*長文で重いですが…よろしければ。
拍手ありがとうございました!
生
死
再生…
輪廻…
再び蘇る…というファンタジー
それに込められた…祈り…。
再融合願望…
という深層心理があるという…。
一つの命…つまり…母体から…
もう一つの命が産まれる。
元は一つだった存在が…
二つの存在へと…分離する…。
一つだった!という…
確かな記憶が…あるというのか…?
片割れとして…
母体から離れ…生誕は祝福される…。
しかし…
もう一方のそれ…を失った…
生まれ出ずる…ということの意味を
どう受け入れればいいのだろうか…。
生誕の喜びは…
他者から与えられるものであって…
自ら湧き上がる…驚きは…
直ぐさま…分離の不安へと…
泣き叫ぶしかない…恐怖へと…
主観的世界を包み込む。
そして…
喪失…という苦しみを…
人は…この世の絶望と…体験する。
その苦しみは…
西洋的に言えば…原罪…。
産まれ堕ちた瞬間からの…
ツ・ミ・ビ・ト…罪人。
罪人であるから…失い…
罪人であるから…苦しむのだと…
襲いかかる絶望を…理解する。
東洋的に…それは…
神によって与えられた…業と…。
修行によってのみ…
苦しみから…逃れられるのだと…
自戒を…礎に…生きる。
そのどちらもが…求めるものは…
絶望からの…
許し…と、…癒やし…
そして…
存在への…保証…。
その安心を得られない者は…
再融合願望…を
希求し…対象を求め続けるのだ…
現実に…
そして…
ファンタジーの中で…
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「やっと…一つになれた……
でも!…次の瞬間!…例えようの無い虚しさに…」
「君の中の君は…感じたんだね…。」
「その…瞬間を…望んでいたはずなのに……うぅっ……ぅ…」
「君の望みは…血生臭い!ファンタジーとなって…君を襲った……そうだね…?」
「そう……血生臭い…猟奇的な…でも…温かな…。
わからない…!僕が…一体何を求めていたのか!…今も何を望んでいるのか!!…自分でも…。」
「君のファンタジーは…あまりに破壊的だった…。君自身の中に…まるで残酷な獲物を食いちぎり貪る…怪物がいるかのように…。」
「現実と…夢物語が…プリズムのように反射したようで…僕は…ただただ…翻弄されて…」
「ふむ…」
「僕はずっと…本当の僕が…何を感じ、望んでいるのか!…必死に掴もうとしたんだ!…もがいてもがいて必死だったんだ…何かを掴みたい……信じてくれる?」
「あぁ…、信じるとも。」
「でも…僕の中の…怪物は…本当の僕なんでしょう?僕はそんな恐ろしい…生き物…なんでしょう?…だから…僕はもう逃げるしか…全てから…何処かへ…」
「本当の君!?…それは…イエスともノーとも…
だが…以前君に…その答えのヒントは与えたはずだ…。
…そうか…一人前に闘っているつもりになっている間に…忘れてしまったようだな…。」
「…ヒント?」
「あぁ…もう一度…冷静に…思い起こしてごらん…」
「あなたからのメッセージは…全て僕の記憶の保存庫に…あります。
……あっ…」
「気付いたかい…?
君の中の怪物は…君自身だけのモノじゃ…ないようだね…。」
「……」
「君が…どんな時…何を思う時……その怪物があらわれるのか…きっと…条件がありはずだ…
毎日毎時間毎分…君を…覆い…苦しめる…君自身の主観的世界があるはずだね…。
つまりそれと、君の怪物は…無縁ではないって事だろう…。」
「僕の主観と…怪物のファンタジー……僕の主観的世界には…あなたがいつも…こうして……」
「……」
「あなたが…いるから…?
僕の中には…怪物じゃなくて…あなたが…いや、あなたとの世界が…」
「…うむ…」
「僕はこうして…あなたを相手に自問自答しています…あなたがまるで僕の一部であるように感じます…。
僕はあなたの一部…いや…あなたが僕の一部…
いや…僕とあなたは…僕でもあり…あなたでもあり……あぁ……苦しい……」
「もう…よそう……君は…ここにいる…そして私も…。
それに満足を感じないなんて!愚かな事なんだ…そうだろう?」
「自分が何を望んでいるかなんて…どうでもいい…こと…なんですね…」
「あぁ…、ヨハン…私がここにいるよ…安心しておくれ…」
「約束を…」
「うむ…。」