話題:今日見た夢
やけに日常描写メインなのに、複雑な感じがした。戦闘パートは…なかった。


ある日の御堂。御堂は鼎がどこかへ行ってしまいそうな夢を見て→寝起きに涙が出た。あれ?なんで俺泣いてるんだろ…って感じで。

この日の御堂は休み。擬態型の目的が東京支配説らしいのが不気味だが、今のところはまあまあ抑えられてはいる。
鼎も今日は休みなんだっけ…。鼎と会うか。…って、これデートじゃんよ…。


某所で鼎と待ち合わせ。鼎は先に待っていた。御堂は少し遅れて到着。

「言い出しっぺが遅刻とは…」
「鼎、つめてぇよな〜。少しくらい許してくれよ」
「許すに決まってるだろ、和希。…で、これからどこへ行くんだ?」

行き先なんて決めてなかった。
「お前が行きたい場所に行くよ」
「和希、そういえばお前ん家に行ったことないな」


俺ん家!?ま、待て!部屋散らかってるぞ!確かに鼎の家(ゼルフェノア寮)には何回か行ってるが、鼎は俺のアパートに来たことがない。

「じゃあ…来るか?散らかってるけど」
「構わないぞ」

そこは気にしないんだー…。鼎は仮面姿故に表情が一切わからない。声の抑揚やトーン、仕草や身振り手振りでなんとなく察しなければならないから難しい。


某アパート。御堂は鼎を約10分待たせてから部屋に上げた。

「わりぃ、急ごしらえで。上がっていいよ」
「お邪魔するぞ」
鼎の口調は相変わらず冷淡。これでもいつもよりは優しい。完全に気を許してるってことか?

「どうした?和希」
鼎は椅子に座る。
「なんでもねぇよ。なにか飲み物でも飲むか?食事用マスク、持ってきてんだろ」
「あぁ」

御堂は話ながら冷蔵庫を開ける。こんな時に限って冷蔵庫はスカスカ。徒歩3分のところにコンビニがある。買いに行くしかないかな…。せっかく鼎が来てんのに申し訳ない。

「鼎、冷蔵庫スカスカだったからちょっとコンビニ行ってくるわ。すぐそこにあるんだよ。待っててくれ。スイーツ好きだろ?ついでに何か買ってくるからさ」
「ありがとう」

御堂は慌てて近くのコンビニに。御堂は複雑だった。なんか今日の鼎、いつもと違う気がするんだよなー。気のせいか?何もなければいいのだが。


留守番している鼎は御堂の部屋を見渡した。殺風景だが御堂の部屋にはたまに妹の柚希が来るため、そこそこ綺麗。
御堂のアパートもゼルフェノア寮同様、ワンルームではない2LDK。ゼルフェノア隊員は常に命懸けなんで待遇がいいってのもあるが…。


鼎は鼎で悩んでいたが、御堂にはまだ言えずにいた。


そろそろ人前で仮面を外すべきなのか…。

今の医療技術なら顔の大火傷の跡は手術で消すことは出来る。だが、仮面生活が長い鼎からしたら人前で素顔になるにはハードルが遥かに高い。
人前で常に履いている黒手袋は外すことは出来るかもしれないが…。

鼎は黒手袋に手をかけたが、躊躇い→止めた。出来ない…。


やがて御堂が帰ってきた。


「鼎、待たせたな。一緒に食おう。…どうしたんだ?ずっとうつむいているけど…」
「…なんでもない…。なんでもない…から…」

なんでもないようには見えない。鼎も不器用だから。


御堂も悩んでいたが、こちらもなかなか人に言えずにいた。

鼎の幸せってなんだろう…。鼎はなかなか本心を見せてくれない。仮面で隠れているのもあるが、親しい人でも打ち明けられる人はごくわずか。


「和希…何ぼーっとしてるんだ?食べるのだろう?」

鼎はいつの間にか食事用マスクに変えていた。コンビニスイーツを見て食べたくなったらしい。
「あ、あぁ…。食べような」

なんだかぎこちない。なんなんだ、この空気…。
鼎は器用に食事用マスクの開口部に食べ物を入れている。最初の頃はぼろぼろこぼしていたのが懐かしい。

食べカスがマスクの口の周りに付くのは仕方ないと鼎は割りきってる。
仮面はどっちにせよ変えるので、その時に食事用マスクの開口部の周りを丁寧に拭き→専用ケースにしまうのが通例。

「口の周りについてるぞ」
「言われなくてもわかってる。仕方ないことだろ」

慣れっこなのか…。


しばらくしてぎこちない御堂ん家のおうちデートは終わった。
御堂は鼎を途中まで送った後、部屋に閉じ籠る。ものすごくモヤモヤする…!


翌日。御堂は彩音に相談していた。

「御堂さんが私に相談なんて珍しいね、何かあったの?」
「鼎の本心がわからない。あいつの幸せってなんだろうなーって考えてたらずっと悩んでいたんだよ…」
「末期かなぁ…?」
「末期って!?俺そんなに深刻!?」

御堂は慌てふためく。慌てる御堂自体が珍しい。


「私もね、鼎に相談されたの。『人前で仮面を外すべきかでかなり悩んでる』って。本当は堂々と素顔になりたいだろうけど、事情が事情だから難しいんじゃないかって言うしかなかった…」

「昨日、鼎と会ったんだ。あいつ…何か様子がおかしいように見えた。ずっとうつむいててさ…。あの手袋を外そうとしたのかわからないけど、無理だったみたいで」
「無理は良くないよ。鼎が壊れちゃう。ああ見えて鼎が繊細なの、わかって言ってるよね?じゃないと鼎の彼氏なんて、パートナーなんて…無理だよ。鼎とのコミュニケーションは難しいからね。室長も口酸っぱく言ってるでしょ?顔が見えないぶん、本当に難しいのよ。私も最初の頃は苦戦したんだよ」


彩音が鼎相手に苦戦した話、初めて聞いた。彩音曰く、例の13年前の事件後・9年前に鼎と彩音は出会った話は聞いている。彩音が怪人被害者支援組織『ノア』にいた頃。


実はあの裏側で彩音は鼎に苦戦し、なかなか心を開かない鼎に心が折れそうになったこともあったらしい。

「あの時の鼎はまだ自分に起きたことを受け入れられなくて、自暴自棄になっていたからさ…。仮面姿の自分が嫌で嫌で鏡を拒否していたんだよ!?ただただ当時の私は彼女の話を聞いてあげることしか出来なかった。でもさ、少しずつ心を開いていって事件以降ずっと引きこもっていた鼎はようやく外出出来た時は…嬉しかった」
「そんな裏側あったんかい…」
「そのうち鼎も御堂さんに本心見せると思うよ。何気に手を繋ぐことやハグしていること多いみたいだけど、あれは鼎なりの愛情の表現かもしれないよ?顔が見えないぶん、そっちでカバーしてるのかも。鼎は不器用だから」

「彩音…相談ってか、話聞いてくれてありがとな。少しはモヤモヤ晴れたわ」
「良かった。じゃあ私は後方支援班に戻るね。…あ、二階堂さん本部に来てるよ」


二階堂が本部に?あいつが本部に来るということは、擬態型関連で何かあったのか?二階堂は戦力としては大きいし。


本部・司令室。宇崎は二階堂と話してる。

「二階堂、急に呼び寄せてすまんな。擬態型の勢力が急激に伸びてるからお前の力が必要なんだよ。擬態型の東京支配説は聞いただろ?」
「わかっています」
「西澤から聞いたけど、義手を改造したのか?」

二階堂は義手を少しいじる。
「はい。蔦沼長官の義手を元にアップデートしました。義足も両脚共に装備実装しています」
「ますますサイボーグ化してる…。全身武器人間かよ…」
宇崎は「えぇ…」という反応。

「どんどん人間離れしてますが…。必要なのでやったまでです。状況によってはこれ、救助にも使えますから」
「お前、スペック急激に上がりすぎだろ…。時任ばりに戦闘力が上がってやがるぞ…」



なんだか全体的にモヤ〜っとした展開というか…。
彩音が鼎に初めて会った頃の裏側、実は相当大変だったようで…。彩音が御堂に言うのも珍しい。

御堂が彩音に相談?するのも珍しいが。鼎と彩音は親友同士なので本心をぶちまけられる相手だが。


鼎さんの葛藤が垣間見えたが、なんだかキツいし辛いし複雑だし…。本当は素顔になりたいのだが、長い仮面生活の弊害で人前で仮面が外せないジレンマ…。

火傷の跡を隠す黒手袋を外そうとしたけど、やっぱり無理だったあたりがリアルすぎてなぁ…。
なんでそこだけ生々しいんだ!?って描写、多すぎ…。