絶望の最中にいた4年前のこと。
初めは5年くらい前の修学旅行だった。触れられることが嬉しくて犬が懐くかのようにあいつに尻尾を振ってはご褒美を貰っていた。
彼女がいることを知ったのは夏休みだった。それでも遊びに誘えば答えてくれるし相変わらずイタズラはされていた。その影で彼女にはカーテンの裏で何かしていたのも見ていなかったわけではないのに。
夏休みも明けて文化祭も終わったあと、私の家で2人きりで遊ぶ約束をしてしまった。ゲームをするつもりだった。当時の私は漫画みたいな事は起こらないと思い込んでいた。
非情にもベタな少女漫画みたいなことが起きた。ゲームもひと段落したあと私の体は軽い力で押されソファーへと倒されていた。何が起こったのかわからないままの瞳であいつを見た。冗談めいた口調のまま俺のことが好きならキスもそれ以上のこともするけど、とよくわからないことを言い始めた。彼女がいるのに何言ってんだこいつと思って真顔になった私に対してあいつも真顔になり次いで耳元でyesならキスをしろと言ってきた。できるはずがなかった。そのまましばらく何もせずに固まってる私の唇に何かが当たる感触とそのまま口内に入ってきたにゅるにゅるした何かに侵されてからやっと私のファーストキスは奪われてしまったのだと悟った。
そのあと処女の私に対して何もせずに指を突っ込んで動かしてみたり自分でもあまり見ないそこをまじまじと見たりと好き勝手された挙句、その時生理の終わりかけだった私を四つん這いにさせて上に被さって囁いたことといえば、こっちの穴には入れられないから後ろ使ってみようか とのことだった。正気の沙汰ではないかエロ本の読みすぎだと思うけど本気らしく本当に入れようとしてきたが勿論入るはずもなかった。
その後あいつはそそくさと格好を整えてまた明日学校で、という呪詛を残して帰っていった。これから約1年間にわたって続く地獄の始まりだった。
数年経った今でも鮮明に思い出せるほどの絶望がずっとずっと心の何処かに巣食ってる。
巣ごとの駆除の仕方はまだ見つかっていない。