新美南吉の「かげ」という掌編があるのですが、先日それを読んでけっこうな衝撃をうけました。
午前中に読みましたがしばらくショックをひきずっていた……。



青空文庫では読めないみたいですね。私はこの本で読みました。(また別に絵本もある)
からすが、自分の影とはしらず、地面に浮かぶ黒い鳥の姿とおいかけっこをするお話です。

終わりの方に、からすが影にむかって言う
「いっしょだった」
という台詞がでてきます。

私の心にはこの言葉が、このうえなく悲しいものとして響くのだけど、理由はうまく言えません。
ただ、とても孤独で、ひたすら淋しい言葉のように思えます。
「いっしょだった」と言っていても、それはいっしょじゃない。
はじめから、まっつくつい(※1)であることはいっしょじゃない。
私はそう思っているから、ただただこの「いっしょだった」という確信がつらい。
「ごんぎつね」だって、わかりあえないお話じゃないですか。最後にわかるけど。
「かげ」を教訓めいた話だと、いう人もいると思うけど、私は「ごんぎつね」にもある、なにかしらの不一致性からくる切なさみたいなのを感じるのです。

いま思い出しても落ち込むんだなあ。みんな読んでね。


※1……「全く同じ」ということの讃岐弁。


さてさて。
いろいろと思うところはあるのですが。
日記を書いていた方が、今よりはライフバランスがよくなりそうな気がするので、がんばってまた書いていこうかなと思います。ふりだしに戻って。

お盆は京都にいました。調子があんまり良くなかったので、家族といてちょうどよかったと思う。ほとんど何もしないで、たまに本屋をのぞいたり、怒られたり。葉書を書いたり。
お休みがあるっていいことだわ。明日帰ります。

いろんなところで、ささやかな何かに助けられて、いつもよい方向へ行けてるんだよ。って母が話していて、そうですねと思った。
いまの私は白ご飯みたいな感じで、どんな言葉でもさほど考えず自分の上に乗せてみてしまうんだけど、このことは本当にそーやなと思いました。ごめんなさい。いま眠いんです。

以下最近の本たち


arちゃん、今月号のあおり文は
「たった1人でいいの」


さんかく窓、まさかの夏発売!(※2)
今回は、たったひとりを信じている、というお話でしたね。


このね、雷鳥社からでてる辞典シリーズはとってもよいですよ。本の作りが。


お遍路特集でした。家族にあげようと思って。


これはねー、香川のとある古本屋さんに行ったとき「ウチの店、これに載ってんだよ!」と店主さんが頁を指差して教えてくれたので買いました。
せっかく京都にきたのでここに載ってる誠光社さんにもはじめて行ってきました。うむうむ。


※2……いつもは冬に(だけ)出ていた。



・・・おまけ・・・


『うどんの国の金色蹴鞠』、やっとアニメを最後までみました。よい作品でした。おまけがいつもシビアで、でも本編とびみょうにリンクしてるの笑う。アニメの最後はうまくまとまってましたね。せつないけど。


最近読んだ本