リョウたちがワカバタウンから旅に出て、キキョウジムを突破するまでの日記みたいなものです。


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4月7日(火)
チコリータのワカナを連れてワカバタウンを旅立つ。俺を警戒してるのか様子を伺ってる節があるが、木苺をくれたり俺を心配してくれたりと優しい。ヨシノシティに満ちる花の香りを気に入ったらしく、花壇や道端の花を眺めて、嬉しそうに短い尻尾を振っていた。
ヨシノシティでイーブイのモチヅキが仲間になった。

4月8日(水)
キキョウシティへ向かった。モチヅキは初めてのトレーナー戦を、全く動じることなく戦ってくれた。ワカナといいモチヅキといい、肝が座ってる。
ゴルバットに瀕死にさせられたけど、自分たちより俺の心配をしてくれた。優しい子たちだ。
晩御飯の時、俺がよそ見をした隙にモチヅキがおかずをかじった。とぼけていたが、口の端にソースが付いていたからバレバレだ。

4月9日(木)
ヒビキくんたちと街を歩いていた時、俺がヒビキくんやヒノアラシを誉めると、ワカナは俺やヒノアラシを軽く叩いてきた。ヒビキくんが嫉妬だと指摘したら図星だったらしく、照れ隠しみたいに俺を叩いてきた。懐いてきてくれてるみたいで嬉しいけど、けっこう痛い。

4月10日(金)
いったんヨシノシティまで戻った。2匹を交互に連れ歩きながらキャタピーとマダツボミを倒した。時間が立つにつれてワカナが嫌そうな顔付きになっていったのが忘れられない。眉間にシワが2本、はっきりと寄っていた。苦手な虫タイプと相性が良いとは言えない同タイプばかり相手にするのが嫌だったのだろうか?

4月11日(土)
マダツボミの塔で連続してトレーナー戦になった。育成のため、ワカナにマダツボミを倒して貰ったが、すごく不毛な泥かけ試合が続いた。野生とトレーナーの手持ちは勝手が違う。その分入る経験値も多い。
ホーホー相手では不利なので交代したら、後で不機嫌そうに俺の足を踏んづけて来た。
モチヅキはホーホーの催眠術にかかりまくって攻撃力も下げられて、時間と手数ばかり多い不毛な戦い方をさせてしまったが、特に不満そうな様子はなかった。

4月12日(日)
Wi-Fiルームでヒビキ達と通信をしてる間、ボールの中が暇だったらしく、退室すると眠り状態になってた。
育成プランを立てて、とりあえずHPを上げるためキャタピーばかり倒したら、またワカナが嫌そうな顔をしていた。やっぱり苦手タイプとばかり戦うのが嫌なんだろうか。
モチヅキは特に不満げな様子もなくのんびりしている。

4月13日(月)
コラッタとばかり戦っていたら、モチヅキが不機嫌そうに唸りながら飛びかかって来た。理由はわからないが、強めに甘噛みされて手を引っかかれた。
夜、ちょっと目を離した隙に俺のご飯にモチヅキが手を付けて、口の周りに付いたソースを満足そうに舐めていた。叱ったけど全然堪えてない様子だった。
モチヅキは隙あらば俺の食べ物を狙ってくる。食いしん坊だ。

4月14日(火)
キキョウジムに挑んだ。ワカナはジムリーダーのピジョットを、モチヅキはジムトレーナーの手持ちとジムリーダーのポッポを倒した。
ぎりぎりの勝ちでモチヅキは瀕死に近かったけど、バトルが終わった後もボールに戻ろうとせず、嬉しそうに喉をならしながらずっと俺の腕にしがみついていた。
ほぼ瀕死状態で連れ歩いてたら、ジョーイさんに無理させないようにと注意された。
ジム突破のお祝いに、夜は調理場を借りて料理を作った。2匹とも気に入った様子で、モチヅキは肉、ワカナは野菜炒めを美味しそうに食べていた。


次話 アルフの遺跡(上)