話題:今日見た夢
夢2つ見て1つはリバイスの真澄が出てきたと書きましたが、もう1つは何だろ。幕間、閑話休題的な?


ゼノク最深部を巡る戦いは収束。鼎は念のため、本当に身体が回復しているかの検査を受けた。TZUの能力によって鼎は確かに回復したが…。鼎はいつもの仮面姿。


メイン施設に隣接する病院では、時任と鶴屋・桐谷が戦闘による負傷で入院してる。彩音と空操は回復したが病み上がり。
時任は致命傷を負ったため、生死をさ迷ったがギリギリ生還。九条は時任がいる病室に来た。時任は九条を見ると笑顔を無理やり作った。

「時任、お前安静にしてなきゃダメだろ…」
「バレましたか…ハハハ…」
「よく笑っていられるな〜。致命傷を負ったのに。とにかく寝ていろ」

これはリーダーの九条なりの、翳珠メンバーに対する愛情的な?翳珠の戦闘メンバーは元々少数精鋭なので結束力が高い。


九条は蔦沼があれから姿を見せないことを不審に思っていた。長坂を倒したから親父の呪いは解けるはずだが…?


鼎は御劔が何者かによって殺された場所が気になっていた。ゼノク敷地内には遊歩道がある。遊歩道で登ることが出来る、低い山。
夢で出てきた場所は遊歩道を上がった先→山の頂上付近に似ていた。鼎は1人、遊歩道を行く。

遊歩道は緩やかだが時々階段がある、そんな場所。ゼノク入居者や職員は滅多に来ない。散歩する人がたまに行くくらいで。
遊歩道を抜け、山の頂上付近に来た。鼎はその景色に既視感があった。あの場所に似すぎている。


鼎はその丘の上で決定的なものを発見してしまう。墓だ。墓には「MITSURUGI EMI」とある上に花が供えられてある。

「御劔はここでやられたのかな…」

確かにこの場所、敷地内だが人目につかない。丘からの眺めは微妙。建物は見えるのだが、全体的には見えない。


鼎は静かに墓に手を合わせてから丘を降りた。


晴斗は対の刀の原型の剣をまじまじと眺めている。形が変化し、持ちやすくなったが遺物ということから意図的に変化出来るのか?


「晴斗、その剣意思があったように見えたな。あの時…」
「やっぱりそう思うよね?御堂さん、鼎さんが対の刀に選ばれたのも関係してたのかなぁ…」

「今までずっと晴斗が二刀流の使い手だと思い込んでいたから鼎が本来の対の刀の使い手って寝耳に水どころか洪水だわ。逆だったんだな…。最近まで鼎も知らなかったっていうし」
「俺達が鼎さんに負荷がかかるからって、鼎さんに二刀流を遠ざけてたのもあるよね…これ」

御堂もまじまじと剣を見てる。御堂は妹の柚希がこの攻防戦で正式に戦闘デビューしたことを後から知った。御堂はまだ柚希と会ってない。


柚希はこないだの戦闘時、敵が敵だけにシェルターに避難しろと言われ→シェルターから離れの直属施設に避難している。
離れの施設に避難していた入居者とゼノク隊員以外の職員は直に戻ってくる…と聞いた。


別の日。10日後くらいか?鼎は西澤に呼ばれた。検査結果のことだった。

「私の身体は回復しているんですか?…まだ不安なんだ」鼎はうつむいている。仮面で表情はわからないが、不安そう。

西澤はにっこりと笑う。
「TZUの治癒能力のおかげで驚異的な回復を見せているよ」
鼎はようやく顔を上げた。


「あの選択…もしかして決めてましたよね…」
「決めていた…」
「その選択、帳消しにするよ。君はもう大丈夫だろう」
「本当なのか!?」
鼎の声は嬉しそう。表情はわからないが仮面の角度のせいか明るく見える。
鼎は西澤に打ち明けた。TZUのことを。

「私はあれから心にぽっかりと穴が開いた状態になっていたんだ…。TZUが…お母さんが身を呈して私を守ったから…」
鼎はうつむいていたが耐えられず、声が涙声になりかけていた。

西澤は鼎に泣きなさいと優しく諭す。
「思いっきり泣けばいいよ。どんな姿であれ君の母親だったんだから…」


鼎は堰を切ったかのように嗚咽を漏らした。しばらく泣いた後、西澤に仮面を外していい場所はないかと聞く。鼎は西澤に素顔を見られたくない。
西澤は部屋の片隅の衝立を指差した。そこで仮面外しなよと。涙でぐちゃぐちゃなんだから、箱ティッシュを持って行きなさいとも。


鼎は衝立の中に入り、仮面を外した。仮面を棚に置いたらしい、静かな物音がした。西澤はかなり心配そうにしてる。
しばしの沈黙の後、また物音がする。どうやら仮面を着けている?鼎はその直後に出てきた。

「だいぶ落ち着いたかな…?」
鼎はうなずく。相当泣いたらしく、まだ精神的に不安定な様子。西澤は鼎をよしよしした後に部屋を出る鼎を見送った。

紀柳院には親友の駒澤もいるし、仲間がいるから大丈夫なはずだ。彼女はもう1人じゃない。彼女はもう孤独じゃない…。
それだけに紀柳院は御劔のことが引っ掛かっていたんだろう。仮面の女性隊員という共通点から、紀柳院は自分と重ね合わせたのかもしれない。


御劔について詳しく知っている人間はゼノクでは蔦沼長官しかいない…。


翳珠本拠地。宇崎は小田原とある話をしていた。御劔映見について。

「なんで当時の上層部は御劔の存在を抹消したんだ?鼎の前にいた、仮面の女性隊員なんでしょ?彼女の死の真相がわからないままになっている。ゼノクには確かにいたと資料も存在しているね」

「当時は宇崎も俺も下っ端だったからな。宇崎は研究員、俺は隊員でな」
「え?じゃあ小田原司令は御劔見てるの?」
「…御劔といた期間は短かったからあまり記憶にない。確かに白い仮面を着けている、今でいう紀柳院のような隊員はいた。そいつが御劔だ…」
小田原はPCからアーカイブ施設・ルノクに接続→御劔について検索→画像を出した。


「ほら、これを見ろ。この写真の人物が御劔映見だ」

「鼎とえらい雰囲気が違いますね〜。仮面を着けてる共通点があるのに、こんなにも違うなんて」
「それもそのはずだ。御劔の仮面は御劔自身が作った物を自ら身に着けていたんだからな。この画像の御劔はゼノクにいる時のものらしいんだ。入隊時の画像も残っているはず」

小田原はさらに画像を検索。


「これが入隊時の御劔。仮面の雰囲気が違うだろ?」

「こっちは優しい感じがしますね。仮面のせいかな?ゼノクの画像と仮面が違う…。白いベネチアンマスクですよね?どちらも」

「御劔は入隊時から見た目で浮いていたから、相当悩んでいたんだよ。御劔も怪人による事件…いや、事故に巻き込まれて顔を見せられない状態になったのは確かだ。だから入隊時から彼女は鼎のように最初から仮面を着けていた」

「13年前…でしたっけ?御劔が入ったの。まだゼルフェノアが出来てから2年目だったよね」
「御劔は仮面に執着していたというのは有名な話だ。俺も見たんだが、御劔は素顔を見られたくない恐怖から自ら仮面を外せなくしたんだからな…」
「えーと…それから出来たばかりのゼノク行きになったんだよね?」

「外れない仮面を外すためにな。御劔はゼノクで孤独に過ごしていたみたいだ…。途中で『第5シェルター』で1人、過ごしていたと聞いてる」
「第5シェルター?ゼノクのシェルターって4つでしょ?…てか、小田原司令なんか詳しくありません?どっかにパイプでもあんの?」

宇崎は無邪気に聞いてる。

小田原は宇崎のテキトーさに振り回されているが、こんなバカなやつでもいないと本部メンバーはまとまらないんだろうと。
それだけ本部主力メンバーは変わり者だらけ。宇崎含め。


「当時のゼノク研究室長が教えてくれたんだよ。御劔の件で責任感じて辞めて→今は行方知れずで連絡取れないけどなー」

「当時のゼノクの室長って…佐伯室長じゃなかったっけ。うろ覚えだ。ゼノクに関しては俺はさっぱりだからな〜」
「今現在、御劔について詳しく知っているのは蔦沼長官だけだろうな…。長官も御劔を助けられなくて責任感じているらしいし」


ゼノク。鼎は晴斗達と館内の共用スペースで話をしてる。ゼノクには次々と避難していた入居者と職員が戻ってきていた。その中に柚希がいた。

柚希は御堂の姿を見るなり駆け寄る。
「兄貴ー!会いたかったよー!怖かったよー!」
「こ、こら!抱きつくな!!恥ずかしいだろうが!!」
御堂は少し照れくさい。
「兄貴。私、正式に実戦したんだ。正式に隊員になれるかもって」

「お前、スーツ着てないな…。完治したのか?」
「うん。この戦闘のせいでゼノクを出るのが延期されてたの。でも正直…まだここを出たくない…。友人のこともあるし」
「友人?」
「今友人は重度になっててずっと入院してる。時々お見舞いに行ってたんだけど…。彼女は私の話し相手になっていたから1人にしたくなくて」

「ゼノクは組織の直属施設では比較的ゆるいから、延長は大丈夫じゃないのか?俺が西澤に聞いてこようか?ゼノクではお前が必要とされてる」
柚希はしばしの沈黙をしてから去って行った。何か思うところがあったらしい。


ゼノクに1年以上いた人は、施設を出ても環境に馴染めずに戻ってくるパターンが多いと聞く。ゼノク特有の肌全体を覆うスーツが関係しているらしい…。

現にゼノク隊員の烏丸みたいにスーツ依存になってしまっている者もいる。
ゼノクは少しずつ日常を戻しつつあった。受付の2人も復活。


白浜は通常の姿だが、烏丸は入居者に気を使い肌全体を覆うスーツに制服・ウィッグ姿でいる。
顔はのっぺりしたマスクなのでのっぺらぼう状態なのだが、ゼノク入居者のスーツのマスクもそういう感じなため馴染んでいる。

ゼノクは基本的に組織の人しか来ないので、受付はまぁ…暇なんだが。
ゼノク職員の新山も通常に戻り始めていた。外作業を復活させるという。


鼎は外作業に出る新山を見かけ、声をかけた。
「新山、庭仕事復活させるのか」
「あの戦闘で庭園がぐっちゃぐちゃにされちゃいましたからー」

新山の出で立ちは黄色系のスーツにつなぎ、サングラス姿。新山は後遺症から完全回復しているが、外ではあえて目立つ姿にしているのは変わらず。
黄色系なら確かに目立つが…。暑くないのか?夏用スーツなのはわかってる。


「ぶっ倒れるなよ」
新山は鼎の声に元気よく手を上げてバイバイした。鼎はふふっと笑う。顔は仮面で隠れているのだが、どことなく表情が明るく見えた気がした。

晴斗達も鼎の様子を見てた。
「鼎さん、今…笑ったよね?笑ったように見えたけど…。気のせいかな」
「同級生の新山と話が出来たから嬉しかったんじゃねーの?」
「鼎…また笑えるようになったんだね…」
彩音はうるうるしている。

翳珠本拠地にいる宇崎からの連絡で、晴斗達はしばらくゼノクに留まることになった。ゼノクの戦いは終わったはずなのに?
宇崎は何か気になっているっぽい。広大で複雑な地下通路に第5シェルター、御劔映見…。



なんとなく出てきた戦闘後、しばらくしての光景…的な。
なんとなく御劔の謎の死に迫っていく感じが出てきた…。なぜか西日本支部の小田原司令がそこそこ知ってたっていう。

鼎も鼎なりに御劔について調べ始める。蔦沼があれから姿を見せないのが不穏だが…。


ゼノク攻防戦は一見すると終わってますが、地味にまだ終わってはいない…。
ちょっとだけ日常に戻ってきただけで。

ほとんど御劔絡みになってるな…。