雑記帳


2011年9月7日(Wed) 23時59分

キスの格言SS No.6



▼+10綱雲


「ヒバリさーん」

昼下がりの雲雀の自室で寛ぐ来訪者の間延びした声が響いた。

「ヒーバーリーさーん」

しかしそれに答えるのは書類をめくる音のみだが。

「きょーうちゃ…」

「五月蝿い」

綱吉が避けた畳にミシッとトンファーが減り込む。だが相手の目線は書類から離れない。

「応答がないので聞こえてないかと思いました」

「…………」

「えー、また無視ですか。構ってくれないと死んじゃいます」

すると雲雀はわざとらしく溜め息をして、不機嫌そうな表情でようやく振り返る。

「そんなに構って欲しいなら赤ん坊と仕事しなよ」

先程も右腕が捜索に来てこちらも迷惑だ、と一言を告げた。

やればできるくせにサボって人の自室で寛ぐボスに手を焼いている家庭教師の姿を思い浮かべた。
しかも毎度毎度ここにいるのだから厄介事は必然的に自分に回ってくる。

「仕事つまらないですもん。ヒバリさんといた方が楽しいし」

「迷惑って言葉知ってる?」

「もちろんですよ、恭ちゃん」

無邪気とも言える笑顔を向けられて、雲雀はかなり苛立ったのか柳眉のシワを深くした。
綱吉は適当に流しながら、相手を引き寄せ膝の上に乗せる。

「相変わらず軽いですねー。ちゃんと食べてます?」

「五月蝿い」

なんだかんだ言いつつ座りやすいように体を動かす雲雀に対して僅かに笑みを零した。

「ホントに細い体。貧血で倒れますよ」

腰を掴むが必要な物すらないのではと心配になる体である。
すると綱吉は後ろから雲雀の腕に甘噛み程度に食い付いた。

「ちょっと、何して…」

そのまま口づけ、赤い印を残して満足そうに口角を上げる。

「美味しそうだったから、つい」

「離せ」

「嫌です」

間髪を入れない返答と共に視界が反転した。楽しそうに笑う綱吉が今度は相手の首筋に口づける。

押し倒される形となった雲雀は、こうなった獣は止められない事を知っていた。

また仕事が増えそうだ、と頭の隅に浮かんだ考えは水泡のように消えていく。


 腕と首なら欲情
 (噛み付くように雄々しく)


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どれだけ月日が流れてもこの二人は私の中で鉄板。
何気にこのCPから腐り始めたな。


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