《1月に読んだ本》
清洲会議/三谷幸喜
万葉のいぶき/犬養孝
ジャンル別作品集2 捕物帖/松本清張
女帝の歴史を裏返す/永井路子

万葉のいぶきは、万葉集についての解説本。
女帝の歴史を裏返すは、題名の印象はトンデモ本ぽいけど、トンデモ本ではない。

作者の学生時代は、戦前〜戦時真っ只中の時代。事実と全く異なる日本史を教わってきたという。
もちろん、現代の日本史教育 は、偏った思想を正当化するためにあるんじゃなくて、資料や文献を正確に研究することに、当然力を入れている。
そこで、歴代の女性天皇にスポットを当てて、(2006年時点で)最新の研究結果に、作者の小説家としての読解力も加えて、それぞれの在任中の出来事や、政治的手腕を再評価していこう、という本。

日本史の教科書何回も読むより、めちゃくちゃ分かりやすくて面白かったです。

どの辺が面白いかというと、作者の推理力。
日本書紀の研究について、「文章をただ正確に読むだけでは、分からない事実がある。なぜなら文献も資料も、ひとつの真実を隠すために、書かれた可能性があるからだ」的な主張。
(言われてみれば確かに!!)って思った。

そしてこの本は、戦時中の時代を知っている作者だからこそ、書けた本だと思う。

作者の作品は、過去何作か大河ドラマ化しているらしい。是非是非読んでみたい。