話題:短歌・俳句・川柳
2020/11/24 23:24
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話題:短歌・俳句・川柳

▲春茜あそび疲れて花の影
▲春夕焼しつとり染まる花の影
▲春の夕焼書店をあとに三両目
▲春茜中吊りを背によい感じ
▲草餅やドラマで撮影したあたり
▲行く春に流行り病のいろの曇
▲行く春に流行り病の送り人
▲行く春に雪はさいごの手の中に
▲行く春に青いひとりの焔なる
▲行く春に青くみどりの雫かな
▲行く春にきのふのけふの波の音
▲行く春に植物圏の匂いかな
▲行く春に夜は気圏のあめのゆき
▲行く春に乾いて命おちてをり
▲行く春に命の去りてゆく日かな
▲行く春にふり返りせぬ命かな
▲行く春にふり返りせづ人死ぬる
▲行く春に姿かたちや人死ぬる
▲行く春に手を振る人の理想郷
▲国際に富みしアートや春の菓子
▲踏青にならびたてたる頭かな
▲踏草や洗いたてたる好ましき
▲鳥の尻うごいてをるや磯遊
▲海神の浜に手をつき磯遊
▲野がけして姫や化けたる山の神
▲野遊や太陽神の羽生える
▲旅びとや東京雲雀ななめ読み
▲雀の子いまから何処に寛永寺
▲雀の子おみくじのぞきみて帰る
▲新しく店やオープン雀の子
▲馬の尻脚も太くて苜蓿
▲幸せを呼ぶや馬にも苜蓿
▲美しき南部馬よと苜蓿
▲ずんぐりと民謡や聞き苜蓿
▲美しき少女の瞳苜蓿
▲花や摘み器用な不思議苜蓿
▲まといたる農夫の空に紫曇英かな
▲春昼になれぬの言葉の入りけり
▲春昼になじみの言葉入りけり
▲春昼に頬杖ついて参考書
▲春昼に電車の窓やながれけり
▲春昼に気になる人の声やする
▲関東に一休みして木の芽和
▲房総の海も近くに木の芽和
▲亀鳴やむかしながらに焔のゆれる
▲亀鳴やまんまるとした月の日に
▲うつむける人のまつ毛や春の月
▲テーブルに花瓶の浅く春の時雨
▲初蝶や三角屋根はねこの家
▲初蝶や水彩筆の如くなり
▲初蝶や曇はいささか多めなり
▲初蝶や曇は次第に抜け落ちて
▲初蝶や家具はイタリア調度品
▲初蝶に表装清き挿絵かな
▲やはらかにまたそのうへに春の波
▲透過して際やはらかに春の波

▲春の波に少女の声のひねもすかな
▲春の波に少女の声や飛行機ゆく
▲春の海まつたりやがて線となる
▲春の海の光の砂のばかりなり
▲春の海に電車も空も吸はれたり
▲くつきりと線となり得ぬ春の海
▲富士までも桃色となる春の海
▲釣糸に思いの残る桜かな

▲釣堀に思いの帰り桜蘂降る
▲桜蘂降るショートカットの背中かな
▲桜蘂降るレンズに細き指の人
▲桜蘂降る被写体を待つ女かな
▲桜蘂降る最近見つけた古着店
▲桜蘂降る大学近くの待ち合せ
▲桜蘂降る居酒屋ふたり男飲み
▲深夜まで食のおいしい残る花
▲古書店や徒歩数分の残る花
▲先輩と呼んでほほ笑む残る花
▲先輩と止めてほほ笑む残る花
▲初恋や指先ふるる残る桜
▲初恋や廊下の窓に残る桜
▲シャッターを君とふたりで残る花
▲シャッターに君をとめたり残る花
▲焼き菓子と別れた君に残る桜
▲バーガーを長い歴史や残る桜
▲燻されたビルや鏡に残る桜
▲書物手に緑輝く端午かな
▲書物手に緑の中を端午かな
▲せしめたる緑のゆくは端午かな
▲声合わせ背負う緑の端午かな
▲寺子屋の背負う大樹に端午かな
▲学堂に声合わせたる端午かな
▲春秋戦国時代幟を立て
▲手に緑に空に書物の端午かな
▲牛若や金時べんけ吹きながす
▲武者人形ばばや家にて鬼瓦
▲武者人形家鬼瓦おわします
▲故事を知り菖蒲に我も初節句
▲故事を知り菖蒲も咲ける重五かな
▲町町ににらみを利かす鍾馗かな
▲神功皇后幟や立てて武者人形
▲神功皇后幟や立てて大石の上
▲美しき神功皇后武者姿
▲武者人形神功皇后美しや
▲屋根瓦風通りけり菖蒲葺く
▲菖蒲葺き童も空を見上げたり
▲疾病のねがふ粽の風や解く
▲姉様の泪のみゆるちまきかな
▲先駆けて防ぐねがひの粽かな
▲屈原やこれが日本の柏餅
▲屈原の楚辞を買ひたり柏餅
▲先陣の平和となるや吹流し
▲先陣の平和となるや鯉のぼり
▲戦陣の風に平和の鯉幟
▲ゆつたりと背やふくらませ鯉のぼり
▲五月鯉社も見えて二三本
▲五月鯉みどりに幅を利かせたり
▲五月鯉緑の中を悠々と
▲いそがしく回る柱の鯉のぼり
▲弓なりと言わぬはまでも鯉のぼり
▲蒼天に色をつけたり鯉のぼり
▲空に川緑の中の鯉のぼり
▲鯉のぼりみるは自然のちからなり
▲かこつけて武家のむすめや鯉のぼり
▲かこつけて娘の庭や鯉のぼり
▲柏餅女の家にもらひけり
▲鯉のぼり太く大きく女絵師
▲鯉のぼりかかれば洒落の女絵師
▲鯉のぼりかかれば恋し浮世かな
▲版元の江戸にかりねや鯉のぼり
▲春泥に重なる鉢の新芽かな
▲なにごとも春に浮かべる新芽かな
▲いろいろと春に浮かべる新芽かな
▲さまざまに行春に見る新芽かな
▲さまざまに春を浮かべる新芽かな
▲行春にさまざま浮かべ新芽かな
▲きんたろう飴の如くに新樹かな
▲思ひ出すあの頃よりの若葉かな
▲さまざまな人行く街の若葉かな
▲若葉手にうどんがええと東大寺
▲つく鐘や若葉にうずむ春日山
▲桃太郎をつつみて浮かす若葉かな
▲はじけとぶ明るき色の染卵
▲染卵記憶の中の森をゆく
▲それぞれの命の上に染卵
▲野の中の教養となり染卵
▲しずかさや野に美しき染卵
▲それぞれの個性を映す染卵
▲空色や水色もあり染卵
▲空に飛ぶ命のごとき染卵
▲染卵顔やピンクの女の子
▲女の子耳はピンクの復活祭
▲青空に籠いつぱいの染卵
▲開きたる家族の庭や染卵
▲復活祭大好きな子の隣かな
▲白藤や近くの石碑くさのかげ
▲藤の花しかとあれこそおぼつかな
▲大和路の山の辺そして藤の花
▲石塔や怨みを残し藤の花
▲白藤や飛鳥の君もそでをふり
▲中将の姫や北魏の白牡丹
▲白牡丹囲みて薬師如来座像
▲白牡丹はがれて紅や絹の道
▲白藤の風にあれこそ大和川
▲白藤の風にあるらし大和川
▲薫風に自分の色の教えけり
▲薫風にペダルや外し浪の音
▲風薫る開いて彼の手紙かな
▲浪音のストレス消えて風薫る
▲薫風や藍色となりながれ落ち
▲薫風に藍の絞りをながめたり
▲薫風に無くした彼の手紙かな
▲薫風に浪音だけを聞いてをる
▲薫風をパーツに分けた工学家
▲薫風に人それぞれの悩みかな
▲薫風を背におさえたり彼の胸
▲薫風やワルツのごとく散歩せり
○初桜貴女は何をしていたか
○初桜貴女は何に立姿
○秋入学銀河鉄道澄みわたる
○新しく期待のこもる烏瓜
○カンヴァスに寄りかかりけり夏の空
○大瀑布時やいつぞの如くなり
○大瀑布とじれば皮膚に物書いて
○大瀑布とじれば皮膚に物心
○白玉や開け放たれて風の音
○白玉や開け放たれて吹きにけり
○白玉や開け放たれて風のはれ
○白玉や開け放たれて風も石も
○白玉や開け放たれて天に風
○白玉や開け放たれて風とのみ
○天上の氷白玉匙のなか
○坪庭に氷白玉飾りけり
○風のみの氷白玉すがすがし
○白玉や開け放たれて風と青
○白玉や開け放たれて風深むし
○夏色や黄色や青やカンヴァスに
○カンヴァスに寄りかかりけり夏の空
○滝落ちて笊寒天や旅の途中
○大瀑布時やいつぞの如くなり
○大瀑布とじれば皮膚に物書いて
○大瀑布とじれば皮膚に物心
○フルーツに白玉まぶし口当たり
○白玉や開け放たれて風の音
○白玉や開け放たれて吹きにけり
○白玉や開け放たれて風のはれ
○白玉や開け放たれて風も石も
○白玉や開け放たれて天に風
○白玉や開け放たれて風とのみ
○天上の氷白玉匙のなか
○坪庭に氷白玉飾りけり
○風のみの氷白玉すがすがし
○白玉や開け放たれて風と青
○白玉や開け放たれて風深むし
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〓【2020】短歌製造

○手にとりし栞に残るのら猫の君待つ駅に芽吹くたらのめ

○白つめの君恋おもふ春の雲少し消えゆきいつ文の頃
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【大石メルヘン俳句】

◯ミックジャガーごめんなさいとチョコを食べ
◯ヴァレンタインミックの歌や巣箱かけ


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