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日本人形

森久美子の体験談。

久美子が友人三人と旅行に行った時の事。
とある旅館で一泊する事になっていた。有名な旅館との事。
食事をおおいに楽しむとあとは寝るだけ。
寝床は結構な広さの和室だった。
生け花や掛け軸、日本人形が飾ってあった。
四組みの布団に各自潜り込むと、疲れからか一人、また一人
と眠りに入っていく。
久美子も眠くなって来た。
スーッ、スーッという寝息が耳に心地良い。
ところがふと気付く。
四人で寝ているのに聞こえてくる寝息が多い気がする。
あれ?部屋を見回して見た。
友人達は気持ち良さそうに眠っている。
気の性か。そう思いながら寝返りを打った。
ふと目に入ってきたモノ。

赤い着物の日本人形だった。
最初に見た時は確か舞を模したポーズだったのに何か変だ。
おまけに物音まで聞こえて来た。
フーッ、フーッ、フーッ、息苦しそうな呼吸の音。
バサッ、バサッ、バサッ、何の音?
目を凝らして人形をよく見てみる。
動いていた。
両手をゆっくり上げては降り下ろす
両手をゆっくり上げては降り下ろす、その繰り返し。
そしてその度にフーッ、バサッ。
久美子は思わず小さな声を上げてしまった。
その声に気付いたのか、人形は久美子の方に向き直る。
そして一言。

「見るな」

久美子は気を失った。

叩かれるドア

仕事で地方行く用事が出来て、時間の関係で前の晩に新幹線乗って一泊することになったのね。で、同僚と話してるときに予約したホテルの名前いったら
「お前知ってる?そのホテルってさあ」
とか話し出して、そいつはその手の話大好きで俺すっげえ臆病だから絶対聞きたくなくて、
「バカやめろよ言うなよ。言ったらぶっ飛ばす」
って慌てて遮って、そのときは聞かずに済んだんだけど、でもそいつのお陰でホテル着いた後も妙に気味悪くって。どうせ一泊しかしないんだからさっさと寝ちまおうと思って布団入ったんだけど、俺くらい臆病な奴なら分かると思うけど、そういう時って一回恐いって思ったら終わりなんだよね。寝るのも起きるのも身動きするのも嫌で、もう朝になるの待つしかない。そんで布団の中でいろいろ考えて、何故かそのときは死ぬのが異様に恐かった。ずっと死ぬことばっかり考えて、いやだ、恐い、死にたくねえ、でもいつか死ぬ。誰か助けてって。もう本気で寝るの諦めて、どっかの飲み屋でも行って時間つぶそうと思い始めたとき、

ドンドンドンドン!!

って。部屋のドア叩いてるんだよ。心臓止まんなかったのが不思議なくらいビビッた。

ドンドンドンドン!!

幽霊?火事?知り合い?なんか事故でもあったのか。とりあえず電気点けて、でもドア開けるのは恐くて、
「なんですかー?」
って答えてみたら叩く音はピタッとやんで、そのまましばらく身構えてたけど何にも言ってこない。もう寝れる状態じゃない。財布と電話確認して、なんとなく身仕度して(寝巻だけど)ベッドの上に起き上がって、じっとなんか待ってた。しばらくしたら、

ドンドンドンドン!!

ってまた叩く音がして、
「なんかあったんですかー!?」
でも返事は無い。本当に緊急ならホテルの人間が何か言ってくる筈だ。鍵も開けられるだろうし部屋の電話も携帯電話もある。なら大した用事じゃないのか?でもさっきからの妙な気分は引き摺ってて、とにかく恐い。

ドンドンドンドン!!

フロントに電話しようと思った。けど電話を見たら、そういう他人とのコンタクトがすげえ不安になってきた。言っても通じなかったらどうしよう。つーか、なんか変なのが電話出たらどうしよう。そんで、

ガチャガチャガチャ!!



ノブ回してるよ。入って来る気だよ。どうしよう。どうしよう。ビビりまくって、でもベッドの上から動けなくて、とにかく早く朝になれと思った。

ドンドンドンドン!!
ガチャガチャガチャ!!

イタズラか?近くの部屋に頭おかしいのが泊まってんのか?早くこの時間が終わることだけ祈って、空が白くなって、だんだんドアを叩く音の間隔が長くなって、とうとうやんだ。仕事で朝早いのが救いだった。フロントに電話してチェックアウトしたいって言って、あとは、普通。仕事して家に帰った。そんで、前にホテルの話しかけた同僚つかまえて、
「あそこ何かあったのか?」
って聞いてみたら、数年前に火事があって、大した火じゃなかったんだけど一人死んで、それから出るとか出ないとか。まあ、そういう話だよ。
「ドア叩くんだろ?」
「何で知ってんの?もしかしてお前見た?」
「うん」
「へー。何号室よ」
つまんなかったかもしれないけど俺の中では最高の怪談です。あの夜を過ごした恐怖は一生消えねえ。ちゃんとオチもあるよ。そもそもそいつは何で死んだか。逃げ遅れたんだけどさ。単純に。パニックになってたか壊れてたか知らないけど部屋の鍵が開けられなくて。だから
「やっぱ幽霊だったんだな。開けなくて良かった」
って漏らした俺に同僚は言ったよ。


「なんで?そいつ部屋の中から外に出たくてドア叩いてたんだろ?」

元彼の洒落にならない体験談。

肝試しが好きでその日も○○山へ車で肝試しにいった。
山に入ってしばらく進むと脇に小さい神社があってさ。
興奮してみんな「あそこやべー!」とか言ってんの。
酒の勢いもあって車の中のやつら全員乗り気。
大丈夫だって!!と何を根拠にいうのかわからんが馬鹿笑いしながら運転手のBが車を止めた。
神社はこれといって何もなかった。
小さな祠が一つあって、その祠の側にでかい木が一本立ってた。
周りは真っ暗で雰囲気は最強だったが全員酒が入ってるので関係ない。

「うひょ!こえぇええ!」

なんて言いながらおもしろ半分に祠に手を合わせたり付近でふざけ回ったりしていた時。
霊感が微妙にあると言うAがふざけるのをやめて俺の方をじっと見つめてる。
俺は祠の側の木を背にして立ってて、「エロくて裸エプロンで仕事帰りの俺を迎えてくれるあゆ似の彼女を俺に下さい!!」とか祠に祈ってる連れをみながら爆笑していた。
Aもさっきまで一緒に爆笑していたのに、急に真剣な顔になって俺を見ている。

そして突然おれの手首をつかんで強引に俺を引っ張った。

「なぁ、こんな時に悪いんだが、俺、明日早いんだわ。そろそろかえらねぇ??」

Aの顔が懐中電灯の中で妙に青白い。

「なにいってんだよ、お前明日休みとかいってたじゃん」
「まじわりぃ。ぼけててさ、忘れてたんだよまじ。」

Aはそう言って笑ったが無理矢理作った笑顔みたいな感じだった。
Aが微妙に霊感があることは皆知ってる。
もしかしてやばいのか?でもいつもならこれ以上は行くなとかあそこに○○がいるとかまず言うしこいつ。
はしゃぎまわってるやつを収集して車に戻りエンジンをかけた。
するとAが早口で言った。

「絶対神社の方見るな!!!」

この一言で全員了解。
かなり飛ばして峠を降りた。
車内全員無言。
Aはうつむいて青白い顔でなにやらぶつぶつ言っている。

地元の町について、ファミレスに入り、俺が聞いた。

「なにがいたわけ?」
「後ろ向いたやついる?」とA

全員見てなかった。
それかrなおAの答えを聞いて全員てんぱった。

「Y(彼)が立ってたとこの後ろに木があっただろ。そこから白い着物来た女がゆっくり出てきてお前の首に手をかけようとしてたんだよ。目がやべぇんだよ…俺も酔っ払ってていつからあの女がいたかよくわかんねぇんだけど最初は木の陰にいてさ。酔い冷めて固まってしばらく見てたらなんか出てくるんだよ。皆が車に走る間その女ずっとお前の事目で追ってたぞ。エンジンかかるまで生きた気しなかった。あんなやばい気初めてだったわ。安心して神社の方見たら、その女、こっちに向かってくるんだよ。最初はゆっくりだったけど段々スピード上がってくるの。絶対生きてるもんの早さじゃないの。まじ、すぐ後ろをキープしてはしってんの。途中で消えてくれたけど、追い付かれたらどうしようと思って必死でお経となえてたんだ、俺。」

「なぁ、なんで言わなかったんだ?」俺が聞いた。

「あんな至近距離で言えるかよ。見えてるってばれたらそれはそれでやばいぞ。全員ぱにくって運転とか無理になんだろ」

うちの元彼は白い着物の彼女に狙われていたらしいです。

返却BOX

しまった!
今日がDVD返す日だった!!
夜中布団の中で、はっと気付いた。
時計を見ると1時ちょうど。
店は深夜1時までなのでまだ間に合うかも!
私は飛び起きてレンタル店へ走った。
店に着くと、もう中は真っ暗で営業は終わってしまったようだ。
え〜どうして?
いくらなんでも1時ちょっと過ぎまでは営業するだろ、普通。
仕方ない、返却BOXに入れとくか。
返却BOXにDVDを入れようとしたら、入れ口に何か白いものがあった。
なんだこれ?ビニール袋の持つ部分?
あっ、そうか、私の前に返却した人がちゃんと入れずに引っ掛かったんだ。
・ ・ ・もしかしてこれってチャンス?
いいDVDとかだったらもらっちゃおうかな。
周りに防犯カメラや人が居ないのを確認してから、私は入れ口から少しだけのぞいているビニール袋の端を引っ張り、引き出そうとした。

「ズルッ」

勢い余ってかなり乱暴になってしまい、ビニールは破け、中身は飛んで私にぶつかってバラッと落ちた。
結構大きな音がした。

「カラッ、カラッ・・・」

まずいな、誰かに見つからなかっただろうな?
少しその場を離れて見回してみたが、大丈夫、誰も居ないようだ。

さて、何のDVDかな?
ケースは見当たらず、中身だけ落ちている。

傷がついてなければ良いけど。
私は拾い上げようとして手を伸ばしたが、そのまま固まった。
それはDVDではなく、鏡だった。
手鏡の取っ手部分をむりやり折って丸い部分だけになった鏡だった。

なんで?!

私は意味が解らず、しばらくその鏡を見つめていた。
その時、店の前を車が通りすぎた。
一瞬だがヘッドライトの光がこちらに向いた。

鏡に反射してピカッと光った。
まぶしい!
思わず目をそらしてしまった。
再び鏡を見ると、無くなっていた!
ほんの一瞬目を離しただけなのに。
更に分けがわからなくなって、もういいや、とりあえず自分のDVD返却して帰ろう。
そういえばあの入れ口、壊れて無いよな?かなり強引に引っ張ったからな。
入れ口を見てみると、ギョッとした。

入れ口から手が出ていてこちらに向かって「おいで、おいで」をしていたのだ。

・ ・ ・いや、待てよ、できすぎだ。
あ〜、なるほどねえ。
店を早めに閉めてバイトが私みたいな客に仕掛けたいたずらか!
たしか前に自販機の取り出し口から手がでていたとかネタがあったよな。
鏡にも糸かなんかついていて私が目を離した隙に隠したんだろう。
「おいで、おいで」をしている手を良く見てみると女の子の手のようだ。
ピンクのマニキュアをしている。
耳をすますと、心なしか、小さな話し声も聞こえるようだ。
私は「うわ〜」と大げさに驚き、一目散に逃げた。
ように見せて、こっそり店の裏に回り建物の影から入れ口を覗いて見た。
まだ「おいで、おいで」をしている。
随分やってるな。
もういいだろ。早く出てこないかな。
もし可愛い子だったらこれをきっかけに・・・などと考えていると、

「ポトリ」

手首から先が落ちた。

・ ・ ・なにも考えられなくなった。
ただただその手首を見ていると、

「カサカサ、カサカサ」

指を足のように使いながら這いずりはじめた。
なにかを探しているかのよう・・・あっもしかしてあの鏡か?
これって相当ヤバイんじゃ。。

「ガタッ」

無意識のうちに壁に体をぶつけてしまった。
すると手首が動きを止めた。
指が5本ともこちらを向いた。
しまった、見つかったか!!

手首は私の方へなにかの生き物のように這ってきた。
逃げようとしたが全く動けない。

「カサカサ、カサカサ」

足を1歩伸ばせば届く所まで近づいた。
もうダメだ、私は歯を食いしばって目を閉じて観念した・・・

だがそれは私の横を通りすぎていったようだ。
だんだん「カサカサ」という音が遠ざかっていく。
5分ほど経っただろうか、そっと目を開けて辺りをうかがうと、何も無かった。
汗をびっしょりかいたが、冷静になって自分を思うと少し恥かしくなってきた。
何、真夜中に店の裏で立ちすくんで汗だらだらかいてんだ!自分?
手首が動いたように見えたのも、ビニール袋が風で転がったかなんかだろう。
は〜あ、あほだな自分。
思わず一人ぼけ突っ込みをしながら店の前に出た。
端の方にまだビニール袋が転がっている。
もう騙されないって!
まあ私をあれほど怖がらせたビニール袋だ。
悔しいから1回くらい蹴飛ばして帰るか。
近づいて見ると、ビニールではなかった。
そこには折れた鏡を大事そうに撫でまわしている手首があった。

私は無言で後ずさりをしてクルッと振り返って、これ以上速く走ったら死ぬかもという勢いで家に帰った。
そしてそのまま寝入ってしまった。

次の日の朝、親が血相変えて起こしに来た。

「お前が良く行ってるレンタル屋、強盗入って女の子が死んじゃったって!」

えっ、昨日返しに行ったけど・・・と言おうとして止めた。
机の上にはまだ返していないDVDがあったので、昨日の出来事は夢だったんだろう。
あ〜変な夢見たな。
なんか良く寝たはずなのに疲れたよ。
店に警察がいっぱい来ていて大騒ぎだから見に行こうと言うので、着替えようとしたら、何かが胸のあたりからポトリと落ちた。
キラキラ光っている。

拾い上げてみると、鏡の破片だった。

ぶら下がり

お姉さん(Oさんで)がどこぞにお勤めしてた時の事。
その日もいつも通り仕事を終え、いつも通りに帰宅した。
当時Oさんは親元で暮らしていた。
普通の一軒家だったとの事。
ところがおかしい。
玄関に着いたのだが、何故か家には入りたくない。
こんな事は初めてだった。
「疲れているのね」そう思って家に入った。

家族と食事を済ませ、風呂にも入った。いつも通りだった。
「もう寝る」
居間でくつろぐみなにそう言い、自分の部屋のある二階へと向
かおうとした。
ここでまたおかしな感覚をおぼえる。
上がりたくない、何故かわからぬがそう思った。
けど明日も早いし、家族とテレビを見る気も湧かない。
疲れから来る感覚だと思いそのまま二階へと上がって行った。
Oさんの部屋は二階突き当たりの左側。
なにも変わったとこはない。
が、部屋の前で再び嫌な感覚におそわれた。
さすがにいらぬ事を考えてしまう。
けど家族を呼ぶのも馬鹿らしいし、取り合ってくれないだろう。
意を決してドアを開けた。
窓もベッドもいつも通りだった。
なんだか急に白けてしまい、服を片付けるとそのまま布団に潜
ってしまった。
疲れていたのだろう、すぐに眠くなって来た。

どれ位寝ていただろう。
Oさんはフッと目を覚ましてしまった。
まだ階下からはテレビの音が聞こえて来る。
少し喉が乾いていたが、気にせず眠ろうとした。
Oさんは、右向きの姿勢で丸くなって寝るクセがあった。
その部屋からすると顔を窓の方に向けて寝ている事になる。
気の性か、どこからかギーシ、ギーシと音が聞こえる。
何かが揺れてきしむような不思議な音。
Oさんはなんだろうと思いながらも気が遠くなっていった。

また目が覚めてしまった。
ベッドランプを付けて時間を確かめてみた。
「まだこんな時間」
少し不機嫌になりながらランプを消した。
ギーシ、ギーシ。
何の音?そう思いながらまどろんで行く。
こころなしかさっきより音が大きい気がした。

再び目が覚めてしまった。完全にあの音のせいだ。
「まったくなんなのよ」
こんなに何度も目が覚めるのはめずらしい事だった。
ランプを付けて時計を見る。
あれから二時間しか立っていない。
明日も早い、少しでも寝ておきたい。
そう考えてランプを消した。
目をつぶる。
あの音が聞こえる。
なぜか妙に近くから聞こえる気がする。
フッと恐怖感が湧いて来た。部屋の中?
ドアに背を向ける格好で寝ていたOさんの後ろから音がする。
ギーシ、ギーシ、ギーシ。
一定のリズムで聞こえてくる。
ギーシ、ギーシ、ギーシ。
何故か寒気がして来た。


Oさんは、自然と震えてしまう自分が恐くなってしまう。
今までこういう経験はした事がなかった。
ギーシ、ギーシ、ギーシ。
それを見透かすかの様にあの音は続く。
ものすごく喉が乾いていた。
「そうだ、下に行けばまだ母さんが起きてるかも」
もう一度ランプを付け時計を見てみる。
夜更かし好きの母なら起きている時間だった。
少し安心する事が出来た。

ふと時計の文字盤に何かが映り込んでいるのに気づく。
自分の背後で何かが揺れている。
恐怖が体を突き抜ける。
その時。

「オイ」

男の声。低い声。自分を呼んでいる。

Oさんは勢いよく振り返った。

天井から下がる電気の紐。
そこに男が片手でぶら下がっていた。
下半身が無かった。
片手をメチャクチャに振り回していた。

「ギャハハハハハハー」
突然もの凄い形相で笑い出した。

Oさんは気を失ってしまった。

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