全て 総て 統べて

(top) (bkm)

2014.7.2 13:44 [Wed]
青峰へ
俺達は子供だった。
バスケットというスポーツの世界だけを見つめてそれを全てに生きてきた。だが、ハマりこめばそれだけバスケが引き起こした不穏一つで大きく自分が揺らいだ。俺たちを成長させ、幸せにしたのがバスケであるならそれ以上の苦痛や不幸を招くことが出来たのもバスケだ。
それを一番明確に鮮明に受け止めていたのは青峰だろう。誰よりもバスケットを愛し、寝ても覚めてもボールだけ日々飽きもぜずに追い掛けていたような奴だから。その頃のお前は最強だった、文字通り青峰に敵う相手はおらず、圧倒的なセンスで良くも悪くも周りを魅了した。
黒子という影と相棒まで得てお前はコート上で誰よりも自由に駆け回ることも出来たな。けれど自由に動けば動くほどに周りは置いてけぼりになって行く。
バスケしか頭になかったお前は自分と張り合える相手がいないというのはとても詰まらなかった筈だ。
これ以上強くなっても仕方が無いと練習も休みがちになったな。
そういえば試合中、青峰の力を前に途中で完全に試合を放棄した相手選手になにやら言われていたようだけど。…気にしなければいいものを、繊細なお前は深く受け止め過ぎてしまったようだ。歯車にヒビが入った瞬間はきっとその時だろう。

ただ、高校で黒子に負けて漸く昔のようにバスケの楽しみを見つけ出せたようで安心したよ。
青峰、お前はいつも一人で抱え込んでしまって、勝手に決断してしまうけど、お前のことを気に掛けてくれて想って、泣いていた人間がそばにいる事を忘れてはいけないよ。

お前の傷を癒してくれる大切な人達だ。だからお前も同じだけ、いや、今まで出来てなかったならそれ以上に大切にしなさい。


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