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BUMP OF CHICKEN 結成20周年 Special Live 「20」

(久しぶりのライブレポート。これは忘れたくない一日)
(MCは私の記憶を辿ったものなので言い回しの正確性は70%くらい)

20年前の2月11日、彼らはDANNYを届けた。
彼ら目当てのお客さんなんてほぼいなかったろう。
でも高校生の彼らは楽しくて堪らなかったろう。

私がBUMPと出会ったのはいつか。
それをもう明確には思い出せない。
きっとおそらく多分、ラジオで聴いた天体観測だ。

母にねだってTSUTAYAで「jupiter」を借りたこと、
生まれて初めてお小遣いで買ったCDは「涙のふるさと」だったこと、
歌詞画像や彼らの画像を集めていたこと、授業ノートの端に歌詞を書いていこと、
友達が机に彼らの歌を基にした絵を描いていたこと、
ネット配信のPONTSUKA!!を毎週聴いていたこと、
アルバム全曲解説が載った雑誌を読み漁っていたこと、
彼らの歴史をうんと調べたこと、辛い時はギルドを聴いて泣いていたこと、
生まれて初めて夏フェスへ行ったこと。

全部全部、大事な私の10代の思い出だということ。

小学生にしてうろ覚えの歌詞のビートルズや大瀧詠一、シンディ・ローパー、
ビリー・ジョエル、YMOを口ずさんでいた私。私のルーツは全て父の影響。
そんな私だったから、BUMPと出会わなくても24歳でフジロックデビューをするような
そんな人生を歩んでいたかもしれないけれど、そうではなかったかもしれない。
少なくとも邦楽ロックを聴くようになったのは彼らが全ての始まりである。


■B.O.C 結成20周年 Special Live 「20」セットリスト

1. 天体観測
2. R.I.P
3. バトルクライ
4. ランプ
5. 車輪の唄
6. ひとりごと
7. ナイフ
8. Butterfly
9. ロストマン
10. ベル
11. 66号線
12. K
13. ダイヤモンド
14. ray
15. ガラスのブルース

Encole1:
16. Hello world
17. BOCのテーマ

Encole2:
18. DANNY


B.O.C 結成20周年 Special Live 「20」ライブレポート
そわそわしながら、最後方Cブロックの前方に居た。
オープニングのSE、久しぶりのThe Whoがかかった瞬間から私の涙のライブはスタートした。

1曲目は天体観測だって分かっていた。絶対に来ると思っていた。
藤くんの"オーイェーエーアハー"からスタート。 1曲目から号泣しながら観た。
ここに居られる運に心から感謝した。

BUMPのCメロが大好きなんやけれども
(時空かくれんぼとかメーデーとかロストマンとかプレゼントとか)、 続くR.I.P.もそういう曲のひとつ。
間奏もばっちり決まり、 ああ、なんて演奏が上手くなったのだろうと思った。

バトルクライの後、チャマが20周年記念日が2/11である意味を説明。
「1996年の2/11、僕らはステージに立ちました」と、
20年前にバンドの関東大会で受賞した賞状を披露。
ちゃんと思い出を物で残すって忘れがちだけれど大事だな、と。

チャマの「20年、1人も欠けることなく4人でやってこられて良かった」 で、
簡単に泣く私(これ以降もほとんど泣いているw)

「昨日の夜、今日何を話そうかって考えてたけれど、
『これまで支えてきてくれてありがとうな!』なんてベタだしなぁ」 と言葉を探す藤くん。
何もいらないさ歌ってくれるだけで十分なのさ、と思った。

LAMPのあと(いつかトーチと連続で聴きたい)、前向きな別れの曲、車輪の唄を披露。
中学の音楽の授業で歌ったのを思い浮かべていた。
"約束だよ いつの日か また会おう"

BUMPが解散等になったら今日の比じゃないくらい泣くんだろう。
活動を休んでいるバンドや終えたバンドの、音楽がいつまでも残っていたとしても
どんなファンも心のどこかで、いつか、って思っている。ハイスタみたいな奇跡を待っている。

「随分古いのから、最近?……ちょっと古いものまでお送りしています」と楽し気な藤くん。
よくあるシングルメドレーみたいなセットリストじゃないとこの辺りから薄々感じ始めていた。
これはぶち込まれるぞ、と。

続いて、ひとりごと。 きっと、ファンが夜にひとりで聴くことが多いであろう曲。
すきな曲だと公言はされづらい曲だろうけれど、 多くの人がひとりぼっちの夜に自分と向き合って聴いてきた曲。
こんな曲をぶち込んでくるなよ、くっそう、って思いながら聴いた。沁みた。泣いた。
"みんなよく思われたいだけ 自分自身を売り込むだけ
優しくなんかない そうなりたい  僕が一番ひどい"

すすり泣きが聴こえてきそうな余韻の次に始まったのは、
ヒロのギターリフからのナイフ。ああ、もう最高だわって中盤にして思っていた。
咳はなかったけれど(笑)、脳内再生していた。英詞の掛け合いは見事だった。

藤くん「ナイフは本当に最近やっていない。いつぶり?」
ヒロ 「6年ぶりくらいかな……」
藤くん「嘘だろww 30歳になってからそのリフ弾いたの?ww」
ヒロ 「弾いてないww 10年くらい?」
藤くん「こいつに聞いたのは間違いだったw」

には笑ったww
ヒロは確かにこんな風には弾けなかったかもなぁww
今日は弾けていたよ。上手だったよ。(母親のキモチ)

最新アルバムが前日に発売されたばかりということで藤くんがアルバムの話題を。
「みんなアルバムからやると思って聴いてくれてたんでしょ?  
むしろ徹夜する勢いだったでしょ?オオーオオッオー(孤独の合唱)とか練習してたんでしょ?  
でもね、今日はあんまりやらないの。」
見透かされているwww 悔しいwww 基央!!!貴様はドSか!!!

「アルバムから、Butterfly」

予想通りレーザーずばばばばっていう感じでした。
ブンブンやサカナクションですっかり見慣れた私は照明に対する感動は周りより小さく、
BUMPがこの世界に足を踏み入れたことの方に感動していた。
それとこういう音楽で上手に踊れるようになったことをサカナに感謝していた。
"涙は君に羽根をもらって キラキラ喜んで 飛んだ踊った"
Cブロックで誰よりも飛んで踊ったのは私だ。

次は、ロストマンだった。
ロストマン以降、どれだけの曲が発表されても、私が一番大好きな曲は不動だった。
この曲が聴けるのだとしたら、今日のはずだと信じて、チケットを探していたのだった。
イントロからタオルでぬぐってもぬぐっても涙が止まらなくて、
ちゃんと聴かなきゃって思ったのに涙が止まらなくて。
ここで死んでもいいって思えるくらいだった。
Cメロからの"ロストマン"を歌えた。夢のようだった。

"ここが出発点 踏み出す足は いつだって初めの一歩"

「昔の曲をやりながら、ああこの曲は一晩で出来たな、とか
ああこれは9か月もかかったなぁとか、考えていた」と藤くん。
ロストマンは難産だったものね。 帝王切開をせず、随分粘ったお陰で素敵なお子さんに育ってますよ。

藤くん「今までライブでやったことのない曲があったんですよ」
客「バイバイサンキュー!」
藤くん「バイバイサンキュー?それは何回かやってる」

藤くんがひとりでアコギを一小節ほど弾きイントロクイズ。
ん、もしや?っとなった。きっとざっと5千人近くが、ん?となった。
ニヤけている36歳のボーカリストはひどく楽しそうだった。

始まったのはベル。そして畳みかけるように次の曲は66号線。
2曲ともひとりごとと同じく、皆がひとりぼっちで聴く曲だ。
狙っている。奴らは分かっている。三丁目の夕日とかドラえもんとか
寄生獣のタイアップ曲なんかより、ファンがすきだと思う曲を分かっている。
だから今回のセットリストにそういう曲がうんと少ないのだ。
シングルはタイアップ曲ばかりになりこれがこのバンドの定めと思いながら、
それでもアルバム曲を大事に聴いてきた。そんなファンの気持ちを知っているのだ。

66号線を聴きながら、色んな音楽を聴くようになりBUMPから少し離れていた私が、
アルバム「COSMONAUT」に入ったこの曲を聴いて、ひとり、部屋で泣いた夜を思い出していた。
"僕を無くしてもあなたでいられる それでも離れずいてくれますか"

続いては、K。
物語性のある歌詞が最近は減ってしまったけれど、昔の歌詞も青くってすきだな。
ラスト、楽器よりも長く伸ばした藤くんの声が幕張メッセに反響して、
声が飛んでいく姿が見えたようだった。美しかった。

次のダイヤモンドは私の好きな曲BEST3に入る曲。やるのは分かっていた。
(BEST3はロストマン、メロディーフラッグ、ダイヤモンド)
涙は少し落ち着いていて、歌詞を咀嚼しながら聴いていた。
私がいつか旅に出る時は、迷わずこの唄をリュックに詰めるのだ。

「あと2曲です」

からの、rayとガラスのブルース。
rayで初音ミクとコラボっていってぶったまげたけれど、
なんかもう今は馴染んだな。良い曲だなぁと素直に思える。

ガラスのブルースで終わるっていうのも、潔くっていい。
"空を見上げて ガラスのブルースを"で何度も幕張メッセの無機質な天井に手を伸ばした。
手書きの歌詞カードを端から端まで読んでいた時のことを思い出した。

BUMPの曲は、そっくりそのまま私の10代の思い出なのだ。

……

アンコールを求めて客のSupernovaのサビの合唱が始まる。
誰かが企画したBUMPへのサプライズだったのかもしれない。
そういうのってすきじゃないけれど、ここにいる皆がみんなBUMPを好きなんだなって思ったら
何故だか涙が出てきて、とっても素敵なことだなって思って、一緒に歌っていた。

何も言葉を発せずステージに再び出てきた彼らのアンコール1曲目は、Hello, world!
20周年を迎えて、何十曲も世に放ってきて、それでもまだこんなタイトルをつける。
プログラムを勉強したことがある人なら誰もがその最初の日に打ち込んだことがあるであろう、
Hello, world!というテキストを。まだまだここからいくぞという気持ちと前向きに受け取っている。

「カセットくらいでしか音源になっていない曲をやります。」

この言葉で既に、きたああああああああうっしゃあああああああ!!ってなって
飛び跳ねていた私を隣の若いファンが白い目で見ていた。

「この曲で盛り上がった試しがないww
それでもこの曲をやることに意味があると思って。BOCのテーマ。」

"へなちょこバンドのライブに行こう"
"僕らは君をベッドから引きずり出して 手を繋ぐため
魔法をかけた へなちょこの4人組"

実力的にも売り上げ的にも
へなちょこなんて言わなくてもいい4人組になったのに、この歌を唄う勇気に拍手。
でも今でも、時折、へなちょこバンドにも見えたりして、それが人間らしい。
誰でもへなちょこな時ってあるもの。

……

「やっぱり締まらなかったなぁwww」
と笑いながらダブルアンコールで出てきたへなちょこの4人組。

秀ちゃんがマイクを通さず「ありがとーーーーー!!!!」と叫んで、
この人は言葉数は少ないのにきっちり心を掴んでいくなぁと、
いい役回りだなぁと思った。

「今日は演出も何も無かったけれど」とチャマ。
テープや紙吹雪は、それはあれば演出的に驚きもあるけれど、
そんなもんなくったって、こんなに人の心を動かせるライブが出来るんだから。
シンプルなライブで素敵なセットリストだったから余計に忘れられないライブになったよ。

最後に披露してくれたのは、20年前に初めてステージで演奏したDANNY。
夢みたいな時間はあっという間に過ぎ去って、遂にこれが最後の曲だって分かったから、
1日の疲れを忘れて、翌日以降の筋肉痛なんて忘れて、思う存分ジャンプして歌った。

……

メンバー3人がステージから去った後、藤くんがマイクの前に立つ。

「(後ろに掲げられたマークを指して、)この看板は20周年になりました」

「僕らは音楽に生かされている」

「新しいことをして、ピコパ(噛んだw)…ピコピコした音の入った曲に、
らしくないとか昔と違うとかって思うかもしれないけれど、
俺達が生まれてきた音楽の足を引っ張りたくないんだ」

「テレビに出てるのを見て、
うわぁ…あからさまに緊張してるわ…あいつ…って心配になるかもしれないけれど、
それは全部こんなバンドだからなんだ。応援して欲しいんだ。」

「この曲達は全部、みんなに会うために生まれてきたんだよ」

うんうんと頷きながら、流れる涙を拭くことも忘れて聞いていた。
話すことをきっと決められなくて、話したいことは沢山あって、
直接的に言いたいことも沢山あって、それでも言えないこともある。


■最後に

昔の方がいいとか、初期のアルバムが…とかってどのバンドも言われがち。
私もBUMPはjupiterを一番聴いているし、アジカンはワールドだし、テナーはLINEARだ。
ただその理由は、自分が10代の時に丁度リリースのタイミングが合ったからこそ、
それを一番聴く時間があったから。お金もないから、ただただ何回も聴くしか出来なかったから。
大人になっていくにつれて、自分がすべきことが増えて、時間がなくなって、お金だけ増えて、
だからCDを買っても昔の様には聴きこめなくなって。聴かずに棚に長く仕舞われることも増えた。
観ていない特典のDVDなんて山ほどある。

そんな聴けなくなった自分を棚に上げて、それをバンドのせいにして、
昔の方が良いとか、最近の曲は好きじゃないとかって、私も言ってしまう。
そんな声を2chからの流れで今はSNSで簡単に見られるようになってしまって、
レムみたいな曲が生まれてしまうのは悲しいことだ。

何かを愛していた自分を、愛していたものを、
切り捨てるような大人になってはいけないって思った。

今回のライブは昨年からのTV露出を観てライブに行きたいと思った10代には
伝わりにくいライブだったかもしれない。知らない曲ばかりだったと言われるのかもしれない。
ただ、長く聴いてきたファンにはとっても有り難いセットリストだった。文句の付けようがなかった。
ファン思いの選曲だったと私は思う。

素敵なセットリストだったから、夜ベッドでYou were hereを聴いて
夢のような数時間を思い出して、声を出して泣いてしまった。
行けて本当に本当に良かった。
必死にチケットを探して本当に本当に良かった。
譲ってくれる優しい人がいて本当に本当に良かった。

ロストマンが聴けて本当に本当に嬉しかった。

BUMP OF CHICKENと出会えて、本当に本当に良かった。
最高の夜だった。20周年おめでとう。これからもよろしく。



BUMP OF CHICKEN「You were here」 https://youtu.be/56GHcXHpHJQ

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