話題:今日見た夢
アウトプットのせいなのか、やたらとリアルなもんを見た。ほとんど一般市民目線。
擬態型怪人がじわじわと勢力を伸ばしている。怪人の脅威は一般市民にも浸透していたが、鼎の同級生の真中はまだその恐怖を知らなかった。
メディアでは連日のように怪人やゼルフェノアのニュースが伝えられているが、いまいち馴染みがない。対怪人組織のゼルフェノア隊員が市民の憧れになっているようだが…。
真中はその日、仕事帰りだった。いつも通りの日常。真中は転職しようか迷っている。目的の駅に到着し、下車。あぁ、お腹空いたな…何食べよう。
それはいきなり起きた。駅周辺で怪人が出現。夕方のラッシュを狙ったかのようなタイミング。怪人は擬態型6体。人々は逃げ惑う。駅周辺はパニックになった。
本部・司令室。
「唐突すぎんだろ!駅周辺に怪人6体!?最近東京に怪人頻発しすぎだろ…。空いてる隊員は…」
宇崎は隊員リストを見た。同時間帯、他でも怪人が出現したために出動し空きの隊員が少ない。
「鼎、今すぐ現場の駅周辺まで行ってくれ!すぐ応援出すから」
「了解した」
後方支援班は戦闘隊員で構成されているため、鼎や彩音達が出動することも時々ある。
某駅周辺。真中は怪人の恐怖に晒されてしまう。恐怖で体が動かない。逃げたいのに、腰が抜けてしまって動けない…!
怪人はジリジリと真中を狙っている。真中は涙目になっていた。誰か来て!
鼎は猛ダッシュで怪人6体にまずは銃で牽制。鼎は動けなくなった真中を横目に見た。
「咲!早く逃げろ!!ここは危ない」
「鼎…腰が抜けて動けないよ…。どうしよう…」
真中は恐怖に怯えている。鼎は戦いながら真中に伝えた。
「咲、そこから一歩も動くなよ。私は常に近くにいるし、直に応援も来る。下手に動くなよ、怪我じゃすまなくなる!死ぬぞ!」
鼎は日本刀型ブレードを抜き、怪人と攻防を繰り返してるが6体だと分が悪い。1vs6…圧倒的不利だ。
真中は涙目になりながらも鼎の戦闘を見た。果敢に怪人と戦う姿は勇ましい。
「鼎…負けないでよ」
それから約2分後。背後のビルから強力な光の矢が複数怪人目掛けて飛んできた。鼎に通信が入る。
「紀柳院、牽制は俺がやる。時任も応援に来たぞ」
「狭山!時任!」
鼎の声が明るくなった。これで3vs6。雑魚相手ではなく全て擬態型というのがたち悪いが。時任はニッと笑うと早速得意の絃で攻撃。
「鼎さん、お待たせしまってすんません!」
「早いとこ片付けるぞ」
時任は鼎の近くにいた動けなくなった真中を見た。
「逃げ遅れてる人いるよ…?」
「そいつは友人の咲だ。恐怖で腰が抜けて動けないと言ってたから『あえて』その場から動くなと伝えてある」
「だから鼎さんずっとその場所で戦ってるんだ…」
「市民を怪我させるわけにはいかないだろ!」
鼎が珍しく激昂している。さらに約3分後、激しい銃声と共に御堂が応援に来た。
「鼎!来たぞ!」
御堂は二丁拳銃でいきなりやってきた。片方の銃は対怪人用のマグナムブラスト・もう片方の銃は愛用のカスタム銃という組み合わせ。
これで4vs6。全て擬態型なせいか、雑魚相手とは要領が違いすぎる。
真中は目の前で繰り広げられる激戦に目を覆いたくなった。これがゼルフェノア…。
「鼎さん!ここは私がいきまっす。近接戦ならこれで十分っす」
時任は腰から三節棍を抜いた。絃と三節棍の戦闘スタイルとまぁ独特。
時任は口調は独特だが実力は上がっていた。緊張感ゼロなのは性格か?
御堂は銃をメインに攻撃、時々肉弾戦・狭山は弓矢で牽制している。近接戦は鼎と時任がやっている感じ。鼎はブレードと容赦ない蹴りで怪人を叩きつける。
真中は驚いていた。なんか鼎の蹴りがすごい…。重さのある蹴りというか、怪人にめっちゃ効いてる…。
「時任、気を緩ませるな」
「鼎さん、ブレードの攻撃力って上げれるの?」
「上げれるぞ」
鼎はブレードを発動させる。刀身が赤く光った。攻撃力アップモードになると刀身に小さく文字が浮かび上がるようになっている。
刀が赤く光った…!?真中は目の前で戦う鼎を凝視していた。
鼎は立て続けに怪人2体を同時撃破。時任も怪人を1体撃破している。
「残り3体!」
「了解っす!」
御堂と狭山は鼎と時任から少し離れた場所でその3体と交戦。狭山は武器を弓モードからブレードモードに。狭山は弓型の武器から緑色に光る刃を展開。怪人に次々と斬り込む。
「狭山の弓、便利だな」
「そっちだって銃で殴っているだろうよ」
狭山の指摘通り、御堂はよく銃で殴る。肉弾戦の1つとして武器の使い方を変えることに関しては御堂が強い。
そうこうしてる間に怪人1体撃破。残り2体。
鼎はブレードの攻撃力をさらに上げ、再びダッシュして斬り込む。
攻撃力がさらに上がったせいか怪人1体撃破。残り1体となった。
御堂は鼎を見た。消耗している。
「鼎、それ以上戦うな!消耗激しいだろ!お前は真中を守れ!」
「和希…わかったよ」
鼎はブレードを鞘に収めた。真中は心配そうに鼎を見る。鼎は息切れしていた。
「鼎…大丈夫?」
「なんとかな…。まだ終わってはいない…。咲、まだその場から動くなよ」
「う、うん…」
その頃、御堂は最後の1体にとどめを刺していた。
「おりゃあああああ!!」
御堂は久しぶりにマグナムブラストの隠しモード(必殺技)を使用。擬態型6体は倒された。
しばらくして。駅周辺は落ち着きを取り戻した。
鼎は腰が抜けて動けない真中の手を取る。
「咲、終わったぞ。立てるか?」
真中はなんとか立てた。鼎は力強く手を握っていた。
「鼎ぇ〜、怖かったよぉ〜」
真中はわんわん泣いている。
「私達がいるから心配するな。何のためのゼルフェノアだよ」
言い方は冷淡だが、鼎は心配してくれてる…。
鼎達4人は本部へと戻っていった。
真中は鼎の手の感触を感じていた。火傷の跡を隠すための無機質な黒手袋なのに、ぬくもりを感じた…。
あの仮面姿で戦う鼎はすごいよ。視界が狭いはずなのにさ…。
間近で見たら激しい戦いをしてるんだね…。それも毎回。
芹沢のカフェバー。真中は同窓会以降、いつの間にか週2回くらいは来るようになっていた。
「咲、いらっしゃい。何かあったのかな」
真中はカウンター席に座る。
「藤っち、私…鼎が戦ってる姿見た。帰りに巻き込まれちゃってさ…。怖くて動けなかった…」
『藤っち』とは芹沢夫婦の旦那の方。鼎の同級生なのは藤っちこと、藤貴。
「鼎…かっこよかったな…。ものすごく堂々としていて…」
「ゼルフェノアは毎回命懸けだからね」
「藤っち…いつものやつ」
「あー、はいはい」
真中がいた時間帯、カフェバーは貸切状態。
真中は淡々とお酒を飲みながら藤貴と話してる。
「もしかしてこのお店、ゼルフェノア隊員来るの?」
「…?たまに来るよ。それで話を聞いたんだ」
「ふーん」
そういえばあの時いた弓矢で戦ってた人、かっこよかったな…。なんて名前なんだろう。
「私…転職しようかな」
「悩んでいたのか?」
「うん…ちょっとね。色々とあってさ…。鼎達隊員が戦ってる姿見てたらなんか自分ちっさいなーって」
「ゼルフェノアは万能なヒーローじゃないぞ。あいつらだって人間だ。現にここに来る常連の隊員なんか、ここが駆け込み寺みたいになってるし。お前が見たのはほんの一部にしか過ぎないよ」
ほんの一部があれ…?
数日後。本部・司令室。宇崎と解析班は擬態型の目的をずっと探っていたのだが、ついに判明。
「朝倉、お前ら解析班の見解は?」
「司令、擬態型は東京に『しか』出現してませんね。目的は『東京』としか考えられないですよ」
「俺もそう思う。知能の高い擬態型は東京に出現していない。三千院家のある村なんかは擬態型と共存してることがわかったんだよ。。現に子孫を残しているからな」
「神…調べてたのか」
「東京が目的だとしたら、あの擬態型は一体何がしたいんだ…?三千院家と繋がりのある擬態型とは別な種であることは明白だが」
「私達は調査続行します」
「朝倉達、頼んだぞ。…やっぱり擬態型には組織みたいなものはないのかね」
「ないですね。自然発生的に出てきたように感じるんですよ」
一般市民目線ってなかなかないのだが…。一般市民目線だとめちゃめちゃ怖いな、これ。
真中目線だと、戦う鼎の姿がめっちゃかっこよく見えたという…。
鼎さんは言い方が冷淡だけど、心配してくれてるこのギャップよな…。一見仮面姿で冷たそうだが、実はそうじゃないというね。
戦闘パート、時任の成長っぷりがヤバい。大暴れーって感じで。三節棍で怪人をボコボコにしてる画が浮かぶ…。
戦闘パートはアクション映画のようなカメラワークでした。臨場感満載。
ドローンで撮影したようなアングルも出てきたな。
御堂はいきなり二丁拳銃で攻撃するわ・銃でぶん殴るわ、鼎も鼎でブレード攻撃力アップモードを使うわ・得意の蹴りも使うわで。狭山も弓型の武器を弓モードとブレードモードで暴れとる…。
狭山の弓型武器は御堂曰く、便利に見えるらしい。遠近兼ねてるからか?
そんな御堂は白い銃ことマグナムブラスト(対怪人用)と愛用のカスタム銃(not対怪人用)使ってる時点で、イレギュラーだがな…。近接戦はサバイバルナイフと肉弾戦ですし…。