この10年は正に彼無しでは語れない。
私と彼の出会いは私が最悪な時期だった。
だから出会いなんか考えても無い。むしろ消えて無くなってしまいたかった。
生きることの辛さが一気に押し寄せた。そんな時だった。
今となっては、あの出来事もなるべくしてなったのだと言い聞かせ納得もできるまでとなった。
まさかこんな穏やかな気持ちを取り戻す日が訪れるとはあの時の私は想像すらできなかった。

時間が解決してくれるのはわかっていた。

でも、あの時の傷はハンパなかった。今まで味わった事のない経験だった。
多分…心が壊れた。
多分って言うのは、それなりの病院には一度しか行かず、処方された薬も飲まず今に至るから。
けど、間違いなく壊れていたのはわかる。
それは後々自分の症状を、本屋さんの本を読み漁り探し出したから。だからそれは間違いないと思う。

そう…私は病んだんだと思う。

それは高菜さんと別れたからではない。
正確に言えば、それも数パーセントはあると思う。
けど、一番の原因は、やはり親友だと思っていた人の裏切り行為によるものだったと思う。
私が高菜さんと別れて再びXの元に戻りやり直したいと思ったのに、その後また別れを切り出したのは、その親友とXを何度か合わせたりしていたからだった。

Xには理由を言わず、いや…確か、今の彼ができたからと言って別れたけど、Xに本当の事を言えず1人悩んでいた自分が辛すぎたからだった。
Xと居ると高菜さんも、親友だと思っていた人達も思い出してしまう。それが辛かった。
Xは、高菜さんとダメになった事に私が沈んでいると思って聞きづらかったのか?
あの時、本当の本当に気づいてもらえなかったのが辛かった。それが一番だった。

今の彼と出会ってなんとなく付き合い出して。
まさか10年も続くなんて考えもしなかった。
最初私は寂しくて辛くてどうしようもなくて…高菜さんもいなくて、母にも言えなくて、Xにも言えなくて、
気づいたら裏切った人達以外言える友達が居ないことに気づいて。
孤独を初めて味わった。
ここにも書けなかった。
で、なぜか友達が欲しかった。
何ても話せて引かない人。
そんな時に出会った。それが彼だった。

当時、いや、今でもあの時の話は彼にも話していない。
何度か話そうとしたけどダメだった。

それでも彼は私を必要としてくれて私にあの嫌な事から忘れる時間を与えてくれた。

そっと10年間見守ってくれた。

大切にしてくれた。

振り返ると色々あった。ありすぎた。

彼の支え無しではここまで回復はできなかったと思う。
本当に感謝しても仕切れない。


ユカ☆