日常


2010年7月17日(Sat) 21時23分

俺は兵隊だ




フルメタル・パニック最終巻
その幕があがりました


死の匂いが立ち込める
彼等はその中を粛々と進む

不安を、絶望を、未練を、迷いを、諦めを、猛る怒りと悲しみをかみ砕き、飲み込んで、兵隊たちは武器を手に歩いていく

ろくな装備も残らず
だのに遂行可能な最低限だけを携えて
粛々と、気怠げに、意気揚々と、誇り高く



印刷された字面から、血の塩辛い生臭さと、つんとする硝煙と、精密機器の発する無機質なきな臭さと、嵐の前の湿気た匂いがほとんど幻でないくらいに立ち上る
今まで彼等が踏み締め、私の中にさえ築いてきた道が遠く見える


すべてが一つに収束していく


読んでる間中半泣きでした
電車内で←


もうこれラノベの括りじゃないよ
ノベルスで出そうよ
俺売るよ!


中学生の時から読んできたシリーズで、最初は単に面白いロボットアクション、それだけだったのに
いつの間にこんなタフな世界を構築していたんだろうと思う

SFとしての設定や世界観の面白さだけではなかった
人間味あふれるキャラクター達!
敵も味方も悪も善も
泥臭い、汗じみた、青臭い、やんちゃで、シニカルで、ウィットに富んだ、タフで儚く、だが確かに体温を―走り続ける熱を―持った、素晴らしい作品です


読まなきゃ良かった
下巻まで生殺しだ
頼むから落とさないでくれよ



亡くなった某中尉のご冥福を祈りつつ
あのバカでナイーブでお調子者の短小野郎にあたしの涙を返せ!と叫んで感想としたいと思います


来月完結したら未読の人は皆読め!
そして熱く吠えろ!


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