シェリルの心の叫び声が聞こえるようだ。

グレイスはグレイスで毎回来て欲しいわね。感心して見守っている。アルトはシェリルのわがままを聞いて言いなりになっている様に感じるが、シメる所はシメる性格らしい。手のひらで転がされているのはアルトではなくシェリルかもしれない。

「良く出来ました」
「あんたバカにしてん……?甘い」
大きく開いたシェリルの口内に今度は茶色な物体を放り込む。
「ご褒美だ」
可愛いらしく一粒一粒包まれた色とりどりのチョコレート。
「これ……」
「前に食いたい言ってただろう」
並ぶの恥ずかしかったんだそ。
照れくさそうに答えてソッポを向く。
「覚えててくれたのね!ありがとう!!!」
シェリルは感激して、アルトに抱き付いた。「えっ…あっ…待て待て」
勢い付いたシェリルごとアルトが盛大にひっくり返る。とっさにシェリルを守る様に包み込んで。


バラバラバラ


二人の上から甘い甘いチョコレートの雨が降る。


「あらあら」
私は打ち合わせだから。チョコレート拾うのよ。言い聞かせてグレイスは部屋を出た。
後には赤面するアルトと、ニコニコご機嫌のシェリルだけが残された。