ポロメリア







「小鳥はどこアルか?」


ちいさなおんなのこが夕食のふりかけご飯を食べながら聞いた。
ちょこんとお行儀よくちゃぶ台の前に正座しているが、まだうまく箸を扱えないのか、子供らしく手にきゅっと握った二つの棒でご飯を懸命にはこんでいる。


「小鳥はいってしまったよ」


と、少年はふたたび答えた。
彼もまたおんなのこの向かいに座り、これまた行儀よく正座していた。


「旅に出たんだ。 宇宙までの長い旅に」


おんなのこはお団子にした桜色の髪の大きな頭で、そのまま黙って食べていた。そして、終わるとすぐに、まじめな声で少年に聞いた。


「小鳥に、さよならできるアルか?」
「もちろんだよ」


少年はそう言って、おんなのこを抱いて外へ出た。
どんより曇った夜空のはるかむこうから、三つの衛星がおぼろげな光を灯している。
ふたりは路地裏にしばらくたたずんでいた。
おんなのこは小さな手で、くすむ宙にむかって何度もバイバイをした。








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01/20 16:56
[銀魂]




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-エムブロ-