零優零。
心の時計。
**110924

久々過ぎて(?)キャラ崩壊です
ご注意下さい












錆び付いた時計の針を持つ者に、
感情の時を動かすトリガーを与え賜え。






コツコツと刻む秒針がやけに大きく響く。
静かな室内には零と、零の小指をきゅ。と握る優姫の寄り添う影が伸びる。


「私はいつでも零の味方だから」


そう優しく微笑む優姫を前にして、
もたらされるのは零の中に息づく温かな塊と。

同時に生まれるのは、果てに感じる喪失感。

生まれては消え、生まれては消え。
掴み所なく揺れる感情を手繰り寄せる様に、零はその存在を片腕に寄せて包み込んだ。
ふわりと香る優姫の匂い。


「優姫」

「ずっと、一緒にいようね」


抱きしめると腕の中で小さく震え抱きしめ返してくる。
湧き出る想いが溢れ返り、堪らなく波に飲み込まれた。
優姫の先にちらつく玖蘭の影を振り払う様に。


渡したくなんか ない。
本当は。
ずっとずっと

傍にいたい
触れていたい
抱きしめていたい



「すき」

「すきだよ零」


すり寄る優姫から流れ込む言葉を胸に受け、愛おしむ感情がグルグルと渦を巻く。


「俺も、だ」


自分でも無意識にするりと口から出た想い。
その言葉に腕の中の優姫がビクリと反応を起こした。
こちらを伺う様に目を開き、驚いた表情が向けられる。


「ぜろ」


優姫は零の名を呼び、くしゃりと泣きそうに顔を歪め、
涙を纏った熱っぽい瞳でこちらを見つめてくる。


「ぜろ」


閉じこめて
誰にも、

誰にもそんな顔見せたくない


溢れる想いが決壊したかのように雪崩が起こる。
止められないこの想いを何と呼ぶのか


(それは−−)


優姫の背中を支える零の腕に力が入り
左手を優姫の頬へあてると、優姫は受け入れる様に静かに瞳を伏せた。


「好き、零・・だいす・・んンッ」


ゆっくりと顔を近付け。
囁く様に、口許をかすめる言葉ごと。

掠れた声が精一杯の−−


(すき・・なんだ)


感情の赴くままに熱に飲み込まれた零の足元はぐらりと揺れた。






『零・・』

途端に腕が揺さぶられ
振動と共に零はゆっくりと瞼を開ける。

光の中から伺う様な表情でこちらを見る優姫の姿が現れ、零はぐいとその腕を自分に寄せた。


『零・・?』

『好きなんだ』


トロンとした瞳でもたらされた零の言葉を受け、優姫は一瞬ぽかんと口を開ける。
刹那、ボッ。と音を起てる様に真っ赤に顔を染めた。
その反応を目にし、再度唇を求める様に優姫の頭を掴んで寄せると、口を開け−−−


『ぜ、ぜぜ、ぜろぉお?!』


唇に触れる寸前で、素っ頓狂な優姫のひっくり返る声が頭に響いた。


『・・・・・・』


その声と共に零はピタリ動きを止め、ゆっくりと優姫から離れた。
そこには顔を茹蛸の様に赤くし、ぎゅうと力一杯目を瞑る優姫の顔があり。
掴んだ優姫の身体が震えている事に気付いた。

零は自分の周りに目線を落とし、カチカチと歯車が動く様に音が刻まれるのを耳奥に捉えた。
今起きている現状の認識が徐々に頭に積み込まれる。

浮かび出される情景は、熱に浮かされた感情と
それに流されていた自分と
受け入れてくれた優姫。



しかし今、その世界は消え失せ・・・
零はリビングのソファで横になっていた。



『・・・ッうわぁああ!! 何だッお前!!
何してんだ!!』


弾ける様に離れる零に優姫は閉じていた目を開ける。
顔を腕で覆う様に隠し、零は優姫を見遣る。
顔の大部分を隠していても優姫を覗く瞳は赤みを帯びて、歪んだ眉からはいつにない程の焦りの表情が見て取れた。
優姫は目をバチバチと繰り返し、口許を両手で覆う。


『なっ、何してんだって・・
ぜぜ零が、 零がっ!!』

『何だ!俺が何だ!俺は何もしてない!』


畳み掛ける様に放たれた言葉はリビングにこだました。

かっかする身体と、反対に急激に冷えていく頭。

浮かび出てきた想いをひとつひとつ消すように。
思い出さないように。


−−渡したくない、触れていたい、抱きしめたい−−


しかしぐるぐると廻る思考は掛け違えたボタンの様に噛み合ってこない。
夢で吐き出した溢れ来る物たちは、限りなく自分のあられもない感情で。


−−スキダ−−


振り払っても振り払えない根底にある想いにガツリと衝撃を喰らう。


『俺はッ 何も、言ってない!!』


シューシューと蒸気が立つ様な空気がリビングに流れたまま、時を刻む小さな音は雑念に紛れて耳には届いてこない。
零の思考はどこか遠い所に置かれているようだった。


『聞いたもん!
しっかり零の口から聞いたんだから!』


真っ赤になってぶつけてくる優姫の言葉に、確実に今までと違う何かが動き出す。
真っ暗になる様な視界の果てに。


混乱する感情と。


認識する激情と。


交差する恋情と。


『零から言われたんだから!!』


錆び付き、抑えられ、動かなかった秒針が二人の中で。
静かにコトリと音を起て、ゆっくりと時を刻み出した。















20110225−−−−−−−−−−>>
あはーん

何だこれ。

バレンタインが進まなくなって何故だか移行してこんなのが浮かびました
ゝ(´A`★ゝ)


ですが、確か先週に仮仕上げてたかなーってやつなんですが・・・

あれ?
遅くね?放置しすぎじゃね?


代わり映えなしな感じですね
途中楽しかったんだけど途中つまらなくなったりとか
見失いました


最近 ラブラブ系に触れてるせいかもしれないけど
少し零たん弄りしてみたの
(´ω`*)

ごめんなさい キャラ崩壊


やー 零たんはいつ告白するの?出来るの??
て思ったの。いつも夢見ててごめんなさい
だって零たん頑ななんだもん

本誌あんなだから許してくだせい
(ノ☆´A`)ノ

(拍手に置いてました)







  


[EXIT]


-エムブロ-