本日は、奈良国立博物館の展覧会『春日大社のすべて』に行ってきました。

春日大社の名品の他、復元品も展示されていた。X線などの科学技術から原本と同じ材料を特定し、伝統工芸の職人が知識と経験から当時の製法を推測。その製法でもって製作、復元したという。

螺鈿造りに関しては、人間国宝の職人の全面協力によって実現したとのこと。
そうして復元された刀、矢立、弓矢の美しさ…!触りたいとも思えない。触れない。学生時代の監督が見たら、なんとコメントしただろう。

他には絵画や絵巻物、工芸品など。鹿の置物がすごく可愛い。(重要文化財 春日神鹿御正体)

春日権現絵巻(?)というものも見た。ある偉い僧が病気になっていよいよ歩けなくなった時、仏様が美しい貴女の姿になって目の前に現れ、飛び去った。すると僧は再び歩けるようになり、翌日に天に旅立った、という話。仏様が現れたからというより、仏様が美女の姿で現れたのが大きいんじゃないのか?と思った。

次に向かったのは、博物館付属の『なら仏像館』。日本で最も仏像が充実している施設らしい。
教科書で見た覚えのある仏像がちらほらある中、最も感動したのは『如来立像』という名前の作品。
奈良時代頃に作られたらしいが、解説文に「木材の傷みが目立ち、苛烈な時を過ごしてきたと感じさせられる。」

手は無いし足は無いし、台座もない。(一木造りは台座も含めて一本の木を彫り出して作っていると最近知った。別々だと思ってた…)
穴空いてるし、背中は割れてるし、頭も傷だらけ、鼻も欠けている。今まで一体何があったんだ…?そして、よく今日まで残っていたなぁ…。

これが神や仏の力だと言うのなら、本当にそうだと思う。これだけ多くの人々から信仰を集め、守られてきたのだから。

そして唐から伝わった石像。背景にハートがたくさんあしらわれていたのが、すっっっごく可愛い!!でも一体なぜ?それともハートではなく葉っぱ?


獅子の像や十二神将像がすごくイキイキとしてて可愛かった。十二神将とは十二支を表したものだと初めて知った。漫画でよく出てくるのに…。

展覧会ショップでは、春日神鹿御正体のポストカードを買って終わり…のつもりだったが。博物館のショップに行って驚き。曽我蕭白の図録があるじゃないか!?

名作誕生展で見てから気になっていたが。13年も前の図録が売ってるとは。買うしかない…。
そして今後のために博物館編集の、仏像初心者向け解説本。

そして更なるワナが…絵本。何の絵本かって、九相図の大判絵本だ。なお九相図をググる時は閲覧注意で…。なんとどぎつい絵本なのだろう。しかし、九相図をまじまじと眺められる機会なんて、そうそうありはしない。

私の出費は、もはや食費と書籍代ばかり。おかげさまで積ん読の量がすごい。収納もない。

なお、今月は堺のアルフォンス・ミュシャ館にも行ってみたい。