話題:今日見た夢
昨夜見た天気の子の影響をもろに受けたのですが。唐突に雨と花火大会のシーンが入っていたのですよ。


鼎の高校のクラスの同窓会当日。今回は「都筑悠真の遅れた卒業式」という名目なので集まった人数は少数。10人もいない、こぢんまりとした感じ。
鼎の高校時代の友人の真中と当時の担任の東條が、この鼎のための同窓会を計画。だから必然的に来た人=当時の悠真と深く関わりがあった人だけになる。


「雨だなー…」御堂がめんどくさそうに傘差しながら鼎と一緒にいる。鼎は御堂の隣にいる。彩音も一緒。
この同窓会はラフなスタイルでやるため、同窓生の知人友人もウェルカムにしている。場所もカフェバー貸し切り。


その会場のカフェバーは鼎の同級生が経営してる店。だからラフな同窓会が実現出来たという。真中がどや顔で言ってたな。
「芹沢がカフェバーやってるから会場はそこだよ」と。芹沢…あいつ店経営してるんだ。


雨はしとしと降っていた。鼎は緊張してるのか、御堂と手を繋ぐ。鼎の黒手袋越しに緊張感が伝わってきた。体の火傷の跡はだいぶ目立たなくなったが…抵抗あるんだよな…鼎は。

「鼎…緊張してんのか?」
「咲と東條先生が遅れた卒業式をやるから出席すると返事をしたが…不安なんだ…。私が生存して名前を変えて生きてること、ゼルフェノア隊員として活動していることとかな…」
「鼎、大丈夫だよ。私達がフォローするから安心しなよ」
彩音は優しく声を掛ける。

「だから鼎は俺達2人に来て欲しいと声を掛けたんだよな。フォローする」
「うん…」
雨のせいか、鼎の背中が寂しげに見える。そりゃ不安にもなるよな…当人は。事件の全身火傷で仮面姿の自分を受け入れてくれるのか…不安で仕方ないんだ。


やがて会場のカフェバーに到着。お洒落で広いお店だ。早速友人の真中が出迎えてくれた。


「おっ、悠真…じゃなかった。鼎達お三方来たね。先生来ましたよ〜」
東條も鼎に顔を見せる。
「よく来たな」
鼎は東條の顔を見たとたんにホッとした。真中と東條主催なせいか、こぢんまりとしている。同窓会というか、女子率が高いので女子会みたいな雰囲気。

男子は鼎の付き添いで来た御堂・担任だった東條・カフェバーの店主芹沢と出席者の同級生が1人だけ。少ない。芹沢は夫婦でカフェバーを経営。


「今日はお店貸し切りだから好きなところに座って下さい。あ、鼎さんは真中さんの近くがいいですかね。2人の隣がいいですよね?」
芹沢は鼎に気を使ってる。
「そうしてくれるとありがたい」

「じゃあ俺達は鼎の隣にするか」
「ここなら鼎も大丈夫だよね?」
彩音が確かめるように聞く。3人が座った位置は真中と東條の側。あくまでも今回は鼎メインなのでこんな感じに。


ゆるいムードで同窓会は始まった。本当にラフなスタイル。同窓会というか、ゆるい飲み会みたい。
しばらくして、真中が鼎にぽつぽつ話し始めた。

「悠真、今日だけ悠真って呼ばせてよ」
「咲…どうしたんだ?」

「私さ、悠真が生きてたと知った時…複雑だったの。あんな悲惨な事件で1人だけ生存していたなんて…。名前を変えて生きてるなんて…!」真中は泣いてる。
「咲…」
「『紀柳院鼎』でゼルフェノア隊員として活動してると知った時、嬉しかった。あの仮面の隊員が悠真なんだ…って。ごめん…泣いちゃったよ…。顔の大火傷の跡、やっぱりまだひどいの?」
「あぁ…体の火傷の跡はだいぶ目立たなくなったが、顔は仮面なしでは外出なんて出来ない…」
「ごめん、デリケートなこと…聞いちゃったね…」
真中は涙を拭う。


しばらくして、東條は鼎にある物を渡した。それは手作りの卒業証書。

「あの事件以降、都筑…いや紀柳院は学校に来れなかったんだよな。気持ちだが受け取ってくれないか」
鼎は卒業証書を見た。仮面で表情はわからないが、明らかに様子がおかしい。

「この名前は…」
鼎の手が震えている。東條は優しく言う。
「お前は『都筑悠真』であり、『紀柳院鼎』だろ?だから連名にしたんだ。どちらもお前だからな。卒業、おめでとう」

店内に拍手が起きた。温かい拍手。鼎は泣きそうになってる。
「あーもう鼎、泣きなよ。ほら、思いっきり泣いてもいいんだよ。本当は嬉しいんでしょ?」
「彩音…うん…」
彩音は鼎の背中をさすってあげてる。鼎は泣いていた。御堂はそんな鼎を見ることしか出来なかった。真中は号泣。よく見ると芹沢夫婦まで泣いてる。


13年前の怪人による都筑家放火殺人事件は同級生にも衝撃をもたらした。まさかその娘の悠真だけが火傷を負いながらも生きてたなんて。

この同窓会に集まったメンバーは悠真が名前を変えて、ゼルフェノア隊員として生きてることをわかった上で来ていた。
鼎がそのことをそっとしてほしいと言うことから外部に漏らさないように真中と東條が徹底したほど。御堂と彩音が一緒に行ったのは、それもある。


しばらくして。真中は御堂が気になっていた。

「悠真…御堂さんって悠真の友達?彼氏?彩音さんは以前会いましたよね。高校で」
御堂はドキドキしていた。そんなどストレートに聞くか!?真中はそういう人なのだろう。鼎はさらっと言う。

「和希は私の先輩であり、付き合っているぞ」
「先輩ってことは御堂さんも隊員!?彩音さんは隊員なのは知ってたけど。付き合ってるってマジ!?」
店内が少しざわついた。鼎は淡々としている。

「元々先輩後輩だったんだ…。色々とあってね。色々と」
「か…鼎、おおっぴらに言うなよ」
「和希…顔赤いぞ。恥ずかしいのか?ピュアなやつ。現に組織公認みたいなものだろうに」

いや…確かにそうだけどよ…。鼎は意外と堂々としてるよなぁ。


本部。宇崎はどこか上の空。

「今日だっけ、鼎の同窓会〜。彩音と和希がいるからあいつら大丈夫だろうけど…」
「あれ、今日は御堂さん達いないの?」
晴斗が顔を出す。
「鼎・御堂・彩音は鼎の同窓会に行ってるよ。御堂と彩音は付き添いな」


カフェバーでは女子会ムードになっていた。そんな中、鼎はいきなり何かがフラッシュバックする。
鼎の異変に気づいたのは彩音。鼎は頭を抱えていた。どこか辛そう。

「鼎、どうしたの?」
「フラッシュバックしたんだ…。事件以前のことはほとんど忘れていたのに…。あれは…花火大会か?」

花火大会?真中は思い出した。事件以前、真中と悠真は花火大会に行っていた。それを鼎は思い出したんだ…。

「悠真、思い出したんだね…。無理しなくていいよ…。事件以前のことはほとんど封印してたなんて…嘘…だよね?」
「咲…『悠真』と呼ぶのをもう止めて欲しい…。辛いんだ…」
真中は複雑な表情を見せる。
「ごめん…本当に……ごめん」

鼎はフラッシュバックがひどいのか、過呼吸気味になっている。御堂と彩音は応急措置に出た。
「鼎、俺達がいるから大丈夫だ。…話せるか?」
鼎は首を左右に振る。彩音はバッグの中から携帯用酸素吸入器を取り出した。

「御堂さん、鼎を寝かせるから何か仕切るもの持ってきて!今すぐ仮面外さないと鼎が危ない…。酸欠起こすかも」
「ブランケットありますよ!」
芹沢夫婦の声がした。東條は芹沢からブランケットを受けとると御堂に渡す。
「私も壁になりますよ。教え子は守らねば」
「ありがとうございます!」

御堂と彩音はてきぱきと鼎の処置をしている。真中も心配するが鼎の様子がわからない…。
ちらっと隙間から鼎の顔から白い仮面が外されるのは見えたが、素顔は一切見えない。

「真中さん、鼎は大丈夫だから落ち着いて!」
御堂はパニックになりかけた真中を落ち着かせる。

「本当に…大丈夫なの?」
真中、泣きそう。
「何回もあるんだ…。あいつは…フラッシュバックが出たのは久々だが、任務中に過呼吸や酸欠はたまに起きる。仮面故の弊害なんだよ。鼎はそれをわかった上で仮面生活してるんだ」
「えっ…」
「あいつからしたら仮面は飾りじゃない、身体の一部なんだよ。今彩音が処置してる。彩音、鼎の様子は?」
「酸素吸入したらだいぶ良くなったよ。すぐに仮面外して正解だった…。東條さん、壁になってくれてありがとうございます」
「いいんだよ」

東條は一瞬見えた鼎=悠真の素顔にショックを受ける。なんてひどい火傷の跡なんだ…。
彩音はそっと仮面を鼎の顔に手慣れた様子で着ける。


少ししてから鼎は気がついた。

「私は気を失ったのか…?」
「鼎…酸欠になりかけてたの、覚えてないの…?」
彩音は優しく声を掛ける。
「フラッシュバックがひどくて覚えてない。今はだいぶ落ち着いたよ」

鼎はゆっくりと起き上がる。まだ頭がぼーっとする…。
高校時代のキラキラした記憶の中に、サブリミナル的にあの事件の光景が入ってた…。燃え盛る炎と悲鳴の記憶…。生きたまま焼かれた記憶…。


「鼎、そろそろ帰ろうか」
「鼎を落ち着かせる必要あるから俺達は先に帰ります。彼女、精神的に不安定だったみたいで」

御堂はなんとか東條達に説明。
「トラウマは簡単には消えないからね。君たちがいてくれて良かったよ」
東條は3人を見送った。


3人がいなくなった後の店内。真中はぼろぼろ泣いている。東條にすがり付いた。

「先生ぇ…。もう少し付き合ってもらっていいですかぁ…?」
「いいよ、いいよ。マスター、もうちょっといてもいいかい?」
芹沢夫婦は快諾。

「今日は貸し切りだって言ったでしょ?先生いいですよ。悠真が生きてたなんて…信じられないですよ…。まさかあんな姿になっていたなんて」
「芹沢もそう思うのか」
「まさか仮面姿になってるなんて誰も思わないじゃないですか。俺…厨房の位置的に彼女の素顔…見てしまったんです。火傷がひどくて見れたもんじゃなかった…。彼女…仮面なしでは外出出来ませんよね、あれじゃあ…」


店内はお通夜ムード。複雑な空気が流れてる。

芹沢は続ける。
「しかもゼルフェノア隊員ってのも意外すぎて。時々テレビに映っていた仮面の女隊員が悠真だなんてわからないですよ…」
芹沢の奥さんも加わる。
「でも仲間がいるのは救いよね。彼氏や親友もいるのは救いですよ」
「御堂さんはさりげなく都筑をフォローしていたよ。駒澤さんも対処が早かった。慣れてるんだろうな」
「怪人と毎回命懸けなんだよね、本当にすごいよ…」
真中は呟いた。


市民から見たらゼルフェノア隊員は憧れだが、実際はハードなので毎回命懸け。よく生きてるなと思わされる。

「鼎はあれで戦っているんですよね、仮面で視界が狭いのに」


いつの間に雨は止んでいた。御堂は空を見上げる。

「鼎、落ち着いたか?」
「あぁ…」
「手、繋ぐか?」
御堂からそう言うなんて珍しい。
「和希、珍しいな」
「そういう日もあってもいいだろ」

2人はそっと手を繋ぐ。彩音は保護者目線で見てしまっていた。鼎には幸せになって欲しい…。荊の道かもしれないけど。



雨の描写がものすごくリアルだったのは明らかに天気の子の影響だ…。真中、泣きすぎ。もう、ぐちゃぐちゃに泣いてる。
二次会に行ってそうだな…真中…。

鼎の過去が回想で出てきたが、サブリミナル的に事件のフラッシュバックはキツいよ…。
花火大会の記憶は初めて出てきたのかも。鼎は事件以前の高校時代の記憶は封印してしまってる。


真中と東條先生、卒業証書と学校要素が組み合わさってフラッシュバックしたのかなぁ…。
鼎さんと御堂の温度差が激しいですが、通常通りです。鼎は冷淡な口調なのもあるのかと…。
鼎の口調が変わったのは事件以降。


たまたま鼎の素顔をちらっと見てしまった東條先生と芹沢が…。どう反応したらいいのかわからないやつ…。