2017.9.11 01:50 [Mon]
わたしの過去にあなたがいてわたしの未来にあなたが
とてつもない感情
ぐらり揺らぎかける踵の角度
手のひらサイズの愛しい言葉
間近に見える夢の見上げきれない高さ
カチリ、音は、誰が聴いた
一番下はとても弱いのか
響く、炭酸
斬新最速三振、ササメキ
よくないことは言いたくない
本当は大切なのだとありふれた勘違い
あなたの罪を信じられずあなたのためにあなたを信じたわたしが消えた
もう、その心は埋まったのです
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2015.10.1 21:46 [Thu]
いつもと同じ春だから
枯れるように空に騙される
そんなの、また謝るだけ
心を驕って生きてみた
目をとじても世界がない
退屈が足の踏み場もないほど蠢いている
エネルギーは僕の頭から抜け出し天の情報に吸われる
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2015.9.16 11:28 [Wed]
興味深くとも手は伸びず
君の麻薬の中にいる、あいつが憎くて仕方ない。
その成分に願いを叶える力はない。
後ろの影を伸ばすだけ。
お母さんのふりをした声に振り返っても通りに人の姿はない。
理解はしても納得はまだまだ遠く、不可解で複雑なのに不可侵だけは確かに鳴らすその曲調が嫌いだが、それらはどうしても魅了する。
薄曇りの油絵。
傘が隠す髪の色。
黄緑色の毒がじわりじわり靴を染めている。
衝撃的な展開を君に与えられたらひとつのキャンディーくらいにはなれるだろうか。
くしゃみをすれば僕は水溜まりに落ちる。
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2015.8.26 18:56 [Wed]
後味の悪い微熱
羽が生えても竹は竹林を選んだ。躊躇いだらけの刃向かいは中身のない手紙に哲学を添えた。高鳴りを知らず干上がることの空虚さよ。やるせなさすら無い物ねだりで湿っぽい。堅苦しかったあの白い手も今では噛みちぎりたいくらいだ。その口ぶりじゃ僕はまるで梟だ。ありとあらゆる夏をあげようとも思った。不遇の砂漠を歩く鷺が喰われないのはなぜか。それでも哀しみにくれないで。こうした懐疑も稀にある。なにも街角を土台にしようというわけではない。波のない浜辺で赤子が歌をうたう。虹もかからず熱い熱い雪が降る。鶏の切れ端が視界にある。ワイングラスは曇りガラスのように白くもうわたしを写さない。
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2015.6.7 11:44 [Sun]
いじりっこ
君が笑うとしたらって僕は考えてみるけどね
君は僕を笑ってばかりで何も特別なことじゃなかったな
君が泣くとしたらって僕は考えてみるけどね
君は誰かに泣かされてばかりで何も特別なことじゃなかったな
君が僕の特別だとしても
僕は君の特別じゃなくて
僕が君の特別だとしても
君は僕の特別じゃなくて
それもそういえばありふれた話で
だけど君が誰かに泣かされてるうちは、僕は君の特別であり続ける
僕の名前をはじめから知らなかったみたいに、くすり、くすり、と
僕のことを君が指差して笑っているうちは、僕は君の特別のまま
だけど僕はその特別をちっとも求めていなくて
僕は君が僕を特別にしているうちに僕が君の特別で君が僕の特別のふりをしながら君の膝に痣をのこすときを今じゃないまだはやいと待っている、多分
君は僕にとても甘えている
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2015.4.12 01:24 [Sun]
ふたをしめて
真夜中にライターで照らされた指先はまるでわたしのものではないような淡い物語にあった。静けさだけでは目蓋の向こうの世界は消せない。隔絶のその中、すみっこでいいから、わたしを座らせてはくれないか。のの字のひとつになれたなら、誰にも見つからず息をひそめて。わたしのさみしさはわたしだけのもの。
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2015.3.4 09:10 [Wed]
いっそのことの疎外
ぼくの日々はきみとちょっと違う。アスファルトが水のように揺れる。一羽沈むカラスを見て、波紋がこちらにはとどかないこと、それだけ気を付けていた。裏路地の壁に隠れた秘密はどいつも同じ。眺めている。眺めてくる。それがただの猫でも、それがただの街灯でも、それが不思議な目をしていても。コンセントが尾を垂らす。日々が望む美しさを受け取れ。散々喋り散らした垣根の向こう。ちらほら見えてくる。はらはら見えなくなる。過ぎてしまった曖昧さ。水を気取ったその波。ほら、わからない今日になった。
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2015.1.27 10:25 [Tue]
イマジナリー
気持ちの話はもうやめよう
心の音は聞こえてもそれは言葉にはならない
優しく細められた瞳はわたしの瞳にこうして届く
静かに囁く声はわたしの耳に確かに響く
待つことをせず抱いてくれる腕はわたしに想いを伝える
溢れる想いはわたしの中で手を伸ばしているけれど
それは君の手に繋がりはしない
頭の中になら君に届くわたしがいる
伝える君に伝えたい言葉をわたしは
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2015.1.25 09:49 [Sun]
歓呼の隙間
不安を抱えたピアノの音
階段が消える
屋根の上で踊る赤
途絶えた日記
教えてはいけない数字
心にバツの字
おさげをしまった襟
高らかな金管のパレードに掻き消される
割られたのは大通りや人波だけではなく
ささやかな惑い
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2015.1.25 09:35 [Sun]
いけない子
きみの壊してしまったそれはわたしのとても大切なそれ
きみのこと嫌いじゃないのよ
きみの隠してしまったそれはわたしのとても可愛いそれ
きみのこと嫌いじゃないのよ
きみの汚してしまったそれはわたしのとても好きなそれ
きみのこと嫌いじゃないのよ
わたしの大きな小さなそれらの心が集まって
きみのことをどっかにやっちゃうかもしれないけれど
きみのこと嫌いじゃないのよ
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