話題:本の感想
石持浅海さんの『殺し屋、やってます。』を読みました。
職業・経営コンサルタント。副業・殺し屋。
仕事は堅実、明朗会計。受注も不備なく何の支障もない。ただ、標的の行動がどうも引っかかる。
夜な夜な公園で水筒の中身を捨てる女性、独り身にもかかわらず紙おむつを買う男性……彼らはいったい何をやっているんだろう?
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殺し屋が語り手だけどメインはあくまで日常の謎、というコンセプトが面白い短編集。
非日常の立場から一般人の日常をのぞき見ているはずなのに、まるでこちら側が正常であるかのような錯覚にとらわれてしまうのが楽しい。
主人公・富澤も彼の仕事を知る人たちも一見とても普通。だからこそ、変。
特に好きなのは『優柔不断な依頼人』と最終話。立ち位置としては番外編?の『同伴者』も好き。
石持さんお得意の『隙の無い説得力を持った本来あり得ないシチュエーション』を存分に味わえる1冊でした。
シリーズ開幕とあるので続編も決まっているのでしょうか。楽しみです。
ネタバレを含む感想は追記より。
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