作 米澤穂信
創元推理文庫


友人から借りた時に思わず「冬はないの?」と訊いてしまった『秋期限定栗きんとん事件』の上巻になります。
タイトルだけ見るとと一年内のことかと思いや、春期限定は高校一年の春、夏期限定は二年の夏、秋期限定は二年の秋からにかけてとなります。
前回でコンビ解消した小鳩くんと小佐内さんにはそれぞれに恋人が出来、決して校内ですれ違うことがあっても他人をなっていたのですが、新聞部のある部員に行動がきっかけになっていきます。前回までは小鳩くん視点のみだったところに、今回はその新聞部の部員である爪野くん視点も加わります。最初は誰やと思いながら読んでいましたが(笑)その爪野くんの新聞部としての活動とは対照的に小鳩くんは新たな恋人とのやりとりがメインとなっています。
上巻では爪野くんが追っている連続放火事件が放火を重ね、三年生になり気になって受験勉強の妨げとなる同事件をようやく小鳩くんが追い始めるところで終わっています。
果たして事件の真相は。爪野くんは犯人を捕らえられるのか。