月明かりが満たした
 11/17 00:51




 本日は、今月になってから読み終えた本の感想をつらつらと。


『スプートニクの恋人』
村上春樹

彼の描く主人公の痛みはいつだって、私も持つ痛みなのです。直接心臓に触れられたような驚きとともに涙が頬を伝い、そしてひどく安堵するのです。

この作品も例外ではありません。淡々と客観的に綴られているからこそ、気付けば深く入り込んでいたのだと思います。

そして、最後に差し込むのは一筋の淡い、しかし確かな光。この刹那の為に読み進めたと言っても過言ではないくらい(勿論殆どの作品にとってラストは重要なのですが)、好きな場面です。


『陽気なギャングが地球を回す』
伊坂幸太郎

各々特殊な力を持った、個性的な四人の登場人物。彼らが行う無駄のない鮮やかな銀行強盗。彼いわく、荒唐無稽だからこそ突き付けられる現実。

毎度のことながら、至る所に張られた伏線が一度に繋がる瞬間は秀逸です。恍惚とした溜め息が出る程に。

続編を読むのが、また四人に出会えるのがとても楽しみです。


『終末のフール』
伊坂幸太郎

そっと思い詰めていた時期、この作品を通して改めて"生きること"と目を逸らさずに向き合いました。様々な感情が交錯し、心揺さぶられました。

痛切だけれど、温もりや優しさが確かにそこにありました。不器用で真っ直ぐな人々がそれを教えてくれました。

八年後に小惑星が衝突し地球が滅亡するとしたら、あなたはどうするでしょうか。


『蜘蛛の糸・社子春』
芥川龍之介

ふと、表題作である『蜘蛛の糸』が読みたくなったのです。麒麟のコントを思い出したからでしょうか。

どれもお伽噺のようで読み易かったです。次は代表的な『羅生門・鼻』辺りを読もうと思います。



 これを機に、定期的に書こうかしら。

それではおやすみなさい。


お返事

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