・・・・!???????”


そう悟ったのは笹目がそれの攻撃を受けてからである。

そして。幸いな事に軽い打撃で済んだ笹目はどうしようかと思ったがそのまま倒れたフリをすることにした。”演技”である。・・・・・何とかこのままやり過ごせれば・・・・・・そう思うことにしたのである。


しかし・・・・

「・・・・・・。」男は倒れる笹目を確認する事無くすぐさま台所の奥からソレを通り越し茶の間への場所を移る・・・・・。


「急がネェと他にも人が現れるかも知れネェ・・・・・・・」そう言ってごそごそと更に金目の物を探して荒らし始める。


「・・・・・・・・。」
笹目の視界にかすかにソレが写っていた。


「どうしよう・・・・・・」
このまま・・・・・演技を続ければそのまま過ぎ去ってくれるだろうか・・・・・・・。

相手の顔はまだ見ていない。声は聞こえたけれどももし顔を見ていたら・・・・・・・
一瞬ぞっと寒気を感じる。しかし男は顔を見ても見ていなくてももう心に決めていた。


「・・・・・なんもねぇな。この家。いたるところに紅茶やら高めのなんかがあるわりには実際の金がねぇ・・・・・・・・・」ブツブツと呟きながらもある程度の散策をやめると笹目の方へと近づいてくる。


物品の高いものは大概雪鷹が買っておいたものである。しかし金品だけはシノが頑なに断るのでそういったものは大して置いては居ないのであった。

「この”姿”を知られたからには仕方ネェ・・・・・・・やりたくねぇがこのままこの女を残していくわけにはいかないからな・・・・・」

そう言ってブツブツと男は何かを言い始めると台所にあった新聞紙を笹目にかける。


「(・・・・・!?)」

何・・・・・・・?視界が新聞紙で覆われ。近くにあった男の顔が見えない。

・・・・・いや。この状況で観たら終わりだろうか。しかし男は見ても見なくても笹目を残す気は無かった・・・・・・・。

「とりあえず・・・・この食用油でもかけて火でもつけとけば・・・・女の方はどうにかなるだろ・・・・・・」


「(・・・・!????)」
かなり雑な証拠隠滅方である。どうやら男も元々その辺はノープランで空き巣に上がったようである。


「それともその前に包丁でもぶっさして・・・・・・・・!?????」
その瞬間。新聞紙の間から笹目と男の目が合った。



「お前・・・・・!?????」
男が一瞬のけぞるように後ろへと下がる。
どこかで見た顔である。

この人は・・・・・・・・・・


「笹目ぇ・・・・けえったどー・・・・!!!」と急に玄関先から声がした。


「!???」

男が一瞬ひるむ。しかし・・・・・・・・

「仕方ネェ・・・・今度はこの”女”を人質にして・・・・・!????」
何とか逃げ切ろうという作戦である。やはり雑であった。

そう言って男が台所にあった包丁を取り出そうとそちらへ向かう。笹目はもう演技がばれてしまったとわたわたと何とか逃げ出そうとする。が。起き上がることが出来たが腰が抜けて動けない。

そう思っているうちに男は包丁を取り出して笹目の方へと向かってきた。
「ノープランでやってきた俺にもアレなもんがあったが・・・・仕方ネェ・・・・」そう言って振り向いた笹目の方へと男の手が伸びようとする。

瞬間・・・・・・・・・

「ワオン・・!!!!!」
と黒い何かが走りこんできた。


テツである。


「て・・・・・・てっ・・・・!!!!」

笹目がそう言って男に体当たりしたテツに声を上げようとした瞬間。次に緑色の何かが目の前を横切った・



「・・・ぐ・・・・・!!!!」
男がひるんだ瞬間に持っていた包丁へとめがけて雪鷹の蹴りが飛んだ。
「和美さん・・・!??大丈夫ですか・・・・!???」

そう言って雪鷹が笹目の方を向こうとした瞬間男が声を上げた「お前は・・・・!!!」



「・・・あ・・・貴方は・・・!???」雪鷹も驚いた。相手は仕事先の同僚・・・・・・いや。同じ職場ではあるが同僚とは言いがたい・・・・・・しかし。”中学校教師”であった。

「こんなところで何をやってるんですか・・・・!???」
驚く雪鷹に男はにやりと笑うとしめたとばかりにその隙を突こうとする。


包丁はテツが拾って笹目の方へと持って行った。

「悪いがあんたにはこのまま消えてもらうぜ・・・!!!」男が華奢に見える雪鷹にがばりと襲い込もうとした瞬間・・・・・雪鷹はそれを交わしてしての後ろ首に手刀を入れる。


「・・・・・・っ!????」
驚いた男はそのまま倒れこんだ・・・・・・・・。

こちらも”演技”である。そして彼らの視線が他に向いた瞬間に・・・・・と狙った瞬間笹目が声を上げた・・・・・・・「雪鷹さん・・・・!!!」


この人・・・まだ気を失っては居ません・・・!!!!!声にならない声であったが雪鷹には通じたらしい。
振り向いたその勢いでそのまま相手の後ろ首に再びかかと落としの衝撃を与えた。


「ぐっ・・・・!!!!???」そしてついに気絶する男・・・・。
そして・・・

「大丈夫ですか・・・和美さん・・・・!????」
笹目の持っていた包丁を手にとってソレを端に寄せると雪鷹はその手に口付けた。


「え・・・・!???雪鷹さん・・・・!???」
途端にボッとする笹目。


「すみません・・・僕のいつもの駐車スペースに見慣れない車が止まってるなとは思ったんですけど・・・・・・」そう言って苦笑しながら笹目を抱き寄せる。


「怖い思いさせましたね。大丈夫でしたか?」

男の上には逃げないようにとテツが乗っている。とソコへシノもやってきた。

「もうすぐ呼んだ警察も来るっちゃい・・・大丈夫だったけぇ・・・和美!??」

そう言ってシノが駆け寄ってくる。

「じゃぁお婆様・・・あれは・・・」

どうやら先ほどのシノの声もまた演技のようであった。

「・・・・・・・変に戸が開いていてなんかおかしい様子だったので・・・・・・・・・先に警察に電話してもらって・・・・それから突撃したんです。」

そう言って笹目を抱え上げる雪鷹。

「・・・・ゆ・・・雪鷹さん・・・!???」

驚く笹目を茶の間に下すと「ちょっと待っててくださいね。その前にやる事があるんで。」
と何が”その前”なのか分からないが笹目の口元に指を立てると男の方を締め上げる(ぇ)


現れた警察もその器用な扱いっぷりに逆に煙たそうにするくらいであった。


そして・・・・「ここに居たら色々ゆっくりお話も出来ませんね・・・・二階に行きますか?」

と。事情聴取も済んで部屋の方の状況を確認する警察を尻目に雪鷹は笹目を二階へと連れて行く。


「聞いた話によると朝ごはんもまだだったそうじゃないですか・・・・・・」

そう言って雪鷹はどこに仕舞いこんでいたのか胸元からコンビ二のオニギリを取り出す。
「本当は作ってあげたいところですが。今台所は色々込み合っているようですから・・・・・・」

そう言ってニコリと笑う雪鷹に笹目は抱きついた。

「雪鷹・・・さん・・・・・・!!!」
今更ながら涙がこみ上げてくる。本当は"怖かった・・・・・”いきなり新聞紙をかけられそんな話をされたのだから怖いのは当然であるが・・・・・・


「すみません・・・僕の不手際があったばっかりに・・・・こんなに貴方を怖い目に合わせてしまって・・・・」

そう言って雪鷹がそれを抱きとめる。「これからは・・・”ずっと一緒”ですよ」

「え・・・・?」

そう言って雪鷹は今後の自分の人生の過ごし方を笹目に話し出した。
春には華桜低を退職して笹目と一緒になることを決めた事。
それからその先の自分の道・・・職業と目指すものについて

それから・・・・・・・・

「僕は・・・・・・・」
笹目の手に自分の手を絡める。

「前にも言いましたね。”子供”が欲しいんです。”鷹"の字を持った僕の子供を・・・・」
”いつか産んでくれますか?」

見上げるように見つめる雪鷹に笹目は”かああ”と赤くなりながら。無言でそれに頷いた。


「有難うございます。”和美”さん・・・・」

そう言って雪鷹は笹目に口付けた。




---

「すみません!!!!笹目さま!!!笹目様の大事に私・・・・!!!」
そう言って帰り際に板脇家に寄ったメイが笹目に抱きつく。


「大丈夫よ・・・メイちゃん・・・!何事も無くすんだから・・・・・!!」
そう言って笹目がメイを受け止める。

しかし・・・・・・・


「俺達も・・・・・・何もできないまま・・・なんか・・・・・すまん・・・・・」
あの鳳太ですらしおらしくするほどである。よほど怖かったのだろうと心中を察していた。


「大丈夫ですか。笹目さま。でも”犯人”が捕まったようでよかったですね。」とリテナがそういう。


雉鷹。ましろ組は翌日地元紙で気づく事になるだろう。
「だ・・・・大丈夫・・・・よ・・・メイちゃん・・・・ただ・・・・///」


「ただ・・・・?」

なんだかぽっと明らめる笹目にメイが目を合わせる。


「今度・・・・一緒に。お勉強会・・・しましょう・・というか・・・教えてくださいますか・・・・?」
”恋バナ”もかねて・・・・・・


ぽぽぽと赤くなる笹目に何かを察したのかメイがそれに頷いた。そして。
「今更ですが・・・笹目様にお土産です。」と何かを笹目に手渡した。



ソレは小さなお守りであった。



そこには何故か子宝祈願のような文字が書かれてあった。


「・・・も・・・・もぅ!!!メイちゃん・・・///!!!!!!」

恥ずかしそうにする笹目の声が広がった。

そんな日曜日の出来事であった。



■END■

---
※とりあえずあっさり目(?)に・・・・・苦笑汗汗汗汗汗汗^^;



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2018.12.1 12:05 Sat [■参加中企画!「まにまに!」さん/交流用■]
■笹目と雪の再会編。■

話題:オリキャラ小説/文章
■夏休みがあけて。第二週目の日曜日がやってきた。
今日はリテナをつれての名所めぐりの日。

ましろに誘われて雉鷹も一緒に二人で待ち合わせ場所に居る事であろう。
そこに神風家の三人。メイ。鳳太。リテナが向かう事になっていた。

しかし。メイはそこにどうしても笹目を誘いたかった。
出来れば一緒に楽しみたい・・・・・・・。そう思っていたのであるが・・・・・・・


「ごめんなさい。私・・・・先日ましろさんにも誘われたんですけど・・・・・・」
となにやら細々とした声が電話の先から聞こえてきた。

「笹目さま?」
メイは急に不安になった。何かあったのだろうか。いや。夏休みの間にあったことは知ってはいるが・・・・・・・


「ごめんなさい。私。今回の実力テストの結果が悪くて・・・・お勉強のため今回は休ませていただきたいの・・・」
そういう笹目に理数科のメイは「ならば私がお付き合いしましょうか・・・・・?」とつい口に出してしまったが笹目は頑なにソレを断った。

「大丈夫。お勉強くらい一人でできますから・・・」
出来なそうな声である。メイは心配で仕方ないのだが。楽しみにしているリテナや笹目のおっかけである鳳太に相談するわけにはいかない。

仕方なく「分かりました。」とソレを飲み込んで電話を切ることにした。

「メイ姉さまどうしました・・・・?」
リテナが不安そうにこちらを見てくる。


「え・・・えぇ・・・・笹目様を誘おうとしてちょっと断られただけよ・・・」
「・・・・あの犬臭い女ですか。」

直後リテナは頬をつねられる。

「リテナ・・・・・」


「痛いです!メイ姉さま・・・・!!!」

そういいながらもリテナは嬉しそうである。

やはりなんだかんだで今日のこの日を楽しみにしていたようであった。


「・・・・・・。」
メイは笹目の事が心配であったがそれ以上は語らないことにした。リテナに悪気があるわけでも無いし笹目の事はそうは言っても嫌いなわけではない。
只リテナにとっての笹目はそんな感じの人間なわけである。


「リテナは笹目様のことは嫌いじゃないですが犬臭いのはどうにかして欲しいです。きっと今頃また犬と遊んで・・・・・・」

別に笹目はそんなに異臭を放っているというわけではないが。何かと敏感なリテナにはそう感じるらしい。


「笹目様は今日はお勉強だそうよ。」
はぁ・・・とため息をつきながらメイはそう言った。


「笹目和美がどうかしたのか・・・・・?」
今度は”753”というTシャツを着た鳳太がコチラの部屋にやってきた。


「「はぁ・・・・・・」」

その姿に女性二人はため息をつく。

「なんだよ・・・・・・」
いやそうにする鳳太を尻目に二人はいそいそと部屋を出て行った。

もう出かける時間である。




「楽しみだね・・・・」
待ち合わせ場所では私服を着たましろがもう雉鷹と待っていた。

「それにしても・・・名所めぐりというだけにーーー前とはベタな待ち合わせ場所だな・・・」
「うん。そうだね。でもみんな考える事は同じなのか沢山の人が居るね・・・・・・」

そう言ってまだ時間になる前から人ごみの中に待ち合せ相手は居ないかと探すましろ。
「この時間じゃまだいないだろ・・・・・」
時計を見ながらましろの方へと語る雉鷹に「鳳太くんは両手に花で羨ましいよねー・・」とましろが語る。


「・・・・・・・」

「でも俺にも”たっちゃん”って言う花が居るから・・・・」とにこりとするましろに

「(お前は猫忍の事でも考えてろ!!!)」とつい突っ込みを入れたくなってしまったが・・・・・そう考えると自分も彼女に対して意識的な感情が無いわけではないので何だか恥ずかしくなってきた・・・・・。


かぁぁ・・と急に赤くなる雉鷹に。ましろはついに人ごみの中に目的の人物を発見した。

「猫忍さーん・・・!リテナちゃーん・・・!・・・・鳳太くーん・・・・・!!!」
最後のところだけ一瞬なにやら躊躇があった気がするが・・・・・・

目ざとい雉鷹は何かに突っ込みを入れたくなったがそのまま3人組の方へと駆け寄ろうとするましろを追いかけた。


そして彼らの名所めぐりはスタートしたのである。



「はぁ・・・・・」
自室。笹目は板脇家の自室でため息をついていた。

雪鷹さんの謹慎はもう開けたと雉鷹さ・・・・佐伯さんに聞いたけれども・・・・・・

「もうこの家に帰ってくる気はないのかしら・・・・・・」
なんだか寂しいそんな気持ちがこみ上げてる。

先日ポストに入っていたバラはもう枯れてしまった。
もうすぐ戻るというメモだけはずっと大事にとっているが・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・。」

寂しそうな笹目にシノもテツも困っていた。

「笹目ー・・・・・いっしょにテヅの散歩行かんべがー・・・」
そう言ってシノが部屋のドアの前にやってくる。

「お婆様・・・・すみませんが・・・・・・」
そう言って断る笹目。朝ごはんにも姿を現していない。

着替えもして髪も整え既に身支度は整っているのだが机に座ったまま動かない。

机の上にはなんとなく教科書とノートがあるが勉強が進んでいるわけでもない。


そんな感じで笹目は朝からずっとぼんやりとしていた。

”私が・・・まだ高校生で・・・・”子供”みたいなものだからいけないのだろうか・・・・・”
そんな事も考えてみたりする。まだ”学生”だがら・・・・・・その枷が邪魔な気がして仕方ない。



「雪鷹さん・・・・・・・」
笹目はぼんやりと机に伏せるとそのまま眠ってしまった。

ここ数日暑さのせいもありあまり眠れて居なかったのである。

クゥン・・・・寂しそうなテツをつれ・・・・シノは散歩に出かけていく。

つい笹目に気をとられてウッカリ鍵をかけていくのを忘れていた。

そんな夏休み明けの出来事である。


■NEXT■

※いきあたりばったり(意:何も考えていない・・・^^;



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2018.11.3 19:48 Sat [■参加中企画!「まにまに!」さん/交流用■]
■新学期が始まった。■

話題:突発的文章・物語・詩
■「おはようございます。お婆様・・・・!

そしておはよう。テツ」
朝。板脇家の主シノに挨拶をすると笹目は外に出て飼い犬の前を通り新聞を取りに行っていた。
と。ポストを開けると何か見慣れないものが入っていたので小首をかしげる。

「神風くんからかしら・・・・?」

ポストの中には紫のバラが入っていた。・・・・しかし。それが神風鳳太のものであれば大体は赤かピンクのソレである。

不思議に思い笹目がソレを取り出そうとすると。カサリと新聞とは違うカードのようなものに手が当たる。
”もう少しで帰ります。   佐伯雪鷹”

その封筒の中に入っていたメッセージカードを見て笹目に笑みが戻ってきた。
暫く寂しい夜を過ごしていた。只。恋人まだ一緒に住んではいるが何も無い・・・・といえば何も無いソレが自宅に帰っただけのことであるが。それでもやはり祖母と二人の食卓はなんだか寂しいものがあった。

外では笑顔を絶やさないように心がけていたが部屋に戻ると少し疲れて不意に眠ってしまう。そんな日が続いていた。
だが”雪鷹”がもうすぐ戻ってくる。笹目はそのカードに確信して機を確かに待つ事にした。

今日から舞台は新学期。夏休み開けての学校生活にまた戻るのである。

----
「おはようございます。雉鷹・・・」
朝、佐伯家ではいち早く起きた雪鷹が嬉しそうに鼻歌を歌いながら朝食と弁当を作っていた。

料理の腕前はそこそこのもので注文があれば大体なんでも作れる程度には確かである。
そんな彼が嬉しそうに作っていたのは・・・・・・・

「何だ・・・・・その”笹目”の顔をした弁当は・・・・・・」
キャラ弁である。しかも笑顔の笹目の顔をしたご飯が中央に飾られている。
「何って。”雉鷹”のお弁当ですけど?どうしました?」

雪鷹は謹慎明けで笹目のともに戻れる嬉しさからか気づいては居ない。というよりそういう部分には盲目である。

「何で俺の”弁当”が笹目なんだ・・・・・!!!!!自分の弁当にすればいいだろう・・・!!!!」
そう言って朝から機嫌悪そうに叫ぶ雉鷹に雪鷹は「私の食事は華桜邸から用意されてますから。」
と。仕事の顔で答えた。

故に妙な威圧感を感じた雉鷹はぐっとそれ以上いえなくなった・・・・・
「せめてそっちの犬の顔をしたほうにしてくれ・・・・・・・・・・・・・笹目の奴は父さんに食べさせる・・・・」

なんとか崩れ落ちそうな声で言えたのはそれだけだった。

「こっちの犬の顔は昔僕が飼っていた犬の”ラッシュ”の顔なんですよ、大事に食べてくれますか?」
フフッと少し嬉しそうに微笑む雪鷹に。雉鷹は笹目の顔をした弁当よりはましだ・・・・・・となんとか体制を整えなおした。


「それじゃぁ俺は着替えてまた食事に戻ってきますから・・・・・・・そっちの犬の奴を袋に包んでいてくださいね。」
「ハイハイ・・・・全く。雉鷹は照れ屋さんなんだから・・・・・」
全く持って恥じらいの無いのか雪鷹は完全に惚気ている。
その言葉に雉鷹は「(いい加減にしろ・・・)」と心の中で呟いた。

そして・・・・

朝、ましろは早くに学校に来ていた。
今日はリテナの初登校日。もしかしたら早くに来て手続きなどをするんじゃないかと思い挨拶しに待っている事にしたのだ。
目的はリテナの事もあるがメイのこともある。

只。リテナは主の鳳太と同じカトリック科の生徒のため。もしかすると二人だけで来る事もあるかもしれないが・・・・・・・・・・。礼拝堂付近のフェンスの前でましろが待っているとその前を古風な顔立ちの長居美しい髪をした女性がカトリック科のほうへと歩いていった。

「・・・・・!」

顔を下にして目おおとしていた参考書から視線が上がる。

「・・・・・美人だ・・・・・・」
不意にそんな言葉が漏れた。

あんな綺麗な生徒さん・・・・・カトリック科にいたっけ・・・・?

「後で”たっちゃん”に聞いてみよう・・・・」そう思いながらも目ではその女性が去る方向を追っていた。


今日はリテナの初登校日である。


-----
「鳳太様・・・!どうですか・・・!????リテナの学生服姿。変になってないですか?」
わくわくとした表情で冬制服を着たリテナがくるくると制服を広げて鳳太に見せる。

「その格好は先日も見たぞ。朝に礼拝堂に行ってただろう・・・・・・」
だがソレは個人的に忍び込んだだけでまだちゃんとした処理が全部は終わっていなかった。

なので今日は少し早くに出て行くことにしたのだが・・・・・
「それにしても何で女子は共通衣装の夏服があるのに衣替えもまだだというのにそっちの制服を着てるんだ?」
白いセーラーを来た鳳太がリテナに言う。

「何でって・・・コッチの制服の方が絶対可愛いからじゃないですか!!!」

リテナは女の子ですから!!!”可愛い!見た目を重視するんです!!!
そう言ってブーツの準備をするリテナ。これも”可愛い”を意識したアイテムだ。

「・・・・俺から見ればそれは邪な精神だし無駄に暑苦しくて見ていてかわいそうに見えるぞ・・・・・・」
何だかなぁと目を細める鳳太。確かにカトリック科の生徒として少々邪な部分もあるが彼もまたなんともいえない部分がある。

「いいんです!”リテナ”は鳳太様と同じ科に入りたかっただけですから!!!」

そう言ってリテナはキッチンテーブルの方へとかけていく。そこではメイが朝ごはんとお弁当を作っていた。

「わー・・・・・メイ姉さまこれはまさか噂に聞いた”キャラ弁”ですかー・・・・!??」

キラキラとした目で手際よく盛り付けられるソレをリテナが目で追っている。

「そうよ、リテナの顔をしたのは貴方用。この赤いのは鳳太様用。で、私のはこの"笹目様の・・・・”」

ソレは雪鷹が作っていたのとほぼ似たようなお弁当であった。


「笹目和美・・・!??」何かを聞きつけたのか鳳太が反応する。

「メイ・・・悪いがその笑顔の可愛い奴は自分が・・・・」
かなり邪である。でもそれも彼の魅力と言えば魅力なのかもしれない。


「いえ・・・コレだけは譲れません・・・鳳太様は自分のお顔をしたそれを頂いてください。」
「いや。自分の顔とか食えんだろ。コレ・・・・・!!!」

真っ赤な頭をしたケチャップご飯のオムライス風鳳太弁当・・・・・なかなかの出来だが流石に自分のは食べ辛い・・・

「それじゃぁ”鳳太"様のはリテナが頂きますー・・・・!!!」
嬉しそうにそういうリテナ。どうやら彼女はソレを狙っていたようだ。
「リテナ・・・・・・
仕方ないわね・・・・」


はぁぁ・・・・・とため息をつきながらメイは笹目弁当を鳳太用の包みで包むと今度はピンク色のクマのハンカチに鳳太弁当をつめた。


「リテナは私が頂きます・・・・・これでいいんですね。お二人とも・・・・・・?」
なんだかソレはそれで意味深なようなものがありながら。3人はそれで納得することにした。

そしてお昼に礼拝堂で包みを間違えた雉鷹と嬉しそうに笹目弁当を持ってやってきた鳳太が同じような弁当を持って出くわし一緒に食べる事になるのはまた別の話。


「それじゃぁ今日はリテナのためにも早めに出て行きましょうか。幸い鳳太様が同じ科でいらっしゃるから・・・・(幸いではない)色々案内してもらいなさい。」
そう言ってメイは用意していた朝食の食器を持つとテーブルの方へと持ってきた。

「・・・・・あんまり変な事するなよ。リテナ。」

「しないですよ!鳳太様!リテナは鳳太さまの事だけ見てついていきますねv」

と。嬉しそうに言うリテナ。それでは案内の意味が無い。


そして・・・・・・・・


-----
「あ、たっちゃん・・・・!!!!!」

「・・・!?ましろ・・・!??」
今朝は家に来ないなと思ったら・・何故こんなところに居るんだ?
と、礼拝堂付近のその場所でばったり出会った。

「たっちゃん!!!たっちゃんのクラスにもしかして髪の長い古風な美少女がいる!??」


「・・・・ん?・・・・誰の事だ?」

また始まったか・・・と雉鷹は少々苦そうな顔つきでそう返した。
ましろの美人ハンターは今に始まった事ではないが猫忍をおっけけていたのではなかったのだろうか。

そう思いながらも思い返してみるがとりあえず誰だかは分からない。

「お前も元は生徒会の人間何だから自分で調べてみてはどうだ・・・・?」


「やだよ。それじゃぁストーカーじゃん・・・・・・・・俺はたっちゃんに聞いてるの!」
そういわれても覚えが無いのだから仕方ない。

雉鷹はふぅとため息をつくと「ココで何してるんだ?」と改めて聞き出した。

ここは昔笹目を叱ったあの場所である。破れたフェンスはもう新しいものに変わり跡形も無い。

「あぁ。今日はリテナちゃんの初登校の日だからね。少しでも助けになりたいから待ってたんだよ。」

そういう彼はなんだかんだで子供好きである。子供のような見た目をしたそれに親近感が沸いたらしい。”猫忍メイ”のところにいる子だから余計気にかかるのだろう。

「そうか・・・・ここは神聖な区域だからあまり変なことはするんじゃないぞ?」


「変な事なんかしないよ!っていうかなにをするんだい?たっちゃん?」
不思議そうに見つめるましろに雉鷹は「さぁな」と答えた。


(そんな感じでまだ生徒名簿に書かれていない某様宅の新キャラちゃんのお誕生日祝いも兼ねてコッソリ書かせて頂きました。ご迷惑でしたらすみません。)


そして”彼ら”の新学期が始まった。

休日には”名所めぐり”が待っている


■END■



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