話題:本の感想
吉田篤弘さん、フジモトマサルさん共著の『という、はなし』を読みました。
夜行列車に灯台、ベッド、書斎に地べたに屋根の上。様々な動物たちが様々な場所で本を読む姿を描いて書いた24掌編。
坦々としているようでときに感傷的、ときに哲学の香りを漂わせる吉田さんの文章。鈍い色合いと潔い線が味わい深いフジモトさんの絵。両者の相性は抜群。
また、普通の本は主に文章→挿し絵の順で作られるところ、こちらはフジモトさんが描いた絵に吉田さんが物語を『挿文』するという手法をとっているそう。
吉田さんいわく『何がなんでも答えなくてはならないなぞなぞ』だとか。バトンの受け取り方も面白い。
特に好きなのは病院のベッドで点滴を受けながら本を読むレッサーパンダの『読者への回復』。
『待ち時間』『何ひとつ変わらない空』『眠くない』『影の休日』も好き。
気忙しい年の瀬にちょっとひと息つくのにぴったりの静かで印象的な1冊でした。
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