【現在進行形で深める】6月24日
僕の思想的な支柱の一人に松原泰道老師がいる。
師は「物事は全て、客観的な完了形として捉えるのではなく、主体的に自らの現在進行形として捉えなさい」と教えて下さった。
僕はその立場で気功を深めてきた。
弁証法的な用語か仏教用語かは知らないが、「否定の否定」という言葉がある。
これは決してマイナス的な、或いは破壊的な言葉ではない。
物事の進化発展の法則のことなのだ。
気功の理論も技も、幽霊のように何処からかフーっと出て来る訳では無い。
丁度、蝉や蛇が脱皮するように、今を脱ぎ捨てて新しく現れるのだ。
鳥たちが玉子の中で成長し、これ以上、現状に甘えてはおれずに、殻を破って此の世に姿を現すようにだ。
今の自分を成長させていくことによって、今の殻や皮が足かせになり、だからそれを否定して新たな自分に変革していくのだ。
そういう発展を繰り返していくから「否定の否定」なのである。
気功の理論も技も「否定の否定」を繰り返しながら発展している。
その発展の段階を完了形で見るのではなく、主体的に、現在進行形的に捉え、気功を深めようとするからこそ、気功は深まっていくのである。
決して、気功が客観的に深い訳ではない。
主体的に深めていくから深くなるのだ。
自らが脱皮する。
自らが殻を破る。
その為には、自らを成長させていく実践が必要なのだ。
実践を怠る者には殻は破れない。
脱皮も出来ない。
僕はそんな脱皮もできないような生き方を自分の中から否定していく。