話題:本の感想
みずのよしえさんの『まるタンクとパイプのひみつ』を読みました。
以前の記事(エムブロ内)で感想を書いた『ねこの風つくり工場』シリーズ3作目。
単巻でも楽しめますが、レギュラーメンバーを掘り下げた話が多いので順に読むのをおすすめします。
今作は
・まるタンクとパイプのひみつ
・ハック、資格試験を受ける
・海の売り番トリコのはなし
の3本立て。
風をつくるねこたちというメルヘンとは対照的に、仕事とねこたちを取り巻く環境に関してシビアなこのシリーズ。今作は特に強く感じました。
手を抜けないからこそ認められたら嬉しい。起きてしまったことはどうにもならないけれど、だからこそできることをしたい。
そんな彼らの姿に励まされます。
初登場の面々も、もの集めが得意なきじねこナツ、オッドアイが光る試験官、海の売り番トリコとレギュラーメンバーに引けを取らない個性派揃い。
好奇心旺盛で懐っこい新入りナツが特に好き。ノロロとのコンビも可愛いので今後の活躍に期待です。
人間が夏に海へ行きたくなるのは、ねこたちが風の材料に白砂や貝がらを加えているからだそう。
日陰を抜けていく一陣の風や夜の海風がますます恋しくなる1冊でした。
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ちょっと他に熱中していたら読みたい本が山積みになっていました。
特に吉田篤弘さん。5月6月のふた月で単行本3、新書1、文庫化1、参加オムニバスの文庫化1、雑誌寄稿1、さらに9月にも新刊確定って追いつけない!
そういえば別名義の『じつは、わたくしこういうものです』で春夏に人一倍働き、冬は冬眠図書館に籠もる話がありました。
あのお二方なら実践しかねない……というか建てて管理してそう。笑
竹清仁さんと柳広司さんがタッグを組んだ『ゴーストタウン 冥界のホームズ』は電子雑誌連載、脚本形式ということもあり保留中。
設定はすごく惹かれるんですけどね。このニヒリスト!シャーロキアン!(褒め言葉)
紙の本でノベライズが一番嬉しいけれど、電子限定でもせめて1冊にまとまってくれたらいいな。