《10月に読んだ本》
加賀騒動/村上元三
占星術殺人事件(改訂完全版)/島田荘司

加賀騒動は、おばあちゃんが貸してくれた本。江戸時代の加賀藩の勢力闘争と、大槻伝蔵という実在の人物についての小説。

「考えてみるに、わしという者は、頼るものがあってこそ働きができる男であって、現在のようにひとりになると、どうにもならぬ。つまりは、家柄がなく、たのむものといえばおのれ一人の力、というのは、元亀天正の世の中なればともかく、ただいまでは、さっぱり役には立たぬ。…わしのようにさまざまな欲の多い、身分の低い生れの者には、ひとりを頼むと無理が生じる。…」

我が身にも充分当てはまるというか、自分の将来を見せつけられたような小説だった。作品が発表されたのは1986年。

占星術殺人事件は、妹からのオススメ本。1981年の作品。帯には、「日本推理小説史上に残る、伝説の名作」とある。

とはいえ、個人的には、腑に落ちない点が少々残る。名作かと聞かれたら、そうでもないような気がするけど…。というか今気付いたけど、推理小説はたいがいいつも、モヤモヤしたまま読み終わってるような…。

でも、「現代ミステリーものはここから始まった」とネットに載っていたので、80年代当時にとっては、画期的だったのだろう。