時は18年前まで遡る。
とある実験施設でひっそりと行われていた実験。



"人造人間の創造"




世界中の科学者達が、互いに匿名での資料提供、そしてたった1人の天才と称される男が、自分達によく似た生物を構築し組み立てる。
科学者達は自らの研究欲求が為に、この行為によって生まれる悲劇に気付けなかった。



作られた体は次々に死んだ。

試行錯誤は繰り返される。


実験開始後、たった1ヶ月で生まれた赤ん坊は…
嗅覚の欠陥が発覚。
この生き物は"逆犬(サカイヌ)"と称された。



実験は続く。完璧な人造人間を求めて。



その後2ヶ月の間に次々に生まれる生命体達。


左右の肺がそれぞれ機能しない2つの生命体"モノクロコントラスト"

白い盲目眼球を1つずつ埋め込まれた2つの生命体"夜間白昼夢"

片耳が聾で成長不良の2つの生命体"無音騒音(サイレントノイズ)"



どの生き物も欠落し、酷く不安定なのに、そこを除けば異様な程に完成していて、どこか悟った様な顔を此方に向ける。


最早"完全でなく、人間に似て非なる存在"である事がそれらの存在証明となった。


そう定義された人造人間。創造者に残された課題は…


"XX型の誕生"




今まで生まれて来た7つの生命体は、全てがXY型――人間で言えば男にあたる。


創造者は1つの実験に望みを捧げた。



"異性一卵性双生児創造"



6ヶ月後、関係者でありながら傍観し続ける匿名の研究者達が見守る中、創造者の手により…




ウマレタ




紛れも無く、XY型とXX型の異性一卵性双生児。


彼等の唯一の欠陥は


欠落という名の特殊な力



"感情連動"



幼いそれらの欠陥に初めて気付いたのは5年後の話で…それに気付いたのは

匿名の愚かな科学者達でも

天才と称された創造者でもない…



創造者の隣で、事の一部始終を見ていた、当時若干8歳の1人息子と

5歳となったまだ日の光を知らない9人の人造人間達自身…



やがて異性一卵性双生児は"崩壊逆説(ブロークンパラドックス)"と呼ばれる様になる。

















それぞれの欠陥以外は、余りにも優れたそれらは、天才の息子―究極―の手を借りて…







自由を求めて逃げ出した。






あれから13年後が、お話の舞台。






さぁ、嬉々とした悲劇を謳い、血に濡れた花がどれだけ赤いか検証しましょう。



どうせ逃げ切れないのなら…



ドウトウノシオキヲアナタニ…