バッハの旋律を夜に聴いたせい









「なんか、やーヨ」





「……何が?」




すぐには返ってこなかった返事がたっぷり間をあけて返されて、神楽は暑苦しい腕のなか、ようやくもぞりと身じろいだ。
めざめてしばらくはボーとしていたのに、徐々に、まただ、とかすかな、上手く説明のつかない悔しさで神楽の口の中は酸っぱくなる。
ふてくされたようにゴロンとピンク色のシーツに逃げて、皺がついてしまったそれを伸ばすように、潰すように指先で何度も撫でる。
じっとり汗ばんだ身体は離れた先からうっすらと冷めていき、首元から背中に張りついた髪を猫みたいにゴロゴロとシーツにこすりつけると、夜の生温い空気をふくんだ。
神楽はふるりと小さな身体を震わせた。慣れすぎた温度差に、むずむずとむずがった。
すると、わかっていたけれど、暑苦しい腕がまた伸びてきた。
何も言わず隣で彼女の習性を看取っていた銀時の、がっちりとした太い腕と、大きな手、筋張った指。少し冷えた体温を包み込むように、自分の腕の中に閉じこめてしまう。
汗くさい男の匂いを吸いこんだ途端、鼻の奥が妙に息苦しくなって、意味がわからず、わからないからなお鬱陶しいやら、暑苦しいやらの理由を見つけてはこの抱擁を拒否したくなった。


この全身を……


ふつふつと穴を穿つように蝕んでゆく、 ぬるい、ぬるい、 倦怠感と激情。
気だるくて、厭わしくて、煩わしくて、それを振りきろうと首を振れば今度は軽い頭痛をおぼえる。
決して不快ではないのに、弾むような幸福な気持ちからは…遠い────。


どうしてだろう。
どうしてこんな………曖昧で、しめっぽい?


いっそないほうが清潔なのに。 息苦しいのだ。 なぜ、あるネ。 なければならないネ。
なくて、すまないことアルか?
葛藤…といっていいのかもわからない。
こうした答えは、神楽の中でも常に見つけることは出来なかったので、またしてもノッソリ起きだして、寝そべったままの男を見下ろした。
「どうした?」、そんなふうに薄闇に浮かびあがる大好きな顔はいっている。
闇夜なんだか月夜なんだか、神楽は外のことなど見も考えもしなかったが、何も言わず、変わらず息をする銀時の胸に手を置いて、グイっと突いた。力を入れたわけではなかったけれど、男はウッと目を白黒させたまま虚脱のていで、神楽は彼の肩にグイと手をかけて馬乗りになった。 一瞬、
このまま首を絞めてしまいたいとも考える。
またたくまに馴染んでいく体温に、甘えすぎたクズレが、我慢のできない気持ちにもなった。
こんなふうなむずがゆい掻痒に犯されることは、もう何度もあるのだ。
銀時は一言の非難も言わず、むしろあるがままの神楽を常にいたわってくれる。好きなようにさせてくれる。神楽にとって事後、こうしているときの銀時は、常に可愛く、そして健気だとも思う。
ほんとうに不誠実で身勝手な人間などめったにいないもので、そのかわり誠実というものは常に停止して在るものじゃなくて、どんなものでも、ある瞬間に裏切ったり、不貞腐れたりする。
神楽は銀時以外の男───たいていは一緒に住んでる眼鏡だが───と並んで並木道を歩いたり、知り合いやみず知らずの男などに甘味をごちそうしてもらったり、些細なお願い(=命令) に走ってもらったり、同年代の子たちと一緒に遊んだり、年上の女友達と共にチヤホヤかしずかれてショッピング街など買物に歩いて、人波を追いつ追われつ、人波のあいまから目と目を見合わせて頷きあうこともある。
そして、そんな悪戯な目は物ともせずに、銀時とはこうして互いの体温を重ね合うのだ。
こうしたつながりの上では、たかがあんなことは、風景のラクガキにすぎない。並木道の散歩、楽しい買物、新作映画の鑑賞、テーマパーク、喫茶店、それらのことは、世の恋人同士の特権のように思われがちだけれど、神楽はあべこべに、仇心の一興、また、一夢というようなものにすぎないと思っている。神楽にとっては浮気心にもならないのだ。
そうして銀時の知らないうちに、何人かの男たちとあいびきといえばあいびきのような偶然を重ね、けれどもそれはただのラクガキ、すぐにでも消しゴムで消してしまえる悪戯であるにすぎず、いわば暇つぶしに近いかたちで、次に銀時と夜をまたぐまでの退屈しのぎと成り果てている。


銀時に関するかぎり神楽は、もはや一緒にいるだけで風景にはなりえなかった。


神楽が一人ぼっちで家で寝転んで、テレビを見たり、物思いにふけっていたり、うとうとしているとき銀時がようやく電話なり仕事から帰ってきてくれる。どんなに面白いテレビでも、静かな物思いでも、安らかな睡りでも、神楽はそれを捨てたことをたいてい悔やみはしない。神楽の本心は素直に、彼をむかえ、彼の愛撫をもとめ、彼を愛撫するために、最終的には二本の腕をさしだして、彼を待つ。神楽にはその天然の媚態だけがいつしか全てだった。
このような媚態は、銀時が神楽に与えたもので。神楽はその時まで、こんな媚態を知らなかったのに、銀時にだけ自然にこうするようになった。だからつまり、彼が一人の神楽を創造し、一つの媚態を創作したようなものだった。
それは一つの慣れ親しんだ気安さでもあった。この気安さは心の形でなしに、媚態の姿で表れる。神楽はどんなに心地いい睡りのさなかでもふと目覚めて銀時を見ると、朦朧としたアンニュイな不穏分子をじっとり押し殺しながら、それでも最終的には両腕をのばして彼の首ににじりよる。そこでも何故か、いっそこの手で絞め殺してやろうかなどと浮かびはするが、じっさい実行に移したことはない。
もはや、盲目的な媚態といってもよかった。
くずれるようにその雰囲気に持ち込まれると、ほとんど抵抗を無くした赤んぼうのようになる。時に長い愛撫は堪えがたいものにもなって神楽を苦しませたが、彼女は大量の涙と汗と蜜にまみれて、その媚態を喪うことはなかった。
このいつしか育ち、創られてしまった天然の媚態を鑑賞し、味わい尽くしている男は、いまだかつて銀時だけなのだ。
目と目が人波を隔てて思わず頷きあうとき、そこには悪戯な夢もこもり、秘密の匂いも流れ、おのずからの妖しさもあったが、だからまた、そこには、退屈、むなしさ、みずから自分を裏切る理知もあった。要するに仇心、遊び心と反抗の目、なのだ。
銀時以外の男に手を握られてみたいような、なんとなくそんな気持ちになる時は確かにあって、彼以外の男と一緒にどこかに泊まり…戯れて暑苦しくさせられたり、神楽はたまに考えるそんな妄想のあとでも、いつも何かつまらなくて、退屈、心の重さにんざりする。
けれど神楽が銀時めがけて不穏に馬乗りになり、そういった平時の葛藤も合わせて発散するようにわけのわからない息苦しさに駆り立てられても、やがて今みたいに…胸にその銀髪を抱きしめて指でなでたり…いじってやったり愛撫に我を忘れる。そんなとき、神楽の笑顔も腕も指も、神楽の気心の知れたやさしさが仮に形をなした状態で、もはや彼女の腕でも笑顔でもなく、神楽自身の意志によって動くものでもないのだと知るのだ。
その、ズルさ、クズレた甘さ、親しもうとする快楽、慣れた温度、すべてが神楽には必要であり、不必要にはなりえないからこそ、こんなにも息苦しい。


言ったことはなかったけれど、そんな神楽の複雑な思想や行動を知ったら、銀時はどうするだろう。
困るか、笑うか。 
きっと、困ったように笑うのかもしれない。何故、そんな似合わない自己哲学に陥っているのかと。
だが神楽は真剣だった。 彼女は自分が日々すごす日常に関しては大変シンプルな思考(嗜好)の持ち主だったが、男女の深い関係に関してはとんと疎かったのだ。実際、齢もまだ十六歳に届かず(十五歳と半年弱を越えたばかりで)、肌を許した男も銀時が初めてだったし、許したあとも神楽と彼の関係は表面上は何も変わらなかったから、神楽は男女のこうした関係が行き着く先というものが、果たして何処なのか、何なのか、どうなるのか、何も見えなくて、どうにも不安だった。
銀時は神楽のことを、一生俺のものだ、と宣告し、神楽を一生離さないと誓うが、どうにも神楽はピンとこない。一生俺のものでいて、と懇願されたこともあったが、このドロドロとした暑苦しい関係が死ぬまで続くのかも定かではない。
誰もそんなことを教えてはくれなかったし、そういう機会も今までなかった。
何より事例は今まで一つしかないのだから、何かと比較しようもない。だから神楽はますます退屈に、重くなる心を時おり持て余しながら、他の男のことを考えたり、不埒な妄想に犯されたりする。
だいたい、数少ない参考だった───映画や本で見るようなドラマチックな男女関係は、虚構であるからおもしろいのであって、現実のふたりには度が過ぎる領域であり、むしろそうなることはこの関係の終わりであるとすら思い始めていた。
しがない無職のプー太郎に、不法入国の家出娘。 しかも未成年。
考えてみれば、普通に手を繋いでおしゃれなデートなんてしたこともない。普通の恋人のように遊園地やテーマパークに行くことも、二,三日の小旅行に連れていってもらったこともない。
デートなどろくすっぽしないふたりの関係は…、ただひとつ、身体を繋げる肉体のラクガキに過ぎないのではないかと思いたくもなる。
ではどうしてこんな息苦しい、いじらしい関係を続けているのか?
好きだから、に決まっている。
けれど神楽も心底知りたいところではあったが、その疑問に銀時が答えてくれるのは、いつもの暑苦しい身体の熱と、目も眩むような快楽、そして言葉を惜しまない腕の強さだった。



内心の葛藤もいくぶん落ち着き、男の鎖骨に頬をのせてまどろむ神楽の小さな頭を、大きな掌がゆっくりと、ゆっくりと撫でてくれている。少し湿った薄紅色の髪が耳からこぼれ落ちるたび、そこにかけ直し、さらさらと宙に掬ったりしている。
生来、銀時はおしゃべりでは無いのだ。そしてそれは神楽にもいえた。毒舌と物怖じしない大胆さに、天真爛漫、すべてがそうなのかと思われがちだが、 案外沈黙も嗜む。 だから考える。 だからたまに酷く脆くなる。脆くなれば、自分の中で飼い馴らそうとして、なお言い出せなくなる。所詮、おべっかがペラペラ出てくるような口など持ち合わせていない。
いま何を思っているんだろう。何も思っていないのかもしれない。
こんなにもやさしい手つきをしていながら、本当は自分のことばっかりで、神楽の気持ちなど真剣に考えていないのかもしれない。
まさか…そんな器用なことができる男ではないだろうに。銀時の愛情が誰よりも厚いことを神楽は知っている。片手間に考えるくらいなら、神楽になど手を出さない男だ。それだけはわかっている。わかっているのに……。
神楽はふと、淋しくなった。 淋しかった。 それを淋しいだけだと理解できないのが彼女の不幸なところだったが、こんなふうに思えば思うほど、またしても息苦しくて億劫になる。
彼女は今になって銀時とこういう関係になってしまったことに、後悔してやいないかと考えだした。
それは彼とこうなって初めて知った苦しみで、それこそ回を重ねるたびに、同じ夜を過ごすたびに強くなっていく。
元々、こうなること自体早すぎたのかもしれない…。思いのほか晩熟だった神楽に銀時が創りあげた媚態の数々は、神楽の心にどうしても負荷を抱かせる。
…──はじめは、一緒にいたいだけだったのだ。少しでも長く、一緒にいたいだけだった。銀時と一緒にいるなかで築き上げてきた信頼関係こそが、神楽の甘くせつない真摯なまごころであって、それ以上のものを彼女は飽和状態のまま受け入れなければならなかった。決して彼が無理を押しつけたわけではなかったけれど、結果的に、神楽は変に相手の暗い感情に敏感なところもあったから、それを汲み取って、叶えてあげたい気分になった。
好奇心もあった。
愛情というよりかは一つの対価、報償、いまの自分たちの関係の、確かな 『証』 として、銀時にその身を与えなければならないと思った。
だいたい、最初はふたりでいても恐るおそるだった男の接し方が、ついには焦れるような情けなさを醸しはじめた頃から、神楽はいつかそうなることへの覚悟とでもいうか、じゃっかん期待も含めた、未知の世界を思って胸をうずかせたりもした。
あからさまな肉欲は、いまだ幼稚な夢と等しいような時期だったが、潔癖さというものにおいて、神楽は生来無縁な性質だったから、ある程度の生々しさは余裕に思えた。
間違いなく好きでふたり一緒にいたいのだから、そうなるのは当たり前なんだと思わないほうがおかしい。
ところが予想に反して、その関係に突入したら、神楽は徐々におそろしくなっていった。
女が男に対して啓蒙していく愛を好むとはよく言われているが、彼女もそうだったのかもしれない。
身体を深めれば、心も深まる。 深く、深く、深く、さらに深く自分たちは潜っていける。そうどこかで思い込んでいて、実際それは間違ってもいず、そんなふうに満たされる日々もあるけれど。
じゃあ、今がこうならその次は? 身体を繋げた。 心もさらに深く繋がった気がした。 じゃあこの次は?
いっそ終わりなどないように見えて、終わりは常に傍に、自分たちの傍にあるじゃないか。
そのことに気づかされて彼女は愕然となった。愛において、その成長を曖昧にできる時期とそうでない時期が、まだ幼い神楽の心を真剣に囚えて離さなかった。
けれど銀時のほうは違う。心以上のものを求めて、それを得ることができ、彼の愛情は表面上は神楽の眼に行きどまったようにしか見えなかった。実際、どれほど深く慈しんでいようと、結局ただれるように求めあうだけの関係に、神楽はどんどん怖くなる。銀時はそれに気づかない。男として、彼女よりも一回りも年嵩な大人として、銀時はそれに気づかないのだ。彼はただ、彼女が思う以上に何の負荷も感じずに、彼女に盲目だった。
神楽は考えた。 啓蒙しようのない愛情の行く末を考えた。それを思ってせつなくて、息苦しくて、こんなにも曖昧で痛々しいことはないように思えてならなかった。心のバランスを取るように仇な浮気心を見つけてしまいたくなる。秘めやかな反抗心で打ち砕きたくなる。銀時には出来ないような偶然を他の男として、それは結果、後ろめたさも薄く神楽を楽しませるのかもしれないが、ふと我に返ったとき、静かな物思いに沈むとき、神楽は地獄を見ることがあった。
火が見えるのだ。 一面の火、火の海、火の空が見えた。それは江戸を焼き、神楽の故郷で母を焼いた最期の火にも見えた。そして神楽は泥まみれのドブ川の底で押しあいへしあい押しつめられて片隅に息を殺している。神楽は何かを待っている。何物かはわからないけれど、それが銀時であることだけがわかっていた。
昔、あの頃、あのドブ川の底のような故郷にあぶれた悲惨な暮らしのなかで、神楽はしかし貧しさを、そして不幸を、むしろ夜明けと見ていたのだ。いま神楽がふと地獄に見る彼女には、そこには夜明けがないようだった。神楽はたぶん自由を求めているのだが、それは今では地獄に見える。暗いのだ。神楽がもはや不幸ではないためかもしれない。
神楽は銀時を今よりも愛すことができると思いたい。でも、今よりも愛し、愛されることはあり得ないという不安のためかもしれない。燃えさかる火の涯もない荒野のなかで、神楽は神楽の姿を孤独な、ひどく冷たい切なさに見た。馬鹿げた哀しさだとどこかでわかっているのに、どこにも本当の逃げ場がない。本当の救いもない。
恋愛をしている人たちがみんなこんな苦しさを抱くんだろうか。
神楽にはわからない。
こんなにも苦しい思いをして、どうして同じことを繰り返せるんだろう。
神楽にはわからない。
わかっていることは、ただ、間違いなくこの男を



好いていることだけ。



























『 ……ときどき、殺したくなるネ 』













寝言のように呟いてハッとした。聞こえてきた低い吐息にはビクリと肩が揺れたが。
どうやら銀時は、彼女が寝入ったフリをしていたことに気づいていたらしい。



「……眠れないのか?」


聞こえてしまったのかそうでないのか…。 けれど彼は手になじむチェリーブロンドを飽きず撫ぜながら、その声に神楽を咎めるような色はなかった。


「…ん」


神楽は静かにうなずいた。聞こえはていなかったのだと安堵して、不穏な心臓の音をみずから慰める。
首を絞めてみようだとか、殺したくなるだとか、その瞬間の甘い恍惚にも似た光に闇が挿すエクスタシーを思いだす。
知っていれば、早まらなかったものを。そんなこと、今では笑い話にもならない。それがいずれは不可能だったということを、いまの神楽には痛いほど分かっていた。無理だということを、知りすぎてしまっている。
傍にと望み、想いが通じながら触れられない苦しみ。考えただけでもゾッとする。
そう、神楽はわかっていた。銀時の代わりなどこの世界のどこにもいないのだと。
一応女である身体で男をいっとき自分のものにできても、もっと根本的な部分、心の奥底を覗き、彼の曝けだした何もかもを受け止めることはできないのだと。
次から次へとあふれる苦い思考に、神楽はやっぱり息苦しかった。悟ってしまってどうにも辛かった。
戻れるものならあの頃に戻ってみたい。
こんな感情に左右されなかった過去の日々が恋しくてたまらない。
けれど、またきっと同じ道を辿るのだ。 神楽が銀時を好きなかぎり。 そうなってしまうのだ。




気が 触れそう。








「うん?」


「…何も」


神楽はにじりよっていた銀時の首にさらに強くしがみついた。赤子のような肉の腕を伸ばし、自然と漏れる媚態に身体をくねらせる。それを彼はゆったりと受けとめて、目を細める。背中にまわされた片腕が、その先の不埒な指先が、神楽の小さなお尻の隙間に伸びかかっている。 嗚呼ほんと、ムカつくったらない。
けれど神楽は抵抗しなかった。
抵抗する気力もなかった。ほぼ俯けに銀時にもたれていた全身の、その足のつけ根を、もそもそと片膝で割られ押し上げられても、何も言わなかった。
黙ったまま太ももの内側や腰に痺れるような熱い体温を感じて深く息をついた。
今まで冴えていた目が、急に霞がかったようにかすんでいく。
重くなるまぶたをこらえ、猫がじゃれつくように男の首筋に頬を寄せると、神楽は少しだけ、悪意をこめて囁いた。
神楽ちゃん…? という声が耳元でこだまする。
それを最後に彼女は、健やかな眠りの世界に堕ちていけた。







──なんか愛さなきゃよかった
























「──まったく……ときどき、殺したくなるな」


最後に呟いた銀時の台詞はもちろん、神楽には届いていない。











fin

貴方をね、愛したことを
少しだけ、後悔してる



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02/26 19:04
[銀魂]




・・・・


-エムブロ-