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世界標準短距離路線にLCCが根付けば

国内線の低価格化はすでに世界標準短距離路線にLCCが根付けば、日本の空はもっと近くなるのLCCを眺めてみると、共通して感じるのは、徹底的なコストダウンを図っていて、座席が自由席だったり、LCC専用の簡素なターミナルを発着したりと、とにかく省けるところはすべて省いていて、その代わりに格安運賃を実現している。
日本円相当で飛ぶというのは当たり前で、しばしば航空運賃よりも空港使用料などのほうが額になってしまうほどだ。
その点この3社の場合やはりLCCにはほど遠さを感じるLCCはボーイングでいえば737、かつてエアバスでいえばA320程度の機体が多いが、エア・ドゥでは767も運航しているほか、スカイマークの767が8列だったのに対し、エア・ドゥでは7列のまま運航している。
スカイネットアジア航空やスターフライヤーでは座席間隔の広さや革張りの豪華な座席を売りにしているが、LCCはまずは安さで貢献しなければならない。
どうも「格安」を匂わせておきながら、「格安とは違う」という部分を多く感じる。
日本の場合、羽田の発着枠などの関係で便数が簡単に増やせないなどの事情もあり、複数のLCCが生き残れるような環境ではなかったともいえるだろう。
世界ではすでにLCCが国内線の約8%のシェアを占めるという国が少なくない。
たとえばアジアを代表するLCCといえるエア・アジアが運航するマレーシアでは国内線の半分が格安便だ。
主要路線すべてにエア・アジアが就航しているといってよく、便数もマレーシア航空と互角である。
エア・アジアは1993年設立だが保有機はすでに約90機になった。
反面スカイマークは1997年の設立に対して今だ保有機12機と少ない。
日本で格安運賃の便を普及させることが容易でないことを物語っている数字である。
しかし現状では格安運賃の恩恵を受けているのは一部の空港だけである。
航空会社が負担する空港使用料は航空機の重さを基に、着陸して離陸する回数で課金されるので、どうしても同じ離着陸回数なら遠鉅離を飛ばした方が利益が大きく、たとえば羽田〜東北、北陸、中国、四国地方など比較的近い距離の区間には格安便が飛んでいない。
日本でも早期に主要路線すベてに格安便が飛んで欲しいものである。
そういう意味では、本当はJALとANAが全く同じ運賃で同じ区間を飛んでいてもあまり意味がない。
「競合がないと」というのは大手しか存在しないという前提での話である。
世界では大手と格安1社ずつというのが多くなりつつある。

エアラインたちの方向転換

かつてLCCを志したエアラインたちの方向転換ANAとの共同運航が運命づけた大手とLCCの中間的プライシング就航当時を振り返ってみるとエア・ドゥが運航を開始したのはスカイマークが就航したのと同じ1998年に、やはり大手航空会社の半額運賃を目指して羽田〜札幌間に就航した(半額とはいかなかったが)。
つまり志としてはエア・ドウもスカイマーク同様にLCCを目指していた。
しかし東京での知名度不足による搭乗率の低迷、メンテナンスをJALに委託していたことなどからの経費がかさみ、2002年には債務超過に陥り民事再生手続きを開始する。
誰もがエア・ドゥの将来には悲観的な思いだつたのだが、ひょんなことからANAと提携関係を結ぶことになる。
そのひょんなこととはJALと日本エアシステムが統合するという発表であった。
当時羽田〜札幌間はJAL、ANA、日本エアシステムの大手3社とエア・ドゥが運航していたが、この間は世界で最も航空需要が多い路線で各社ともドル箱路線であった。
その中でもANAは最も高いシェアを持っていたが、JALと日本エアシステムの便がひとまとまりになると、ANAのシェアは低くなつてしまう。
危機感を抱いたANAはエア・ドゥの便を共同運航としてANAの便名を付けることで、半分のシェァを維持したのである。
こうしてエア・ドゥはANAと提携関係を結ぶ。エア・ドゥとしても、打倒大手を目指して始まつたはずなのに大手と結ぶというのは抵抗があっただろうが、会社存続のためには「背に腹は代えられない」といったところだったのであろうか。
そしてその後はすべてての路線でANAとの共同運航になっているほか、ANAが自社運航から撤退した路線を運航するようになり、それが現在の礼幌起点の地方空港への便である。現在ではすっかりANA便の運航会社的存在になっている。
スカイネットアジア航空も、設立時はパンアジア航空という福岡を拠点にする航空会社になるはずだったが、すでにスカイマークが福岡に格安便を就航していたため、本社を宮崎に移しての就航になったという経緯があり、やはり格安を目指していた。
しかし大手と提携するという流れはスカイネットアジア航空やスターフライヤーにも及んでいて、両社ともすベての路線がANAとの共同運航になっている。
ANAから考えると、効率の悪い路線から撤退するものの、他社便に自社便の便名を載せることで路線は維持できる。
新規参入航空会社からすると、やはり大手の販売力に頼れるというのは大きいことで、営業力や知名度が低くても安定的に座席を埋めることができる。
少し本末転倒のような気がするのだが、大手航空会社と新規参入航空会社の利害がここで一致してしまうのだ。
この3社の便はすべてANAの時刻表にも載っており、単独運航の路線が実はない。
そのためこの3社の運賃は「大手より気持ち安い」といった程度で、LCCと呼べるものではない。
ANA側から見ると「生かさず殺さず」、新規参入側からすると、大手とサービスなどを合わせる必要があり、あまり大胆なことはできない、といった感じで、中途半端な存在になっていることは否めない。

スターフライヤー

スターフライヤーは2006年に北九州空港が現在の海上空港として開港したのと同時に運航を始め、羽田から北九州、そして間西へも運航する。
北九州空港は海上空港のため3時間離発着可能な空港であることを活かして、深夜発着便も運航している。
同社の運貨は7月1日を例にとれば羽田〜北九州問の最も安い運賃でも1万1500円、しかしこの便は北九州着が深夜の0時55分という便で旅行者には使いにくい。
また関西便に関しては28日前などといった早期に購入して大幅な割引にする運賃そのものが存在しない。
同社の場合は当初から格安を武器に参入した航空会社ではなかった。
スターフライヤーは元々格安運賃を武器に参入したといった印象はないのだが、エア・ドゥとスカイネットアジア航空の2社に関しては、現在となっては独自運賃もあるものの、大手航空会社、具体的にはANAとの共同運航を行なう航空会社で、LCCとはいえなくなってしまっている。

当初LCCを目指して誕生したエア・ドゥだが、徹底したコスト削滅でLCCの王道を突き進むスカイマークと異なり、現在はANA共同運航便として大手よりやや安い価格で座席を供給する航空会社となった。

ハイグレードなブランド戦略

エア・ドゥもスカイネッ卜アジアもスターフライヤーも、LCCではない次にスカイマーク以外の新規参入航空会のその後はどうだろうか。
エア・ドゥ(北海道国際航空)は羽田から札幌、旭川、函館、女満別への便があるほか、札幌から仙台、福島、新潟、富山、小松への便も運航するようになり、やはり北海道国際航空という社名通り、すべてが北海道絡みの路線である。
また2011年春にも羽田〜帯広便就航が予定されていて、さらに充実したネットワークになる。
格安運貨といえるのは「AIR DOスペシャル」と呼ばれる搭乗28日前までに予約・購入するタイプの運賃で、7月1日でいえば1万円ポッキリから利用できる。
スカイマークの「ス力イバーゲン」5800円ほどの安さではないが、同社は羽田便にはワイドボディ機767も運航していて、供給座席数が多いことから、座席の確保はスカイマークに比べて容易といえ、同社のホ―ムぺージで空席照会をしてみる限りでは予約が入りやすいといえる。
しかし最もメインになる羽田〜札幌間では、かって同志であったはずのスカイマ―クが参入したことで、奇しくも競合関係になってしまった。
スカイネットアジア航空は現在のところ羽田から宮崎、熊本、鹿児島、長崎へ運航、さらに九州内それぞれの就航都市から沖縄へも運航するようになった。
2010年10月からは大分へも就航する予定で、すでにスカイマークが乗り入れている福岡以外の九州内主要空港すベてに乗り入れを果たすことになる。
同社の格安運貨は、羽田〜九州間でいえば、すベてがほぼ同じ距難になるため4都市どこへ飛んでも、SNAバーゲンは9800円である。
東京から九州までが1万円を切る運賃というのはやはり魅力を感じる。
おそらく大分便が就航しても同じ額になるだろう。ただし予約・購入は45日前までと、かなり早期に旅行計画を立てないと利用できない。

LCC最大の存在意義

破格運賃こそがLCC最大の存在意義「スカイバーゲン」を活用し5800円で九州、北海道へところでスカイマークで最も安い運賃になるのは搭乗日のお35日前までに予約・購入をすませる「スカイバーゲン」で、羽田発着でいえば沖縄便のみが7800円から1万800円という運賃だが、その他の都市へは北海道でも福岡でも5800円という破格運賃になっている。
2010年4月、茨城空港にスカイマークが就航したときに、茨城〜神戸間の運賃が5800という数字がテレビなどで話題になっていたが、5800円というのは茨城空港就航の記念運賃などではない。
スカイマークでは多くの路線でこの「スカイバーゲン」が設定されていて、羽田〜旭川間や羽田〜福岡間でも、同じく運賃は5800円からである。
35日前までの予約・購入とはいっても、安さゆえに売り出しの2か月前になくなってしまうことも多いようだが、他のどのような交通機関を使うよりも安くその地にアクセスできることは間違いなく、上手に活用したい。
また大手や他の航空会社の運賃は28日前までに予約・購入するタイプを逃してしまうと、次は3日前までに予約入するタイプの割引運賃しかないのが現状だ。
つまり28日前を逃してしまうと、3週間前でも2週間前でも3日前で も同じ運貨を払うことになる(席自体はどんどんなくなっていくが)、その点スカイマークは21日前、10日前、7日前までに予約・購入などと割引運賃が段階的に設けられていて、いわばチャンスが多い。
以前は 「カウントダウン運賃」と呼呼ばれていたが、小まめな設定になっているので、割引率の高い運賃の予約チャンスが多くなっているのだ。
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