ちょうど俺がホルスを使いだした時期
KCCの大会には、度々"とーらん"というプレイヤーが現れていた

当時のネット界では、そこそこ知名度のある人物だった
彼は大会ではえげつないデッキをよく使っていた
禁制改定直後の大会では自爆を使って、ミラフォと当たったことも(その試合はミラフォが勝った)
その後【三原式(デッキ破壊)】でキング優勝。


それからしばらく経った11月下旬
彼は再度三原式でキングに挑む
この時彼はコナミに挑戦状を叩き付けるような意味合いで出場したらしい
この時期より少し前に、三原式より凶悪な【MCV(MACV)】というデッキが問題となった


このMCVは三原式にVドラを組み込んだマッチキルを狙うデッキである
このデッキの、長時間ループを繰り返し勝利する方法が問題視され、3分ルールがより厳しく改正されることとなる


俺の記憶では、MCVの成功率は4割程度で、Vを組み込んだ分、他のワンキルより劣っていた印象がある


そんな3分ルールが厳しい中で、彼はあえて三原式を使ったのである
とーらんが三原式を使っていることを把握した運営は、3回戦か4回戦からとーらんの真後ろにスタッフを配置する


そのスタッフはストップウォッチ使い、彼の毎ターンのプレイ時間を計っていた
しかしそれは無駄な作業だった
この日の彼は3分超えでジャッジキルを取られないように、きちんと対策していたのである


通常の三原式だとどうしても3分以上の時間が必要となる
そこで彼は2ターン以上に分けて、デッキキルするスロータイプの三原式を使った


このリバースソウル入りのスロータイプは、毎ターン3分以内で相手にターンを渡すため、ジャッジが罰則を取れないのである
そして彼は見事優勝を果たした


大会終了後決勝を見ていた、N河原というスタッフが彼にこう告げた
「今回はいいですが、次回以降このようなデッキを使用するのはやめてください」


怒ったとーらんが受付でその事情を話すと、N河原の個人的な感情から出た発言であったことが判明
その後N河原がとーらんに直接謝罪するという事態に発展した


今思うと、このとーらんの優勝がサイバーポッド禁止を確定させたのかもしれない